私はこれを買いました!

写真性能にこだわった360度カメラ

RICOH THETA Z1(わっき)

今年、デジカメ Watchでレビュー系の記事を複数執筆していただいた写真家・ライターの皆さんに、2019年に購入したカメラ関連製品(新品に限る)をひとつだけ挙げていただきました。(編集部)

よりカメラらしくなった360度カメラ

2013年に初のコンシューマー向け全天周カメラとして登場して以来、毎年秋に新機種が登場していたRICOH THETA。しかし2018年には新機種の登場はありませんでした……。そこへ満を持して登場したのがフラッグシップモデル「RICOH THETA Z1」でした。

最大の特長は写真に特化した画質向上で、THETAらしさはそのままで1.0型センサーを2つ搭載し、GRシリーズのVR版といった印象。手にした時のズッシリとした重厚感は高級機ならではです。

以前のモデルでもマニュアル撮影は使いやすかったのですが、THETA Z1では絞りを調整できることも加わりカメラとしての撮る楽しさが別次元になりました。RAW(DNG)での撮影ができるようになったことも大きな要因です。今まで様々なVRカメラを使ってきましたが、この感覚は他のカメラでは味わえませんでした。

今では日常のスナップパノラマも全てRAWで撮影しています。現在はMacへ転送しAdobe Photoshop Lightroom Classic CCで現像、RICOH THETA Stitcherでスティッチングというワークフローですが、来年はこれらをiPad Proで処理できそうです。

動画性能に不満のある方も多いと思いますが、個人的にはほぼ写真専用機です。
そして個人的にはTHETA Vでなくなってしまった「インターバル合成」機能(比較明合成)が復活したことが嬉しかったです。これでTHETA Z1本体のみで全天周の星の軌跡が簡単に撮影できるので是非皆さんにも試して頂きたいです。

従来の360度カメラはどうしてもガジェットの域を超えられなかった感がありますが、初代THETAの登場から約5年半が経過してようやく「カメラと呼べる域に達した」製品になったと感じました。

より凝った作品づくりをしたいハイアマチュアや、業務用途で利用される方なら納得する1台でしょう。

2013年から毎年THETAで撮影している「紅葉見ナイト」です。従来とは写真としての価値が全く違ってきますね。こうやって撮影してVRヘッドセットで追体験するのが楽しいです(撮影データ:RICOH THETA Z1 / マニュアル露出[F5.6・2秒・±0EV] / ISO 320 / WB:屋外)♪


紅葉見ナイト自撮り(RAW現像) #theta360 -Spherical Image - RICOH THETA


近況報告

最近個人YouTubeチャンネルでのVR動画再生回数が増えてきています。エントリーモデルTHETA SC2の登場もあり、業界全体が盛り上がると楽しくなりますね。VR撮影案件の相談も増えてます!

わっき

デジタル・コンテンツ・デザイナー/パノラマ写真家。1999年にフリーランスとして独立。テレビ/映画/ゲームなど幅広い分野の映像制作を手がけ、現在はYouTuber、動画レポーターとしても活動中。