PROGRESSIVE PRO LENS − 写真家がプロレンズを選ぶ理由
北海道の大地に魅せられて移住、作品を発信し続ける…阿部俊一さんインタビュー
2018年2月28日 07:00
広大な景色に自身の感性を重ね合わせ、自然の美しさを表現する。風景写真家の視覚と構成力に応えるレンズとは、一体どんなものなのか。
写真の世界に進んだきっかけや、写真に対する考え方、そして使用するオリンパスPROレンズへの想いを聞くこの連載。
今回は、北海道・美瑛の大地を撮り続ける写真家、阿部俊一さんに話を聞いた。阿部さんの感性に、超広角ズームレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROは、どう応えているのか。(編集部)
写真を撮り始めたきっかけは?
自己表現をする媒体を探していた中学生の頃、父親が使っていたカメラで撮影したのがきっかけです。ゴツゴツとした工業製品としてのカメラのデザインに惹かれ、ファインダーを覗くと肉眼で見ていた世界と違ったものを感じました。カメラを覗くと一歩踏み出す勇気が出て、表現力が増す魔法の道具に感じたのを今でも覚えています。
現在、どのような写真の仕事をされていますか。
北海道・美瑛の風景の作品として撮影し、美瑛のギャラリーにて写真、写真集、カレンダーなどにして販売中です。ポスターやカレンダー用のフォトライブラリーへも参加していますし、おもに美瑛を中心とした北海道での写真ガイドや写真教室も担当しています。カメラ専門誌の執筆活動にも携わっています。
影響を受けた写真家、写真集、メディアは?
アンセル・アダムスのゾーンシステムによる階調豊かな写真、奈良原一高氏の「消滅した時間」、ジャンルー・シーフのポートレートなどからは、繊細さや構図の大胆さ、背景処理、空間処理に影響を受けました。ファッション写真、肖像写真、広告写真などのライティングも私の風景写真には参考となり、作品に活かされています。
阿部さんの考える美瑛の風景写真とは?
神戸という都会から移住した私にとって、北海道の広大な大地はいまでも憧れです。その広大な大地を活かした美瑛の魅力を表現したいです。
広角から標準域のレンズワークこそ、美瑛の魅力を引き出せると思っています。天候や撮影の条件が良くないと、広角域での作品活動は難しい。だから美瑛に根を下ろし、撮影する価値があると考えています。広角域で作品づくりすることにより、唯一無二の作品ができるのです。
自身のフォトギャラリーを運営する意図は?
写真家としての創作意欲を高く保つために、作品をすぐ発表することはとても重要です。そうした場として、自分で運営するフォトギャラリーは必要だと感じています。
また、美瑛を訪れる方に旬の美瑛を紹介し、新作を多くの方に鑑賞していただくことで、美瑛の魅力を発信したいと思っています。プリントを展示することによって写真の価値を高めたいと考えています。
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROについて。
開放F値2.8の超広角ズームレンズにも関わらず、コンパクトなサイズ。描写もクリアで、コーティングの性能が良いのか、逆光でもゴーストやフレアの発生がほぼ気になりません。広角端でも色収差やコマ収差が非常に少なく、絞り開放でもほとんど目立たない程度に抑えられていて使いやすいです。
最短撮影距離が20cmと短いのも魅力の一つです。被写体に近づきつつも、背景を取り入れた、ワイドマクロ撮影ができます。
今後取り組みたいシリーズやテーマは?
17年間撮り続けている美瑛の風景も少しずつ変化しています。その時の一瞬を大切に、光にこだわった写真を追求していきたいです。昨年からドローンでの撮影も始めましたが、地上からとは違うアングルより撮影することで、新たな美瑛を表現したいと思います。また、美瑛以外の撮影地を少しずつ増やすことで、作品の幅を広げていきたいです。
デジタルカメラマガジン3月号では阿部俊一さんが撮影テクニックを紹介!
発売中のデジタルカメラマガジン2018年3月号では、阿部俊一さんによるM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROの使いこなしテクニックが掲載されています。あわせてご覧ください。(編集部)
制作協力:オリンパス株式会社