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日米で一眼レフカメラが伸長。CIPAの3月統計

世界全体の昨対比は大幅な落ち込みも

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移 出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は、2022年3月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を4月25日に公開した。

世界全体で出荷台数・金額ともに前月から伸長。カメラ種別で見ても、いずれも前月比では概ね好調な結果を見せたが、一方で昨年同月比からは大きく落ち込む項目も見られた。その中、国内向けや米州向け市場など、一眼レフカメラが大きく伸長する地域もあった。

概況

2022年3月のデジタルカメラ総出荷台数は54万9,490台(前月比111.2%)、金額が356億2,709万8,000円(前月比110.0%)だった。昨年同月比は台数66.2%・金額77.0%を記録。前月比で好調となったものの、昨年同月比では大きく後退する結果となった。

カメラ種別で見ると、特に好調だったのが一眼レフカメラ。台数が18万826台(前月比120.1%)で、金額が68億1,781万円(前月比109.2%)だった。昨年同月比では台数80.5%・金額81.2%と落ち込んだが、他のカメラ種別と比較すると高水準を維持した。

ミラーレスカメラは台数22万4,970台(前月比110.3%)、金額246億5,430万円(前月比109.5%)を記録。昨年同月比では台数70.7%・金額78.9%となった。

レンズ一体型カメラは、台数が14万3,694台(前月比102.9%)、金額が41億5,498万8,000円(前月比115.0%)だった。昨年同月比で見ると他のカメラ種別よりもさらに減少幅が大きく、台数50.1%・金額62.7%を記録した。

国内の状況

国内向け市場におけるデジタルカメラ全体の出荷台数は7万6,679台(前月比109.6%)、金額は44億9,644万5,000円(前月比155.7%)を記録した。昨年同月比は台数71.4%・金額100.9%。とくに金額面においては、前月・昨年同月比ともに好調な結果となった。

特に好調だったのがミラーレスカメラで、台数が3万978台(前月比172.2%)、金額が33億5,300万7,000円(前月比187.8%)を記録した。昨年同月比も台数140.5%・金額126.0%と大きく上昇した。

一眼レフカメラも前月に引き続き好調をキープ。台数が7,892台(前月比134.2%)で金額が3億4,067万3,000円(前月比122.9%)だった。昨年同月比は台数127.7%・金額90.0%を記録している。

一方、唯一不調だったのがレンズ一体型カメラ。台数3万7,809台(前月比82.0%)で、金額が8億276万5,000円(前月比97.2%)を記録した。昨年同月比ではさらに減少幅が大きく、台数47.8%・金額56.7%で、全体の数字に影響を与えるかたちとなった。

国外の状況

国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は47万2,811台(前月比111.5%)、金額は311億3,065万3,000円(前月比105.6%)だった。昨年同月比は台数65.4%・金額74.5%を記録。前月比においては国内向け市場と同様に概ね好調な結果となったが、一方で昨年同月比では大きく落ち込む結果となった。

地域別にみると、米州向け市場では一眼レフカメラが好調で台数6万5,921台(前月比152.7%)、金額24億7,330万2,000円(前月比163.1%)を記録。台数1万台に満たない国内向け市場とは大きく状況が異なっている。昨年同月比でも台数131.8%・金額150.7%と大きく伸長した。

レンズ一体型カメラも前月比で好調。台数2万9,970台(前月比152.1%)、金額9億3,984万6,000円(前月比169.8%)を記録している。なお、昨年同月比では台数48.8%・金額65.0.%と大きく減少した。

一方でミラーレスカメラは前月・昨年同月比でいずれも減少。台数4万7,218台(前月比96.8%)、金額44億7,458万4,000円(前月比76.0%)を記録。昨年同月比はさらに減少幅が大きく、台数57.1%・金額53.9%となっている。

本誌:宮本義朗