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一眼レフカメラの国内向け出荷台数が前月比140%超に。世界全体では低調続く

CIPA2月の統計より

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は4月1日、2022年2月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。

世界全体で出荷台数・金額ともに減少傾向となり、2022年の1・2月は過去2年と比較しても低調なスタートとなった。一方で、日本国内向け市場は地域別で唯一、前月比で好調を見せた。特に一眼レフカメラの台数が前月比で140.7%と伸長するなど、特徴的な動きが見られた。

概況

2022年2月のデジタルカメラ総出荷台数は49万4,071台(前月比85.2%)、金額は323億7,897万9,000円(前月比84.3%)だった。昨年同月比では台数73.4%・金額90.6%を記録。前月および昨年同月比で減少しており、とくに台数においては昨年同月から3割近く落ち込む結果となった。

内訳を見ていくと、とくに減少幅が大きかったのはレンズ一体型カメラだった。台数が13万9,640台(前月比77.8%)、金額が36億1,385万3,000円(前月比70.6%)を記録。昨年同月比では台数56.7%・金額75.1%とさらに大きく落ち込んでいる。

ミラーレスカメラは台数が20万3,912台(前月比90.7%)、金額が225億2,283万1,000円(前月比84.7%)を記録。昨年同月比では台数89.1%・金額96.6%だった。

一眼レフカメラは台数が15万519台(前月比85.7%)、金額が62億4,229万5,000円(前月比93.1%)だった。昨年同月比では台数75.9%・金額82.2%を記録している。

国内の状況

国内向け市場におけるデジタルカメラ全体の出荷台数は6万9,962台(前月比114.3%)、金額が28億8,835万9,000円(前月比90.0%)を記録した。世界全体の動きと同様に金額に関して前月から減少したものの、台数においては伸長する結果となった。昨年同月比では台数80.5%・金額78.7%だった。

とくに好調だったのは一眼レフカメラで、台数が5,881台(前月比140.7%)、金額が2億7,716万2,000円(前月比86.8%)を記録。金額では減少したが、台数では大きく伸長した。一方、昨年同月比では台数79.2%・金額64.5%と落ち込む結果となった。

ミラーレスカメラは台数が1万7,985台(前月比115.1%)で、金額が17億8,517万9,000円(前月比86.6%)を記録。一眼レフカメラと同様に台数が好調だった。昨年同月比では台数99.6%・金額81.2%を記録しており、台数においてはカメラ種別で唯一、昨年とほぼ同水準を保った。

レンズ一体型カメラは台数4万6,096台(前月比111.3%)、金額8億2,601万8,000円(前月比99.6%)で、概ね好調な結果となった。昨年同月比では台数75.0%・金額79.4%といずれも減少した。

国外の状況

国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は42万4,109台(前月比81.8%)、金額は294億9,062万円(前月比83.8%)だった。昨年同月比においても台数72.3%・金額92.0%で落ち込む結果となった。

地域別にると、特に減少幅が大きかったのは米州向け市場だった。台数が11万1,641台(前月比69.0%)、金額が79億5,754万9,000円(前月比73.2%)を記録。台数における前月からの減少幅は地域別で最大となった。

中国向け市場では一眼レフカメラの好調が目立った。台数2万3,880台(先月比159.2%)、金額14億729万9,000円(前月比136.8%)と大きく伸長。昨年同月比でも台数119.4%・金額119.5%と好調を見せた。

欧州向け市場ではミラーレスカメラが好調。台数が5万9,220台で前月比112.9%を記録している。一方で、一眼レフカメラは台数が6万3,417台で、地域別で唯一ミラーレスカメラを上回る状況が続いている。

本誌:宮本義朗