2021年のデジタルカメラ総出荷は836万台で前年から微減。ミラーレスが唯一伸長

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移　出典：一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）

一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）は2月1日、2021年12月のデジタルカメラ生産出荷実績（同工業会統計）を公開した。

2021年の最終月は、前月から減少して着地した。世界全体で一眼レフカメラが唯一奮闘したが、他のカメラ種別がいずれも前月を大きく下回る結果に。一方で、2021年の累計出荷台数および金額も発表され、最終的な結果は前年から台数が減少、金額が増加となった。

概況

12月のデジタルカメラ総出荷台数は68万6,504台（前月比93.7％）、金額は412億8,186万2,000円（前月比77.7％）を記録した。昨年同月比では台数が81.2％、金額が90.1％で、前月比とともに減少傾向となった。

内訳を見ていくと、唯一好調を見せたのは一眼レフカメラだった。台数が21万4,121台（前月比133.0％）、金額が80億6,508万9,000円（前月比119.4％）を記録。前月から大きく伸長した。また、昨年同月比においても台数109.4％・金額92.6％と、概ね好調な結果となった。

前月からの落ち込みが一番大きかったのがミラーレスカメラ。台数が23万2,900台（前月比78.5％）、金額が272億7,278万7,000円（前月比69.8％）だった。昨年同月比でも台数72.2％・金額89.6％と減少傾向となった。

レンズ一体型カメラは、台数が23万9,483台（前月比87.1％）、金額が59億4,398万6,000円（前月比81.3％）を記録した。昨年同月比では台数73.2％・金額88.7％だった。

国内の状況

国内向け市場におけるデジタルカメラ全体の出荷台数は9万5,890台（前月比101.3％）、金額が51億6,645万6,000円（前月比111.1％）を記録した。前月比で回復傾向を見せた一方、昨年同月比では台数69.5％・金額91.3％と減少した。

カメラ種別毎に見ていくと、世界全体の動きと同様に一眼レフカメラが好調だった。台数が7,173台（前月比185.3％）、金額が3億6,192万3,000円（前月比175.1％）で前月から大きく回復。一方で、昨年同月比では台数59.0％・金額61.0％と対照的な結果となった。

ミラーレスカメラも好調。台数が3万1,742台（前月比122.6％）、金額が36億6,243万5,000円（前月比112.0％）を記録した。昨年同月比では台数71.9％・金額98.7％だった。

レンズ一体型カメラの台数は5万6,975台（前月比87.8％）、金額が11億4,209万8,000円（前月比97.1％）だった。昨年同月比では台数69.7％・金額84.5％でいずれも減少傾向となった。

国外の状況

国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は59万614台（前月比92.6％）、金額が361億1,540万6,000円（前月比74.5％）だった。昨年同月比では台数83.5％・金額89.9％を記録している。カメラ種別で見ると、前月比で好調を示したのは一眼レフカメラのみ。昨年同月比でも、一眼レフカメラの台数が112.7％となったほか、軒並み減少傾向だった。

地域別にみると、特に欧州向け市場において一眼レフカメラの好調が顕著だった。一眼レフカメラの台数が8万3,362台（前月比204.5％）、金額が26億4,448万円（前月比167.1％）を記録。台数においては前月の2倍超と大きく伸長した。

2021年の累計

世界全体のデジタルカメラ年間累計出荷台数は836万1,521台、金額が4,889億3,332万7,000円を記録した。前年比は台数が94.1％で、金額が116.4％。台数で僅かに減少したものの、金額では前年を上回る結果となった。

カメラ種別で見ると、前年を上回ったのはミラーレスカメラのみ。台数が310万6,499台で、金額が3,245億5,287万5,000円だった。前年比で台数が105.9％、金額が131.4％を記録している。

日本国内向け市場の累計出荷台数は115万5,472台、金額が465億3,658万9,000円だった。前年比では台数が89.2％、金額が95.2％を記録。内訳で見ると、ミラーレスカメラの金額が103.7％で前年を僅かに上回ったのみで、他の項目ではいずれも前年を下回る結果となった。

最終的に2021年は、CIPA統計にミラーレスカメラ（ノンレフレックスカメラ）が含まれた2012年以降で最低水準となった2020年と、ほぼ同水準での着地となった。月間推移でみると、過去2年と比べて山も谷もない平均的な動きを見せた1年間だった。2021年は12月度こそ一眼レフカメラが好調だったが、年間で見ると前年を上回ったのはミラーレスカメラのみ。成長をつづけるミラーレスカメラに、一眼レフカメラとレンズ一体型カメラが追随するのか否か。今後も注目していきたい。