特別企画

写真集『神気 新・富士山景』の橋向真さんが解説 複雑な状況での撮影を支える「H&Yフィルターシステム」

9月10日に弊社より写真集『神気 新・富士山景』を上梓した橋向真さんに、作品撮影で使用されているH&Yフィルターシステムの解説をお願いしました。

美麗かつダイナミックな橋向さんの作品は、一体どのように撮影されているのでしょうか。H&Yフィルターシステムの活用法をぜひご覧ください。(編集部)


◇   ◇   ◇

H&Yフィルターの魅力

富士山は、光や雲によって刻々と表情が変化する。吊るし雲や笠雲、瞬間的な朝焼けなど、レンズ交換する時間さえ惜しいほど、激しく移り変わる。

そんな状況で、フィルターの取り付けに手間がかかるととても焦る。時には手持ちで角型フィルターをレンズ前にかざして使うことさえあった。

そんな面倒くさがりな私が出合ったのがH&Yのマグネット式角型フィルターのシステム。

磁力でフィルターを固定する画期的なシステムで、 着脱時にストレスがかからない。ネジの締め忘れ などで起こるフィルター落下などの不安もなく、撮影に集中できる。

また、フィルターホルダーには丸型フィルターもドロップインできるようになっている。こちらもサッと差し込み必要なければすぐ外すだけ。

一度体験すると他のフィルターが使えなくなるほど便利なシステムだ。

マグネットで固定するので、細かな操作がいらず、夜明け前の富士山撮影など、暗所でもセッティングがスムーズ。また、冬場に手袋をしながらでも操作しやすいこともメリットだ
強化ガラスであるゴリラガラスを採用しており、タフな仕様。平面性も高く、画質の劣化などもしっかりと抑制されているので、角型フィルターを2枚重ね掛けするといった使い方もできる

使用例①:富士山を飲み込む雲と美しき湖のリフレクション

画面左は渦を巻きながら形を変える吊るし雲。画面右からは今にも富士山を隠そうとする怪しい雲。バランサーGNDで空と逆さ富士の明暗差のバランスを取り、さらにCPL/ND1000をドロップインして、長秒露光で迫り来る雲の躍動感とリフレクションを強調した。

フィルターあり
EOS R / RF24-105mm F4 L IS USM / 24mm / マニュアル露出(F9、30秒) / ISO 100 / WB:オート
フィルターなし
フィルターを使わないと水面が暗く、リフレクションが沈んでしまう。雲も流せず、渦を巻く吊るし雲の動感を伝えられない
フィルターホルダーにドロップインCPL/ND1000フィルターを装着
ドロップインCPL/ND1000フィルター

価格:2万1,980円(税込)
ND1000とPLフィルターの機能を併せ持つドロップインフィルター。減光効果による長秒撮影で雲を流して写し、さらにPL効果を調整してリフレクションを程よく見せた。

バランサーGND16

ソフトGNDよりグラデーションがなだらかなバランサーND。明るい空と暗い水面の差を自然に調整できる。明暗差が強いときはソフトGNDを重ね掛けしても良い。

使用例②:きらめくダイヤモンド富士と逆光で輝くチカラシバ

富士山のてっぺんできらめく太陽も、光を浴びるチカラシバの輝きも両方しっかり伝えたい。

明部と暗部がはっきり分かれるこちらのシーンではソフトGNDを使用した。太陽が画面に直接入るシーンだが、フィルターによるフレアやゴーストの発生もなく、逆光耐性の強さが伺える。

EOS R / RF24-105mm F4 L IS USM / 24mm / マニュアル露出(F11、1/100秒) / ISO 100 / WB:オート

ソフトGND8

価格:2万1,980円(税込)
ソフトGNDは上部に減光効果が施され、境界が程よく滑らかな定番フィルター。4、8、16、32と濃度の異なるアイテムがラインアップされている。


◇   ◇   ◇

フィルターホルダーキットがリニューアル

100mm K-Series フィルターホルダーKit Mark IIは、角型フィルターのホルダーの他にドロップインできるCPLフィルターもセットになったスターターキットだ。レンズに装着するためのアダプターリングも同梱されている。

Mark IIになってからは固定ネジが改良されたことで、フィルターを落とすリスクが減っている

価格:24,900円(税込)

キット内容

・マグネットフィルターホルダー
・ドロップインCPLフィルター
・アダプターリング(67/72/77/82mm径)

協力:H&Y Filters Japan

橋向真