私はこれを買いました!

大胆なトリミングに耐えられる画素数 デュアルピクセルCMOS AFは動画にも◎

キヤノンEOS 5D Mark IV/鈴木さや香

2017年を締めくくるにあたり、本誌のレビュー系記事にご寄稿いただいた皆様に今年新品で購入したデジタルカメラ、レンズのうち、特に思い入れのある製品について語っていただきました。(敬称略)

今年はキヤノンのミラーレス機の性能が上がる中、EOS Mシリーズの購入も勿論だけれど、メイン機の買い替えをまず考えました。もともとEOS 5D Mark IIIを愛用し、手に馴染んでもいたので新しくもう1台同じ機種を購入するか……いやEOS 5D Mark IVを手に入れようと検討し、実行しました。

そこに至ったのは、作品撮影と同じくらいの割合で行っている広告写真という仕事を思って、より高い解像度の必要性を感じたためだったのです。作品と違い、デザイナーなどがいることなので予期せぬトリミングや引き伸ばしなど、撮りきった以上のものを後の作業で求められてしまいます。

そのため、撮像素子が有効3,040万画素という部分は非常に魅力的に感じましたし、諸々のEOS 5D Mark IIIからのバージョンアップも欲しい部分ではありました。

まさに先日、納品した写真が思っていたよりも大胆にトリミングされびっくりした色校を手にしたのですが、JPEGの撮りっぱなしのものであったのに美しく収まっていたので密かににやけました。次回の撮影時への安心につながりました。

また注目したいのは、デュアルピクセルCMOS AFが搭載された部分です。先日、キヤノンギャラリーで開催した、自身の写真展で波の映像をスクリーンに投影したのですが、その時の動画撮影時、次々と迫りくる波へのAF追従の滑らかさには非常に驚かされました。

EOS 5D Mark IIIではAFでの動画記録時、妙なピントの駆動が一番困ってしまうのです。特にフルサイズであれば、それがとても目立ってしまいます。けれどもEOS 5D Mark IVは、像面位相差AFで前後駆動のない滑らかなAF動作がとても頼もしかったです。

もしマニュアルフォーカスで長時間撮影するとすれば、かなり苦労する部分だったので、とても助かりました。

そんなわけで、今や購入して楽をしている筆者は、オールドレンズなどをつけてのんきに撮影を楽しむ日々も送っております。クリアさや、描画力、解像力で現行モデルよりやや自信のない古いレンズでも、気に入っていれば常に使いたいものですね。

そんな中で、EOS 5D Mark IVというカメラ自体の性能に頼り、早朝の薄暗い青い世界も、低コントラストの暗い室内も、ノイズが少なく思い通りの1枚を撮って満足しています。EOS 5D Mark IV / EF50mm F1.4 USM / 1/800秒 / F1.4 / 0EV / ISO32 / 絞り優先AE / 24mm

プロフィール & 近況報告:フォトグラファー兼Atelier Piccolo経営者。来年は遊べるレンズをもっと増やしたいと目論み中。新年早々に海のそばに引っ越すので、撮影テリトリーが増えて嬉しいです。作品発表しつつ、マル秘企画も進行中。CP+も頑張ります٩( ᐛ )و

鈴木さや香

(すずきさやか)写真家。山岸伸に師事の後、2012年2月独立。写真雑誌のほか、CDジャケットや広告写真をメインに活動の幅を広げている他、カメラメーカーなどのワークショップの講師を担当。鎌倉での旅のフォトエッセイを連載中。Webサイト:かまくらかたおもい