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「対物レンズ&補正レンズ×3」の天体望遠鏡システム「Askar V」

Askar V

株式会社サイトロンジャパンは、Jiaxing Ruixing Optical Instrumentの新製品として、鏡筒セット「Askar V」、ガイドスコープ「Askar 32mmF4 ガイドスコープ」、のデュアルナローバンドフィルターセット「Askar カラーマジック 6nm D フィルターセット」を7月11日に発売する。

Askar V

口径60mmと口径80mmの2つの対物レンズユニットと、3つの補正レンズがセットになった鏡筒セット。予想価格は税込35万円前後。

V用に開発されたVレデューサー、Vフラットナー、Vエクステンダーを組み替えることで、60mm対物レンズでは270mm F4.5、360mm F6.0、446mm F7.43、80mm対物レンズでは384mm F4.8、495mm F6.18、600mm F7.5の合計6通りの焦点距離をカバーする。

いずれもEDレンズを2枚使用した3群3枚設計で、色収差の少ないシャープな写りが特徴。

補正レンズには、それぞれフルサイズセンサーをカバーする44mmのイメージサークルを有している。

補正レンズの伸縮インナーチューブには、あらかじめ60mm用と80mm用の位置が設定されている。なお、工具なしで伸縮し、指定位置でロックできるため、対物レンズに合わせた組み立てと組み換えが容易に行える。

M48アダプター内部には、M48×P0.75mmフィルターが収納可能。

鏡筒ハンドルには、ファインダーアリミゾ幅のアクセサリーが取り付けられ、アルカスイス互換のレールとしても使用できる。

減速装置付きのデュアルスピードフォーカサーと、目盛り付きドローチューブを標準で装備。視野回転装置をドローチューブ後端に装備する。

運搬用のセミハードケースを付属する。

60mm対物レンズ仕様

  • 有効径:60mm
  • 焦点距離:360mm
  • 口径比:F6.0
  • 筒外焦点位置:50.8mm(アダプター後端から約150mm)
  • レンズ構成:3群3枚(うちEDレンズ2枚使用)
  • 全長:318.5mm
  • フード外径:89.4mm
  • 質量:2.85kg(補正レンズなし、バンド・プレート込み)
  • +Vレデューサー:270mm F4.5
  • +Vフラットナー:360mm F6.0
  • +Vエクステンダー:446mm F7.43

80mm対物レンズ

  • 有効径:80mm
  • 焦点距離:500mm
  • 口径比:F6~25
  • 筒外焦点位置:50.8mm(アダプター後端から約139.7mm)
  • レンズ構成:3群3枚(うちEDレンズ2枚使用)
  • 全長:411mm(フード最短位置)、479mm(フード伸長位置)
  • フード外径:99mm
  • 質量:3.4kg(補正レンズなし、バンド・プレート込み)
  • +Vレデューサー:384mm F4.8
  • +Vフラットナー:495mm F6.18
  • +Vエクステンダー:600mm F7.5

共通部品

  • +Vレデューサー:0.44kg
  • +Vフラットナー:0.48kg
  • +Vエクステンダー:0.46kg
  • バックフォーカス:各55mm(M48ネジから)
  • フィルター取り付け:可(M48×P0.75mm)
  • カメラ取り付け:M48×P0.75mm、M54×P0.75mm
  • 鏡筒バンド直径:82mm
  • ドブテイルバー:290mm

Askar 32mmF4 ガイドスコープ

オートガイドに使用する口径32mmのガイドスコープ。予想価格は税込2万円前後。

カラーバリエーションとして、シルバーとブラックの2色を用意する。

コンパクトかつ、約300gの軽量設計で、ファインダーアリガタを介してさまざまな鏡筒に取り付け可能。

また、31.7mm差し込みタイプもしくは、M42×P0.75mmねじ込みタイプのカメラに装着できる。

ヘリカルフォーカサーを採用し、素早く正確なピント合わせが可能。

3本のネジにより、指向方向を微調整できるXY調整機構を搭載し、撮影鏡筒との向きを合わせ、電子ファインダーとしても使用できる。

主な仕様

  • 有効径:32mm
  • 焦点距離:128mm
  • 口径比:F4
  • レンズ構成:2枚玉
  • ヘリコイド可動範囲:約20mm
  • 質量:約300g

Askar カラーマジック 6nm D フィルターセット

半値幅6nmのデュアルナローバンドフィルター「D1」「D2」の2枚セット。フィルター径は48mm。予想価格は税込9万円前後。

「D1」はHαとOIIIの輝線を透過するように設計。「D2」はSIIとOIIIの輝線を透過する。
本フィルターを利用して撮影した画像を、市販の画像処理ソフトでRGBチャンネルに分解することで、OIII、Hα、SIIの輝線をそれぞれ得られるようになる。

なお、モノクロカメラとナローバンドフィルターを用いなくても、カラーカメラと本フィルターのみで、S(SII)+A(Hα)+O(OIII)合成が可能。

通常のナローバンド撮影で不足しがちなOIIIのデータについて、それぞれのフィルターで得られるため、自然なバランスでカラー合成が行えるようになる。

主な仕様

  • 透過波長:OIII+Hα(D1)、OIII+SII(D2)
  • ネジM48×P0.75 mm
  • フィルター厚み:2.0mm
  • 半値幅6.0nm
飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。