ミラーレスカメラ用メーカー純正レンズまとめ

パナソニック編:パンケーキタイプから800mm相当まで多彩なラインナップ

「ミラーレスカメラ用純正メーカーレンズまとめ」、第1回オリンパス編、第2回ソニー編、第3回富士フイルム編に続き、最終回の第4回ではパナソニック編をお届けします。(編集部)

※「〜mm相当」の表記は、すべて35mm判換算での数値になります。
※実勢価格の表記はすべて税込での価格です。

ラインナップの概要

2008年8月5日にオリンパスとパナソニックが、新しいシステムカメラの規格「マイクロフォーサーズ」を共同発表。それからわずか3か月弱後の10月31日に、初のミラーレスカメラであるLUMIX G1が発売された。その後、動画機能を重視したLUMIX GHシリーズ、薄型コンパクトなLUMIX GFシリーズなど、システムを拡充。現在は29本の交換レンズシステムを擁している。

パナソニックの交換レンズラインナップは、GシリーズとよりハイグレードなG Xシリーズ、ライカ銘のDGシリーズがある。

内訳はGシリーズが16本、G Xシリーズが4本、ライカDGシリーズが8本。ほかに3D撮影向けのG 12.5mm F12がある(変わり種なので、16本のうちには含めていない)。

動画撮影向けにパワーズーム機能を搭載したレンズもあるが、いかにもなプロ仕様のシネマレンズはない。

なお、内蔵する手ブレ補正機構には「MEGA O.I.S.」と「POWER O.I.S.」の2種類があり、新型ジャイロで4,000回/秒のブレ検知を行なう後者のほうが効果は高く、特にゆっくりとしたブレに対する補正力が大きく向上している。

広角域:明るさの割にコンパクトな単焦点レンズ

2009年に発売された「LUMIX G VARIO 7-14mm / F4.0 ASPH.」(14-28mm相当)と、今年発売の「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」(16-36mm相当)の2本がある。

「LUMIX G VARIO 7-14mm / F4.0 ASPH.」はいわゆるデメキン仕様でフィルターが使えないのは難点だが、画角域から考えるととても小型軽量でハンドリングもいい。

一方の「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」はマイクロフォーサーズ用広角ズームレンズでは唯一ネジ込み式フィルター(67mm径)が装着できる。広角の1mm(マイクロフォーサーズの場合は2mm相当になるが)はとても大きい差だが、開発時期の差も大きく、画質面でも期待できる。また、防塵・防滴仕様なのも見逃せない。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.

単焦点レンズ

「LUMIX G FISHEYE 8mm / F3.5」(16mm相当)、「LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.」(24mm相当)、「LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.」(28mm相当)、「LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.」(30mm相当)の計4本がラインナップされている。

常用範囲はカバーされているものの、大口径だけ、パンケーキだけというふうに、統一感には欠ける印象だ。

注目したいのはライカ銘の2本。「LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.」はマイクロフォーサーズの広角レンズではもっとも明るい。相応に高価だが、画角と明るさから考えれば納得できる。また、防塵・防滴処理もほどこされている。

「LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.」はあまりなじみのない画角だが(昔、ペンタックスに30mm F2.8があった)、スナップなどには案外に使いやすい。小型軽量なので携帯性も悪くないし、金属製鏡筒の質感もいい。

標準域:ライカ銘を含む2本の24-120mm相当ズームに注目

ズームレンズ

標準ズームレンズは層が厚く、コンパクトタイプが「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」と電動ズームレンズのG X PZ 14-42mm F3.5-5.6(28-84mm相当)、デザインとしてはやや古さを感じさせる「LUMIX G VARIO 14-42mm / F3.5-5.6 II ASPH. / MEGA O.I.S.」(28-84mm相当)や「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」(28-90mm相当)、大口径の「LUMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 II ASPH. / POWER O.I.S.」(24-70mm相当)、レンジが広めの「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」(24-120mm相当)と「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」(24-120mm相当)、高倍率ズームタイプの「LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」(28-280mm相当)の計8本から選べる。

ポートレートなどで明るさを重視するなら「LUMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 II ASPH. / POWER O.I.S.」がいちばんだが、望遠側が長い「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」も魅力的。この2本は防塵・防滴なのでネイチャー派にもおすすめできる。

LUMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 II ASPH. / POWER O.I.S.

低予算派には少し暗いが「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」もある。

あとは、コンパクトさにこだわって「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」(これにF1.7クラスの単焦点レンズをからめると楽しそう)を選ぶ手もある。

LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.

単焦点レンズ

パンケーキタイプの「LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.」(40mm相当)のほか、標準レンズらしいスペックの「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.」(50mm相当)、「LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.」(50mm相当)の3本がある。また、画角的には「LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.」(60mm相当)も選択肢に入れられる。

軽快さ、コンパクトさでは「LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.」は素晴らしいが、AFのスピードや動作音が少し気になるかもしれない。

LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.

「撒き餌」レンズとして知られる「LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.」はシャープさもボケ味もいい。

が、予算があるなら王道とも言うべき「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.」をねらって欲しい。

望遠域:充実した超望遠系のラインナップ

ズームレンズ

バラエティーは豊富。大口径の「LUMIX G X VARIO 35-100mm / F2.8 II / POWER O.I.S.」(70-200mm相当)をはじめ、標準ズームレンズと見まごうほどのコンパクトさが自慢の「LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」(70-200mm相当)や「LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」(90-300mm相当)もあれば、電動ズームレンズの「LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm / F4.0-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」(90-350mm相当)、超望遠域までカバーする「LUMIX G VARIO 45-200mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」(90-400mm相当)、「LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」(200-600mm相当)、「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S.」(200-800mm相当)を擁する。

明るさにこだわれば「LUMIX G X VARIO 35-100mm / F2.8 II / POWER O.I.S.」がベストだが、残念なことにテレコンバーターは用意されていない。もっと望遠域が欲しい場合はほかのレンズを併用する必要がある。

LUMIX G X VARIO 35-100mm / F2.8 II / POWER O.I.S.

従来レンズに改良を加えて防塵・防滴やDual I.S.2を搭載した「LUMIX G VARIO 45-200mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」と「LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」の2本は、本格的な望遠撮影を身軽に楽しめる。

LUMIX G VARIO 45-200mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.
LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.

800mm相当の手持ち撮影にチャレンジできる「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S」も魅力的な1本だ。

単焦点レンズ

充実したズームレンズとは打って変わって、単焦点の望遠系は「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.」と「LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.」(いずれも85mm相当)の2本だけ。「LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.」(90mm相当)もあるが、選択の幅としては狭い。

85mm相当の画角は中望遠レンズの代表格ではあるが、それだけあればいいというものでもないし、ズームでカバーすればいいというものでもないと思う。100mmから200mm相当の範囲のレンズをもう1、2本は追加してもらいたい。

とは言え、「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.」の描写は素晴らしい。大きく重く高価だが、手に入れる価値のある1本なのは間違いない。

一方、ぐぐっと身近な価格を実現した「LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.」も魅力的な存在。薄暗いシーンでのスナップや、ボケをいかした静物撮影などにもいい。

LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.

マクロ:ツボを押さえた優秀な2本

標準系の「LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.」(60mm相当)と、中望遠の「LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.」(90mm相当)の2本がある。

最大撮影倍率はどちらも等倍(35mm判換算では2倍相当)。ピント合わせはインナーフォーカス方式なので、AFスピードも十分に速いし、作動音も気にならない。手ブレ補正機構(MEGA O.I.S.)を搭載している点も見逃せない。

まとめ:低コストで多彩なシステム構築が可能

対角魚眼から超望遠域までカバーしていながら税別10万円を超えるレンズが8本だけ、20万円以上は2本だけというのがマイクロフォーサーズの素敵なところ(オリンパスも10万円以上は8本、20万円以上はM. ED 300mm F4 IS PROの1本だけである)。これがソニーのFEマウントだと、テレコンバーターをのぞく23本中で10万円以上のレンズが16本、うち8本は20万円以上だ。

まあ、こんな乱暴な比べ方にたいした意味はないが、マイクロフォーサーズとフルサイズとでお財布へのインパクトがかなり違うのはご理解いただけよう。コストをあまりかけずにシステムが組めるよう頑張ってくれているパナソニックとオリンパスに感謝したい。

ただ、これはオリンパスやソニーも同様だが、やはり単焦点レンズのラインナップが薄いのは物足りない点。パナソニックの場合は特に中望遠から望遠系が弱いので、そのあたりに新レンズが加わるとさらに魅力も増すだろう。

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。