イベントレポート

純正スクエア用紙にプリント!「はじめてプリントを楽しむワークショップ with Canon PIXUS XKプリントセミナー・体験会」レポート

女子限定セミナーに筆者も参加 テーブルフォトを撮ってみた

11月25日(土)、写真家・山崎えりこさんによるプリントワークショップ「はじめてプリントを楽しむワークショップ with Canon PIXUS XKプリントセミナー・体験会」が実施された。会場は神戸・メリケン波止場にある「meriken gallery&cafe」。主催はインプレスが運営する写真サイト「GANREF」。

これまでプリントをしたことがない、あるいはプリント経験が少ないビギナーレべルの女性カメラユーザーを対象として、テーブルフォトの撮り方と、写真プリントの楽しみ方を伝授する主旨のイベント。午前と午後に各8人の少人数制で実施した。

会場となったmeriken gallery&cafeは、写真を学べる「波止場の写真学校」を各地で展開している。今回のワークショップは、神戸校が擁するクラスルームの1室と、カフェを貸し切って実施した。

講師の山崎えりこさん
ワークショップ会場となった「meriken gallery&cafe」
売店には写真関連の書籍や印画紙などが並ぶ。
生徒の作品などが展示されている写真展会場。この日はGANREF有志のグループ展「Signs The Group Exhibition」が開催されていた。

撮る写真はスクエア限定で

この日の講座は座学、撮影実習、プリント実習の3パートからなり、写真の撮り方から出力までの一連の流れを体験できる内容となっている。

座学では、撮影の基本テクニックと合わせて、テーブルフォトのコツもレクチャー。ワークショップで参加者が使うカメラには、キヤノンの協力でミラーレスカメラ「EOS M100」と「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」の組み合わせが貸し出さた。

参加者に貸与されたEOS M100とEF-M28mm F3.5 マクロ IS STM。
キヤノン純正スクエアサイズ用紙が用意された。
参加者1人につき、プリント体験用のPIXUS XK70/XK50が1台ずつ割り当てられた。

撮影時の設定としては、ボケをコントロールするために絞り優先モードが勧められたほか、内蔵ストロボをOFFにすることが推奨された。なお純正のスクエア紙にプリントする関係で、写真のアスペクト比は1:1で撮影するよう指定があった。

「基本的に撮り方は自由ですが、テーブルフォトはボケ味が大事なので、レンズの絞りは絞り開放(F3.5)を基準に、出したいボケの具合にあわせて絞りを変えてみてください」

「写真は何を撮りたいか、そしてどう見せたいかにつきます。テーブルフォトであれば、食べ物がおいしそうに、小物が可愛く見えるような自然光の当て方を意識するといいですよ」

「花びらや布地など、透ける素材は逆光を利用して透過光を表現してみる手もあります」

「今回使うレンズは先端にLEDがついているので、物と物の間に光を回しやすく、上手く使えば便利です」

講座の開始に先立って、EOS M100の操作を覚えた。
レンズ内蔵のLEDライトも試す。
180度チルト液晶も好評だった

アングルを維持したまま被写体の位置や向きを簡単に変えて、いろいろな撮り方を試せるのもテーブルフォトの良さ。被写体そのものをよく観察して、自分だけの"かわいい"、"かっこいい"ポイントを見つけるのがコツだそうだ。

「撮影した写真を見直して、気に入った表現になるまで何度も撮り直してみる。最初に撮ってみて、あとで軌道修正できるのはデジタルの強みですよね」

試し撮りでは、EOS M100のタッチ操作と、背面液晶モニターの180度チルトによる自撮りアングルが好評だった。

このうちタッチ操作に関しては、ピンチイン・アウトやスワイプなどの操作に対応しており、スマートフォンと同じ感覚で操作できる点が良かったという声が聞かれた。

女子に混じって筆者も挑戦

撮影実習が行われたカフェは、照明を落としてほぼ自然光のみが差し込む状態。当日は好天にも恵まれ、テーブルフォトを撮影するのにも適した環境だった。

せっかくなので筆者もワークショップに参加させていただいた。女性のみ対象のワークショップなので大変肩身が狭かったのだが、確かにテーブルフォトで見るような写真は、日頃自分からすすんで撮影していない。これまで知らなかった世界を知るいい機会と考えて、山崎さんの指導に従い撮影してみた。

撮影実習は、日当たりのよい南向きのカフェを貸し切って行なわれた。
ワーキングディスタンス約13mmの特性を活かして、接写を試みる参加者。
レンズ先端に内蔵したLEDライトも積極的に活用。
基本的には自然光を活かした撮り方が推奨された。
様々に用意された被写体を前にテーブルフォトに臨んだ。
筆者も場違いながら部屋の隅でがんばっていた。

山崎さんのアドバイスによれば、テーブルフォトの極意は「とにかく色々やってみること」だという。

ドライフラワーやブーケ、人形、ビー玉を入れた小瓶、石鹸、お菓子などが配置された貸し切りのカフェには、光の当て方を変えられるようにレフ板も置かれ、さながら"テーブルフォトスタジオ"とも呼べる様相を呈していた。

実際に撮影してみると、思った通りに写ることは写るのだが、初めの頃はどれもなんだか違う気がして難儀した。ここで座学で山崎さんが話したことを思い返してみる。「何を」「どう見せるのか」を意識すると、あとは「見せたいものを探す」視点で撮影することに集中することができた。

最終的にいきついたのは、撮影用小物の人形を使って、ゆるく組写真的な構成ができないかということだった。それでいて人形のかわいさを出せればいいなと考え、シロクマの人形を主役に、組み合わせる小道具を切り替えながら、アングルや明るさを工夫した。

このとき、山崎さんからはEOS M100内蔵の「クリエイティブフィルター機能を使ってみたら面白いかも」というアドバイスをもらった。しかし自分にはセンスがないようで難しく、クリエイティブフィルターは使わず、気持ちハイキーになるように心がけて撮ってみた。その結果がこちら。

アングルを工夫することによって人形の目の見え方が変わり、動きのない人形に表情が生まれたように感じるのが面白く、ゆるくストーリーらしきものを考えながら被写体の配置を調整して、ちょっとした4コマ漫画を作るような気分で楽しく撮影できた。

スクエアプリントが新鮮! 簡単操作で高画質プリントのXK70/XK50

プリントのパートでは、実習で撮影した写真から気に入ったものを選んで好きな枚数だけプリントし、各人この日のベストを5〜8枚程度まで絞り込んで教室中央の机に広げ、講評を受けるという流れ。

使用したプリンターは、キヤノンのコンシューマ向けプリンター「PIXUS XK70
」「PIXUS XK50」。9月に発売されたPIXUS XKシリーズは、新開発のプレミアム6色ハイブリッドインクを採用、写真高画質と低ランニングコストの両立をコンセプトを両立した新モデルだ。大容量インクを利用してL判フチなし印刷を行った場合のコストは、税別約12.5円/枚。他社製のアート用紙に対応するなど、従来の家庭用プリンターPIXUSと、写真愛好家向けPIXUS PROの間を埋める新機種シリーズになる。

本体にタッチパネル式液晶ディスプレイとSDメモリーカードスロットを備えており、今回のプリントもSDメモリーカードから直接プリントした。

用紙は「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド スクエア」(127×127mm)。キヤノン純正の写真用紙の中では唯一、市場でも珍しいスクエアサイズの写真用紙だ。今回のワークショップでは1:1比率で写真を撮影したので、プリントする写真はすべてスクエアサイズで出力することになった。

筆者は普段プリントをしない方だが、今回プリントをしてみて明らかに変わったと感じたのは、写真用紙という媒体に自分の写真をプリントしたことで、1枚の写真をよく見返すようになったことだ。

プリント操作自体はPCも使わずそれほど手間もかかっていないのだが、気分的に達成感があって、つい何度も見返してしまう。見返しているうちに「ここはもっとこう撮ればよかった」とか「よく見るとこの部分が気になる」などと考えるようになって、「次はもっと上手く撮ろう」という気持ちになってくる。

山崎さんはワークショップの中で「被写体をよく見ることで写真が変わる」という主旨を繰り返し伝えていたが、自分でプリントを何度も眺めているに、こういうことだったのか、と納得できた。女子の気持ちになりきることはできなかったが、ワークショップを受けて一番変わったのは、自分自身の写真に対する態度だったということを実感している。

プリンターの設定。
設定を済ませたら記録メディアを差し込み、タッチパネルで写真を選ぶだけ。簡単さも受けていた。
プリントのできばえを確認する参加者。
比較的小さめのスクエアサイズ(127×127mm)でテンポよくプリントできるためか、撮った写真を全部プリントする勢いの参加者も。
この日撮った中でベストな数枚を選んで教室中央の机に並べる。
山崎さんの講評をみんなで聞いた。
筆者の作品も無事プリント。
筆者も講評していただいた。

参加者の声

一部の参加者の方にお声がけして、今回のワークショップの感想をお聞きした。

進藤有希子さん

ワークショップを受けてみて感じたのは、写真をプリントして初めて実感できることってたくさんあるな、ということでした。例えば私の場合、写真はスマホの中に保存しているのですが「写真を組んで見せる」ことを考えると、これはプリントをしないとまずやらないだろうということに気づきました。

EOS M100は、ボディが軽くて小さいところが良かったです。今は一眼レフカメラを使っていますが、「よし、撮ろう!」と気合いを入れて外に出ているので、持ち歩きの負担が軽いのはすごく気に入っています。

EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMは、レンズに光源が入っているのが面白いですよね。私は別のマクロレンズを使っているのですが、普段なら手ブレしてピントが合わないようなシーンでも、しっかり合焦するというところと、先端にLEDが入っているというギミックも面白いなと感じました。

岡本真由子さん

プリントは普段から出力することがあって、でもやはり、大きな用紙だと少し時間がかかるので、億劫になってしまうこともあるのですが、今回は少し小ぶりなスクエアサイズのプリントということもあってか、どんどんプリントを出せてすごく楽しかったです。スクエアの用紙というのもあるんですね。講評ではほかの参加者の方の写真もじっくり見られて、勉強になりました。

EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMのスーパーマクロモードは、「これどこまで寄れるんだろう?」とちょっと不安になるくらい寄れたのが印象的でした。ボディについては、軽くてレスポンスが軽快なのと、タッチパネルで操作できるところが気に入ったポイントです。「Qメニュー」から色んな設定へすぐにアクセスできるのも便利でしたね。

福室由希子さん

私はこれまで、写真をプリントする、ということ自体をあまりしてこなくて、PCやスマホで楽しむことが多いのですが、プリントを見返すことで後から色々思うことも多かったので、プリントっていいな、と思うようになりました。

スクエアの撮影は縦横を気にしなくていいのが良いですね。初めて使ったのですが、すごく面白かったです!

天谷珠美さん

自宅にある古いプリンターの挙動があやしくなってきたので、そろそろ買い替えたいなというタイミングで参加させていただきました。スクエアのプリントは初めてだったのですが、かわいく仕上がるので気に入りました。丸い被写体だと、構図の上下左右に均等な余白ができるのがいいですよね。PIXUS XK50はカラーだけではなく、モノクロもすごくきれいに出るのが良かったです。

EOS M100の操作は思ったところにタッチすればいいだけだったし、レスポンスもいいので、考えずにさくさく使えました。EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMも、実は私、これすごく欲しかったので、どうやって使おうか楽しみにしていました。スーパーマクロモードでは思っていた以上に寄れたし、ついたくさん撮ってしまいました。大満足です。

前田絵里さん

これまで、写真をトリミングしてスクエアにすることはあったのですが、カメラを1:1のスクエアに設定して撮るのは初めてでした。127×127mmサイズの用紙サイズは、プリントにしてみると壁に飾りたいサイズ感で、思っていたよりずっと良かったです。

EOS M100はタッチパネルのおかげで、スマホ感覚で使えるのが良いですね。マクロレンズも今回初めての体験をさせていただいて、すごく楽しかったです。思わず欲しくなってしまいました。

大野香織さん

最近のプリンターはインクの乾きがすごく速いんですね。自宅で使っている他社製の古いプリンターと比べるとぜんぜん違うし、タッチパネルもついていて使いやすかったので、PIXUS XK50にはすごく興味があります。スクエアの写真はInstagramとかで撮りますが、スクエアの写真用紙にプリントするというのは初めてでした。ポストカードサイズよりもかわいいイメージに仕上げられるので気に入りました。

EOS M100は、軽さもそうですが、自撮りがしやすくなるチルト液晶モニターが印象的でした。カメラ内蔵のクリエイティブフィルターは今回初めて使ったのですが、後処理なしにかなり面白い写真が撮れたのには驚きました。マクロレンズはスマホ用のアタッチメントを使ったことがあったのですが、やはりブレがひどくて使い所が難しい印象がありました。でも28mmは、レンズ前13mmまで寄れて、しかもブレにくいところでさすが、と感じました。

制作協力:キヤノン

関根慎一