私はこれを買いました!

もう一度、自分の写真をリセットしてみたい

LEICA Q2(HARUKI)

今年、デジカメ Watchでレビュー系の記事を複数執筆していただいた写真家・ライターの皆さんに、2019年に購入したカメラ関連製品(新品に限る)をひとつだけ挙げていただきました。(編集部)

モノクロでの撮影仕事がきっかけ

デジタルになる以前の銀塩フィルムを使っていた時代、若い頃のメインカメラはハッセルブラッドやペンタックス67などのブローニーカメラやリンホフ4”×5”やディアドルフ8”×10”といった大型カメラがメインでしたが、雑誌取材やレコードジャケットなどのサブカメラには小さなM型ライカを使っていました。メインカメラが大きいバッグに入れるセットなのでサブとして持ち運ぶにはコンタックスやニコン等の一眼レフカメラよりもコンパクトだったからというだけの理由でした。

初めてライカを手にしたのは学生時代(1980年頃)で、憧れている写真家が使っていることや歴史的な要素から、写真のバイト仕事代プラスローンで中古のズミルックス35mm付きのM4-2を入手しました。明るくてとても良いレンズだけど最短距離が1mで寄れなかったことからズミクロンに買い換えたり、その後M4-Pや最も欲しかったM4ブラックなどを経て、上京して仕事で使うようになった80年代〜90年代は実用機としてのM6ボディー2台体制に落ち着きました。

実際には3台持っていて1台は予備で、常にどれかにワインダーを付けていました。レンズは本来嫌いな画角なのでほとんど使わなかったエルマリート28mmの他に、スーパー・アンギュロン21mm F3.4、ズミクロン35mm F2、ズミルックス35mm F1.4、ズミクロン50mm F2、ズミクロン90mm F2を持っていて、そのうち3本くらいとボディー2台だとテンバの小型のショルダーバッグに入ってしまうので重宝していました。

その後M6は何度かモデルチェンジしていたので何度も手放したり買い換えたりしてましたが、銀塩からデジタルの時代になりモノクロームの撮影もやめたりライカのカメラ自体にも飽きてしまった事やお金にも困ってすべて手放してしまいました。

フィルム撮影をやめたのと同時にモノクローム写真からも遠のいていましたが、3年前にある仕事でデジタルでのモノクロ撮影の依頼がきっかけでモノクロ表現が甦ってきました。それ以来ライカでモノクロ撮影していた頃を思い出したりライカのデジタルカメラ自体もずっと気になっていたのと還暦を迎えた記念で、若い頃の気分に戻ってもう一度自分の写真をリセットして撮ってみたいという理由から自分の誕生日祝いに長期ローンで買ってしまいました(笑)。

まだ何日も経っていないのでカメラの操作もままならないのですが、大好きなマクロ機能が付いていることの利点を活かした写真にチャレンジしたり、ずっと苦手なままきた28mmの画角を克服するために日々邁進しております。

2020年はこのバカ高いコンパクトカメラの元手を取り返せるような作品が撮れるようにガンバリたいと思います☆

カメラを買った数日後に海へ向かって撮った1枚。何度も撮影している場所だけどなんだかワクワクしながらシャッターを切っている自分に気付いた。写真を撮ることに感情が動くことが大切なんだとあらためて実感したのです
LEICA Q2/ SUMMILUX 28mmf1.7 / 28mm / 絞り優先AE(F3.2・1/13秒・-1.0EV) / ISO 400

HARUKI

(はるき)写真家・ビジュアルディレクター。1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業、上京後フリーランスでポートレート撮影をメインに雑誌・広告・音楽・映像メディアなどで作品を発表。「第35回・朝日広告賞、グループ入賞&写真表現技術賞」、「PARCO PROMISING PHOTOGRAPHERS #3」、「100 Japanese Photographers」ほか多数受賞。「普通の人びと」「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」「The Human Portraits 1987-2007」「Automobile Americanos ~Cuba Cuba Cuba~」「熱い風」「遠い記憶。」「遠い記憶。Ⅱ」「アンソロジィ」ほか個展多数開催。プリント作品は国内外の美術館へ収蔵。長岡造形大学(NID)視覚デザイン学科非常勤講師、日本写真家協会(JPS)会員。