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Adobe Creative Cloudのプランが二分化 生成AI機能を大幅拡充

生成AI重視の「Pro」、または基本機能の「Standard」を選択可能に

Adobeは7月2日(水)、Creative Cloud個人版および学生・教職員版のプラン体系を変更すると発表した。既存の「Creative Cloud コンプリートプラン」を生成AI機能を大幅に強化した「Creative Cloud Pro」に名称変更するとともに、新たに機能を絞った「Creative Cloud Standard」を導入する。

Creative Cloud Proは、Photoshopなど20種類以上のデスクトップアプリケーションに加え、モバイルおよびウェブアプリへのフルアクセス、生成AI機能への無制限アクセスが特徴となる。月額料金は現行の7,780円から9,080円に引き上げる。

一方、Creative Cloud Standardは同じデスクトップアプリを利用できるものの、モバイルおよびウェブアプリは基本機能のみ。生成AI機能も月25クレジットに制限される代わりに、月額6,480円となる。現行のコンプリートプラン(7,780円)から実質値下げとなる。

両プランともクラウドストレージは100GBで変更はない。

新価格は8月1日(金)以降の月次または年次更新日から適用される。現在「Creative Cloudコンプリートプラン」に加入している利用者は、次の更新月の1か月前にお知らせが届き、更新月になると自動的に「Creative Cloud Pro」に変更される。1か月前のお知らせ時にStandardプランへの切り替えも可能となる。

Creative Cloud Proプラン

Photoshopの生成塗りつぶし、標準画像およびベクター生成機能が無制限で使用可能となる。また、Fireflyの画像から動画生成、動画を翻訳、音声を翻訳、およびPremiere Proの生成延長はプレミアム生成機能として利用可能で、月4,000クレジットから消費される。

プレミアム生成機能として月4,000クレジットが付与され、5秒の動画を最大40本生成、または最大14分の動画と音声が翻訳できる。

Fireflyの新しいコンセプト作成およびムードボード作成ツールである「Fireflyボード(ベータ版)」で複数のボードを作成可能となるほか、OpenAI GPT画像生成、Google ImagenとVeo、Fluxなど、アドビ以外の生成AIモデルをFireflyで直接使用する選択肢も加わる。

学生・教職員向けのCreative Cloud Proプランでは、引き続き対象となる利用者に対して、個人向けプランに比べて大幅な割引が適用される。初年度導入価格は月額3,280円、更新価格は月額4,180円となる。

Creative Cloud Standardプラン

現在利用できる20以上のデスクトップアプリ、サービス、特典が引き続き含まれるが、生成AI機能へのアクセスが制限され、生成クレジットが減少。ウェブアプリやモバイルアプリへのプレミアムアクセスも行えない。月額料金は6,480円となる。

標準の生成機能として月25クレジットに制限され、プレミアム生成機能は利用できない。

既存の利用者はアドビアカウントからCreative Cloud Standardに切り替えることができる。

【2025年7月3日】記事初出時に、価格情報と生成AI機能の制限について誤って記載していました。お詫びして訂正いたします。

本誌:佐藤拓