デジカメドレスアップ主義
通が唸るいぶし銀スタイル
α7S + Super-Angulon-R 21mm F3.4
Reported by澤村徹(2014/7/16 12:00)
- ボディ:ソニーα7S
- レンズ:ライツ スーパーアンギュロン-R 21mm F3.4(ミラーアップ用)
- マウントアダプター:レイクォール LR-SαE
- レンズフード:ライツ 12511E VIII
- ケース:リコイル α7シリーズ用コンバットスタイルケース(クールブラックモデル)
- マグニファイアー:TENPA 1.36倍マグニファイングアイピースMEA-S
一見したところ普通だが、よく見ると随所にこだわりがある。そういう燻銀のスタイルは、通好みなカメラファンが集まると、いやが上にもカメラ談義に花が咲くだろう。α7Sは見た目こそα7と大差ないが、4K動画出力や超高感度での撮影に対応。さながら燻銀ミラーレスである。今回はこのα7Sをベースに、ジワリと効く通好みなスタイルを考えてみた。
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まず、レザーケースはリコイルのコンバットスタイルケースを選んでみた。遠目で見るとよくある黒革のケースだが、側面の編み込み、グリップのステッチ、そしてDリングと、随所に意匠を凝らしている。さらにレザー鏡面にクラッシュ加工を施し、ザラッとした感触とマットな風合いが特徴的だ。見るほどに異端ぶりが増す個性派ケースである。
ファインダーにはテンパのマグニファイアーを装着した。一眼レフやレンジファインダー機ではおなじみのアイテムだが、テンパ製品はミラーレス機にも装着できる。ソニー製カメラ以外にも、キヤノン、ニコン、オリンパス、ペンタックスなど、主要なカメラメーカーのアタッチメントがラインアップされている。周辺部はさすがに見づらくなるが、拡大率を上げてシビアなピント合わせに対応できるのが強みだ。被写体が小さくなりがちな広角レンズ、被写界深度の浅い大口径レンズなどのピント合わせで便利だろう。
さて、今回のスタイルはレンズに注目してほしい。ライカRマウントのスーパーアンギュロン-R 21mm F3.4はミラーアップ用のレンズだ。実はこのレンズ、ライカMマウントの同名レンズをほぼそのままライカRマウント化しており、一眼レフ用レンズとしては極端に後玉が飛び出している。オリジナルボディの一眼レフではクイックリターンミラーと干渉してしまうので、前もってミラーアップしてからレンズを取り付ける必要があるのだ。
後玉の飛び出し量は相当なもので、ミラーレス機と言えども装着を憚られるほどである。しかしながら、装着したマウントアダプターの底面から後玉先端(正確には後玉のレンズガードの先端)まで10mm未満であり、電子シャッターの使えるα7Sなら安心して撮影できる。さらにα7でもシャッターを切ってみたが、こちらも干渉せずに撮影できた。外観が外観だけに、コアなオールドレンズファンでも本レンズを使用不可と思っていた人が多いのではないだろうか。
ただし、本レンズをα7シリーズに装着する際は、必ずマウントアダプターを先にボディに付け、その後レンズを取り付ける。取り外す際はレンズのみを先に取り外そう。マウントアダプターごとレンズを着脱すると、内部干渉してしまうので要注意だ。
スーパーアンギュロン-R 21mm F3.4は形の上でこそライカRマウントだが、前述の通りライカMマウントのスーパーアンギュロンと同等のレンズで、イメージセンサーのすぐ近くまで後玉が接近する。そのためα7では周辺部のマゼンタかぶりが顕著だ。α7Sは画素ピッチに余裕があるためか、マゼンタかぶりはほぼ発生しない。若干シアンかぶりが見受けられるが、絵作りとしては気にならないレベルだ。α7と同じく周辺像は流れてしまうものの、スーパーアンギュロンを使えるボディとしてα7Sは貴重な存在である。
- ・作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- ・縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
修正:記事初出時のアイテムリストに「TENPA 1.22倍マグニファイングアイピースMEA-S」と記載していましたが、正しくは「TENPA 1.36倍マグニファイングアイピースMEA-S」でした。α7シリーズに対応するのは1.36倍のみです(2014年7月16日21時25分)。