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HARUKI写真展『熱い風。』レポート

OM-D E-M1 Mark IIで撮った変わらないキューバへの想い

HARUKI写真展『熱い風。』レポート 撮影:HARUKI
撮影:HARUKI

HARUKIさんの写真展「熱い風。」が、オリンパスギャラリー東京で10月20日(金)より始まった。10月25日(水)まで開催されている。

この写真展は、HARUKIさんが3月にキューバへ取材に行った時の作品でほぼ構成されている。3度目のキューバで見た光景を旅行者の視点で切り取り、HARUKIさんが感じた光と色に再現したのがこの展示だ。

ちなみに、その取材に便乗して当サイトがお願いしたのが、「キューバ逍遥 変わりゆく街を標準レンズ1本で」だったりする。

HARUKI写真展『熱い風。』レポート HARUKIさんと作品。展示は10月25日(水)まで。
HARUKIさんと作品。展示は10月25日(水)まで。
HARUKI写真展『熱い風。』レポート

取材は2週間。周辺の観光地も巡った前回のキューバ取材と異なり、今回はハバナをはじめとした市街地のみに限定して歩いた。そのおかげで作品のまとまりは良く、HARUKIさんとしても満足のいく構成になったという。

街中をひたすら歩き、「これだ」と思う光景に出会うとそこで数カットを撮る。構図をほとんど変えず、映り込みの角度や歩く人の位置、前後のボケ具合などを変化させながら、5〜10カットを撮るのがHARUKI流だ。

HARUKI写真展『熱い風。』レポート

酷暑のキューバで撮影を助けてくれたのは、機材の小ささ・軽さだったという。OM-D E-M1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO、加えてM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROを携え、歩き続けた。

「以前の一眼レフカメラだとこうはいかなかった。キューバは好きだけど暑いのは苦手。マイクロフォーサーズのコンパクトなシステムがモチベーションを維持してくれた」

画質面での満足度も高いという。いずれの作品もRAWで撮影後に調整したものだが、HARUKIさんの感じたキューバを再現するため、コントラストを上げつつもしっとりとしたテイストを維持し、その上で色を厚くしている。会場にはかなり大きなプリントもあるが、どれも破綻は見られない。

アメリカとの国交回復により、キューバといえば思い浮かぶ、あの独自の雰囲気が変わりつつある。前回から2年を経て渡航したHARUKIさんにも、その変化は激しく感じられたという。

代表的なキューバの被写体といえば街中を走るアメリカンオールドカーだろう。しかし2017年の現在、大通りを走る車には現代的なデザインの車が混じり、オールドカーを狙うには、単体で止まっている車を撮ることなる。今回の展覧会にもオールドカーは多数登場しており、それぞれにHARUKIさんの想い入れが感じられる。が、その裏にはそうした苦労もあったのだ。

その他、現地のお年寄りのポートレートや、ストリートの情景など、HARUKIさんらしい作品が50点ほど展示されている。キューバらしいカットとその裏にある時代の変化について、会場にいるHARUKIさんに聞いてみるもの良いだろう。

会場

オリンパスギャラリー東京
東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル地下1階

開催期間

2017年10月20日(金)〜10月25日(水)

開催時間

11時〜19時(最終日は15時)

休館

木曜日

作者プロフィール

1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業後、上京と同時にファッションからヌードまでポートレート撮影を中心にフリーランスで活動。「第35回・朝日広告賞・表現技術賞」、「100 Japanese Photographers」、「パルコ・期待される若手写真家展」、などに選出、個展多数開催。近年では世界各国でのスナップショット撮影やエッセイも執筆。プリント作品は国内外の美術館などに収蔵。日本写真家協会(JPS)会員。

本誌:折本幸治