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個人でも持ち運び可能/焦点距離1,295mm・口径185mmの「Askar 185APO鏡筒」

株式会社サイトロンジャパンは、Jiaxing Ruixing Optical Instrumentの新製品「185APO鏡筒」を受注生産品として、6月14日(金)に発売した。

185APO鏡筒

口径185mm、焦点距離1,295mmのEDアポクロマート屈折鏡筒。価格は税込97万円前後。

同クラスの屈折望遠鏡は、サイズ・重量の観点から持ち運びが難しく、天文台など特別な施設でしか運用できないものと考えられてきたという。しかし、同製品であれば、観測地まで持ち運び、個人で使用できるとしている。

3枚のレンズの内、1枚にEDレンズを使用することで色収差を補正。肉眼での観測と写真撮影の両方で極めて高い性能を発揮するという。

フォーカサーは、デュアルスピードラックアンドピニオンタイプを搭載。360°視野回転装置を標準装備するほか、3.5インチ径のドローチューブを標準で装備。鏡筒を縮めた状態でも、対物レンズからの光がケラレないように設計されている。

ドローチューブは約99mm、伸縮装置は約95mmまで伸ばせるため、別売のアイピースやカメラ、周辺機器でピントを合わせることができる。

なお、鏡筒伸縮装置と伸縮式フードを採用したことで、収納時の最小全長は約1,081mmとなる。口径185mmの鏡筒としては、軽量・コンパクトを実現した。

左右2つのファインダー台座を装備。また、鏡筒ハンドル部分にも、34mm幅のファインダーアリガタが取り付けられる溝を用意した。

伸縮装置には、手で簡単にロックの切り替えができるようにハンドルを装備する。

別売の「185APO専用1.0xフラットナー」と「185APO専用0.8xレデューサー」を使用することで、フルサイズまでのイメージサークルを持つアストログラフとしても使用可能。

運搬用のハードケースを付属する。

  • 口径:185mm
  • 焦点距離:1,295mm
  • 口径比:F7
  • 光学系:3群3枚(うちEDレンズ1枚使用)
  • 全長:約1,081mm(フード収納・伸縮装置非展開時)、約1,222mm(フード展開・伸縮装置非展開時)
  • フード外径:207mm
  • 鏡筒外径:185mm
  • 質量:約17.2kg(バンド・プレート込み)

185APO専用1.0xフラットナー

「185APO鏡筒」に取り付けることで、焦点距離を変えずに35mmフルサイズのイメージセンサーに対応する専用の補正レンズ。価格は税込6万円前後。

鏡筒後端の回転装置に、ねじ込みで接続して使用。重いカメラでも、光軸のズレや傾きを気にすることなく使用できる。

さらに、アダプター内部にM48×0.75mmのフィルターをねじ込んで固定可能。

  • 光学系:3群3枚
  • バックフォーカス:55mm(M48アダプター後端から)、73mm(M54アダプター後端から)、117mm(M68アダプター後端から)
  • カメラ取付け:M48×0.75mm、M54×P0.75、M68×P1
  • 質量:約740g

185APO専用0.8xレデューサー

「185APO鏡筒」に取り付けることで、焦点距離を0.8倍の1,036mm(F5.6)に短縮する35mmフルサイズ対応の補正レンズ。価格は税込6万円前後。

上記のフラットナーと同様の構造をとり、重量級のカメラを使用した際にも光軸ズレや傾きに強いとする。同じくM48×0.75mmのフィルターも使用可能。

  • 光学系:4群4枚
  • バックフォーカス:55mm(M48アダプター後端から)、73mm(M54アダプター後端から)、79.5mm(M68アダプター後端から)
  • カメラ取付け:M48×0.75mm、M54×P0.75、M68×P1
  • 質量:約950g
飯塚直

パソコン誌&カメラ誌を中心に編集者として活動後、2008年からフリーに転向したフリーランスエディター。商業の大判プリンターから家庭用のインクジェット複合機、スキャナー、デジタルカメラなどのイメージング機器が得意。現在、1児の父。子供を撮影する望遠レンズと、高倍率コンパクトデジタルカメラの可能性を探っている。