デジカメドレスアップ主義
レンズのための専用レザーケース
EOS 5D Mark II + Petzval Lens
Reported by澤村徹(2014/7/24 12:00)
本コーナーでは、これまでに様々なタイプのカメラケースを紹介してきた。機能性重視のもの、デザイン性に富んだもの、両者をバランスよく備えたもの、そのスタイルは実に多彩だ。
そうしたなか、本コーナーでは無論、カメラ史的にも極めて稀有なアイテムが登場した。レンズ専用のケース、しかもロモグラフィーのペッツバールレンズ専用のケースだ。
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鳥井工房のペッツバールケースは、ロモグラフィーのペッツバールレンズ専用ケースである。ケースといっても収納ケースではなく、カメラ用のハーフケースのように撮影時に装着するためのものだ。レンズの半分をレザーで覆い、裏面をレザーレースで編み上げる。ペッツバールレンズ自体個性的なデザインだが、鳥井工房のペッツバールケースを装着することで、スチームパンクテイストが一気に増す。今回はキヤノンEOSと組み合わせたが、これがニコンDfならレトロ感は相当なものだろう。
ペッツバールレンズは絞りプレートを抜き差しして絞り調整する。撮影時はこの絞りプレートを複数持ち歩くわけだが、これは少々煩わしい。鳥井工房のペッツバールケースはこの点に配慮し、側面に絞りプレートを差し込める。絞りプレートにはレザーコードが装着でき、紛失防止にも気を配った設計だ。
このペッツバールケースに合わせ、鳥井工房は同テイストのストラップもリリースした。同ブランドにしてはめずらしく、金属パーツを多用したハードなデザインのストラップだ。これもペッツバール向けの工夫を凝らしており、絞りプレートを最大4枚装着できる。カメラストラップは様々な種類があるが、レンズに最適化されたストラップという点がユニークだ。もちろん通常のネックストラップとしても使用できる。
ペッツバールレンズについてはすでに様々なレビューが公開されているが、改めてこのレンズを使ってみると、レトロ感と現代的な描写の融合が妙味と言えるだろう。まず、合焦部の滲みと大胆なぐるぐるボケは、オールドレンズのクセ玉を彷彿とさせる。画角的なことを踏まえると、ロシアレンズのヘリオス-40-2 85mm F1.5に似た雰囲気だ。しかしながら、コントラストと発色はあくまでも現代的で、しっかりとパンチの効いた描写である。ゆるいけど力強い、そんなギャップのある描写が魅力の中望遠レンズである。