私はこれを買いました!

Fマウントレンズ資産を活かすためのFXフォーマット

ニコン Z5II(赤城耕一)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2025年に購入したアイテムを1つだけ紹介していただきました。(編集部)

40年分のFマウントレンズ資産が甦った

「アカギカメラ」連載でも書きましたが、2025年のカメラ行脚はニコンZ50IIを購入してから、ニコンに舞い戻ったというか、還ってきたというか、その便利さと小型軽量さに感激してしまいました。

プライベートな撮影での使用ではZ50IIの出番が多いのですが、うちには40年以上に渡って収集、じゃない、表現の幅を広げるために用意したニコンFマウントレンズ資産がMFからAFレンズまで多く残されております。

筆者は35mmフルサイズ原理主義者ではありませんが、資産たるレンズのポテンシャルをすべて引き出し活用しようと考えるなら、FXフォーマットのZ5IIが必要ではないかと判断、お迎えすることにしたというわけであります。

Z5IIには、通常の業務撮影のほかに、MONSTER AdapterのLA-FZ1を使って、カプラータイプのAFニッコールSタイプやDタイプレンズを装着し、AF撮影を楽しんでいます。

これまでレビューのお仕事でもZ9やZ8、Z6IIIにも触れてはいますが、いずれも筆者のルックスの好みとか、その優等生的機能ゆえの重みとか、大きさにも反発してしまい、あまり相性はよくありませんでした。

ところがZ5IIくんは筆者のために設計されたのではないかと思えるくらい、器量良し、特別に軽量というわけではありませんが大きさも適宜で、Z50IIと同様に相性が良かったのです。

Z5IIはエントリー機なんですかとこちらがお聞きしたいくらいです。動作のレスポンスとかファインダーの見え方まで、筆者的には文句のつけようがないというか十分ですね。AFも、はるか彼方にいる人物を見つけ出し、合焦してくれるくらいで、そこまでやらんでもいいのではないかと思わせるくらいです。

筆者的には満足のスペックで、これから当分の間は、浮気する必要はないでしょう。

と、いうわけで、2025年はZ5IIとZ50IIの2台体制で、旧Fマウントレンズとの戯れからアサインメント撮影までをカバーしたというわけであります。この2台は元気のよい兄弟みたいな印象で、2026年も活躍してくれることでしょう。

今年もお世話になりました。読者のみなさまにおかれましては、良いお年をお迎えくださいませ。

2026年もどうぞよろしくお願いします。

ニコン Z5II/NIKKOR Z 40mm f/2/40mm/絞り優先AE(1/500秒、F8)/ISO 400

近況報告

サボりまくっていた暗室作業を行い、質の高いモノクロプリントを制作をしようとか、断片的に依頼される動画撮影をどう効率よく処理するかなど、アナログからデジタルまで課題は山積しています。残り時間が見えてきたお年頃ですから、2026年は勝負を賭けねばなりません。

赤城耕一

1961年東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒。一般雑誌や広告、PR誌の撮影をするかたわら、ライターとしてデジカメ Watchをはじめとする各種カメラ雑誌へ、メカニズムの論評、写真評、書評を寄稿している。またワークショップ講師、芸術系大学、専門学校などの講師を務める。日本作例写真家協会(JSPA)会長。著書に「アカギカメラ—偏愛だって、いいじゃない。」(インプレス)「フィルムカメラ放蕩記」(ホビージャパン)「赤城写真機診療所 MarkII」(玄光社)など多数。