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9年間におよび富士山を見つめ、追いかけ続けた。橋向 真さん『神気 新・富士山景』が完成

様々な富士山の表情に出会える写真集

小社は9月10日、SNSやテレビ出演で話題を集めている写真家・橋向 真さんの写真集『神気 新・富士山景』を発刊しました。B5横型判96ページで2,453円(税込)です。

四季を通じた壮大な富士山写真を収載

作者の橋向 真さんはSNSを通じて壮大な富士山の姿を発信し続けている写真家です。2021年2月には笠雲が富士山を飲み込むような姿を捉えた写真がTwitterで拡散。およそ40万近くの「いいね」を集め、多くの注目を集めました。

その後も、テレビ朝日系列のテレビ番組「ザワつく!金曜日」などに出演するなど、その作家活動が話題を呼んでいます。本書は、そうした橋向 真さんが約9年の歳月をかけて撮りためた、富士山の様々な表情を凝縮して収めた作品集となっています。

SNSで話題を集めた笠雲に飲み込まれるような富士山の写真も収めています

四季の風景から浮かびあがる絶景富士

本作品集では、四季折々の景物と富士山とが共演する写真を多数掲載しています。桜や紅葉、茶畑などとともに詩情豊かに描き出された絶景の数々は、未だ見たことのない富士山を伝えてくれています。

壮大な姿から神々しさをまとう姿まで、鮮やかな色彩の中から浮かび上がる富士山の様々な表情は、この山の特別性をあらためて伝えてくれています。

自然現象が生み出す神秘とのコラボレーションも

山が笠を被っているように見えることから名づけられた「笠雲」や、標高の高い山ならではの自然現象である「吊るし雲」との共演、眼下に雲海をからめた壮大な風景など、様々な自然現象が浮かび上がらせる富士山の様々な表情をとらえた作品も本書の見どころのひとつとなっています。国内最高峰に大気がぶつかって生み出される瞬間の数々は、作者の視点を通じて見る者を富士山の神秘に誘うかのようです。

作家メッセージ

富士山は、古来より信仰やさまざまな表現文化の対象となり、今なお日本の象徴として語り継がれてきた世界でも有名な霊峰です。誰しもが富士山のシルエットを思い浮かべられると思います。世間一般のイメージでの富士山は「青空に映える真っ白な冠雪を持つ美しい山」というとても分かりやすいものだと思います。私自身も、カメラを始めて富士山を追いかけるようになるまでは、そんな世間一般のイメージと大差ないものでした。

しかし、富士山を被写体として追いかけるようになってから、その感覚は変わっていきました。雄大な山のすそ野で巡っていく四季の風景。巨大な独立峰に大気がぶつかって発生する壮大な自然現象。富士山が見せてくれる神秘的な瞬間に対峙するたび、富士山がさまざまな表情を持っていることに気付かされました。時にシャッターを切る手が震えるような興奮に包まれることもありました。

今回発売される私の初めての写真集『神気 新・富士山景』には、私が富士山を追いかけて体験した「神気」を感じた奇跡の瞬間や、富士山の知られざる表情、また海外にも発信され話題を集めた雲の造形など、私が9年かけて撮りためた、とっておきの富士山写真を詰め込みました。皆さんが知らない富士山の姿を知ってほしい、この写真集には、そんな思いを込めています。

作家プロフィール

橋向 真(はしむき まこと)
1977年、静岡県静岡市生まれ。地元である静岡を拠点に富士山写真家として活動し、SNSを使い世界に向けて富士山の魅力を発信している。2021年2月にTwitter投稿した笠雲の富士山写真は、当日の「いいね」数が日本一となり、これをきっかけに国内外のテレビをはじめ多くのメディアで紹介される。雑誌『デジタルカメラマガジン』や書籍『色と構図で風景をアートに変える 四季の風景写真術』(ともにインプレス)など著書多数。そのほか企業広告、カレンダーなどに幅広く作品を提供している。

本誌:宮澤孝周