私はこれを買いました!

ちょっとそこまで。でも、見た目も大事なのです。

FUJIFILM X-E4(こばやしかをる)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2021年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

ネガフィルムの風合いも。じっくりと撮影を楽しめるカメラ

2020年春からオールドレンズの味わいを楽しんでいます。それはコロナ禍で一層拍車がかかり、近場での撮影も増え、緩んだ気持ちに柔らかい描写が心地よく感じられます。

X-E4については、今年の2月にレビュー記事を担当した際に、マウントアダプターを使用して小さなロシア製レンズ「INDUSTAR 50-2 50mm f3.5」(M42マウント)を装着したことがきっかけで購入欲が高まってしまいました。

かつてX-E2を所有しており、次期モデルとなるX-E3に期待していたチルトモニターが装備されなかったことにはガッカリしていました。X-E4ではそれが叶い、さらにミニマリストとして究極にそぎ落とされたフラットデザインも魅力。このデザインを担当したのが女性ということも気に入った理由の一つです。

とにかく、近所へ出かけるのに大きなカバンに目立つ機材は避けたい。ましてや外出することを制限されている中でのこともあり、カメラを取り出して「あの人何撮ってるんだ」と言わんばかりの冷たい視線を浴びながら、人目をはばかるのも自分なりに後ろめたさを感じていました。それゆえ、このサイズとデザインは購入の決め手となりました。見た目は大事なのです!

しかも、コンパクトなボディに撮像センサーは「X-Trans CMOS 4」を、画像処理エンジンは「X-Processor 4」を搭載しています。X-T4と変わらない仕様はありなのだろうか? という想いも重なり、所有していたX-T3からグレードアップしてしまったというわけです。

そんな優れたボディに搭載されているフィルムシミュレーション「クラシックネガ」。こちらのおかげで、これまたゆるゆるとした撮影気分が抜けないまま、手持ちのXマウントフィルターレンズ「XM-FL」を装着し、さながらパンフォーカスの“デジタル写ルンです”の味を占めてしまいました。

オールドレンズといい、Xマウントフィルターレンズといい、ネガフィルムの風合いを忘れられない私。このカメラの性質からみてもじっくりと撮影を楽しむのが、私の性に合っているようです。

一番のお気に入りはクラシッククロームの落ち着いた色合いで“渋カッコよく”撮ること。雨の日の描写もしっとりとした中にコントラストが冴えていて気持ちがいい。X-E4には単焦点レンズを着けて歩くのがベスト。
FUJIFILM X-E4 / XF33mmF1.4 R LM WR / 絞り優先AE(F1.4、1/100秒) / ISO 800
鳥の群れが旋回しているところを捉えた。スナップ撮影において一瞬の出来事を何も考えずサクッと切り取る楽しさは格別。このレンズによる周辺減光もフィルムの風合いを感じさせる一因となっています。クラシックネガで撮影。
FUJIFILM X-E4 / XM-FL / 絞り優先AE(F1.4、1/100秒) / ISO 800

近況報告

今年は様々なポートレート撮影をできたので嬉しかったです。12月にはアクセサリーブランド「Loopie」(https://shop.loopie.page/)を立ち上げました。小さなカメラに、お出かけに、相応しいアイテムを揃えています。また2022年1月11日からピクトリコショップ&ギャラリーにて個展の開催が決定しました!モノクロ写真を中心にコロナ禍で撮影を続けてきた作品をぜひご覧ください。

・こばやしかをる写真展「curiosity 好奇心」
会期:1月11日(火)~1月22日(土)
開催時間:11時~18時
休館:日曜・月曜
会場:ピクトリコ ショップ&ギャラリー(東京都墨田区横網1-2-16 東誠ビル5階)
会場URL:https://www.pictorico.jp/shop/

写真家。東京都北区出身:デジタル写真の黎明期よりプリントデータを製作する現場で写真を学ぶ。撮影・講師業の他、デザイン制作・企画、プロデュース、ディレクションまでをフィールドとするクリエイターであり、写真・カメラ雑誌、Web等への執筆・寄稿なども行っている。『RICOH GR III PERFECT GUIDE』(インプレス)寄稿。NY国際写真賞 IPA2021 プロフェッショナル ファインアート部門 入選。