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世界全体でレンズ一体型カメラが好調に。一眼レフは低調が続く

国内ではミラーレス出荷金額が前月比約200% CIPAの11月統計より

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移 出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は1月5日、2021年11月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。

世界全体で出荷台数・金額ともに前月から回復傾向を見せた。特徴的な動きを見せたのはレンズ一体型カメラで、いずれの地域でも前月比で大きく伸長。一方で、一眼レフカメラが前月・昨対比で大きく減少するなど対照的な結果となった。

概況

11月のデジタルカメラ総出荷台数は73万2,536台、金額は531億5,341万8,000円を記録した。前月比では台数114.7%・金額129.0%で回復傾向。出荷数量月間推移のグラフで見ると、2019年および2020年は秋口から年末にかけて減少傾向となっているところ、2022年は違った動きを見せたことがわかる。なお、昨年同月比では台数70.4%・金額98.2%を記録している。

内訳を見ると、前月比で特に好調だったのがレンズ一体型カメラ。台数が27万4,935台(前月比140.7%)、金額が73億1,465万5,000円(前月比144.7%)を記録した。昨年同月比では台数73.5%・金額95.7%だった。

ミラーレスカメラも概ね好調な結果となった。台数が29万6,637台(先月比114.6%)、金額が390億8,596万6,000円(前月比138.4%)だった。昨年同月比では台数76.5%・金額110.5%を記録。カメラ種別では唯一、金額が昨対比で上回った。

一方、一眼レフカメラは振るわない結果だった。台数が16万964台(前月比87.2%)、金額が67億5,279万7,000円(前月比85.6%)を記録。昨年同月比も台数57.8%・金額60.9%と大きく落ち込んだ。

国内の状況

国内向け市場におけるデジタルカメラ全体の出荷台数は9万4,658台(前月比142.3%)、金額が46億5,159万5,000円(前月比164.0%)を記録。世界全体の動きよりさらに前月比で好調な結果となった。昨年同月比では台数72.9%・金額94.3%だった。

カメラ種別ごとに見ていくと、ミラーレスカメラが台数2万5,900台(前月比129.7%)、金額は32億6,901万6,000円(先月比197.4%)を記録。前月比で金額が200%近い数字となっており、好調ぶりがうかがえる結果となった。昨年同月比では台数が73.6%と落ち込んだものの、金額では107.3%と上回った。

レンズ一体型カメラも同じく好調。台数が6万4,888台(前月比155.3%)、金額が11億7,586万円(前月比130.7%)を記録した。前月比では好調を見せた一方で、昨年同月比では台数77.7%・金額83.3%と減少傾向となった。

一眼レフカメラは国内向け市場でも低調だった。台数が3,870台(前月比81.1%)、金額が2億671万9,000円(前月比73.7%)を記録。昨年同月比ではさらに下げ幅が大きく、台数34.8%・金額43.6%だった。

国外の状況

国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は63万7,878台(前月比111.5%)、金額が485億182万3,000円(前月比126.5%)を記録した。昨年同月比では台数70.1%・金額98.6%で、カメラ種別ごとの好不調も世界全体の動きと概ね同様。ミラーレスカメラとレンズ一体型カメラが好調で、一眼レフカメラが不調という結果だった。

地域ごとに見ていくと、アジア向け市場(日本・中国以外)が特に好調だった。デジタルカメラ全体の出荷台数が8万7,447台(前月比158.0%)、金額が71億475万9,000円(前月比159.2%)を記録。カメラ種別でみても、一眼レフカメラも前月比で台数178.6%・金額138.3%を記録するなど特徴的な動きを見せた。

欧州向け・米州向け市場においても前月比で好調。レンズ一体型カメラとミラーレスカメラにおいては世界全体の動きと同様に好調で、一眼レフカメラは低調となった。昨年同月比でみると、とくに欧州向け市場においては下げ幅が大きく、デジタルカメラ全体の出荷台数が52.3%で、金額が72.4%だった。

一方、8月頃より好調が続いていた中国向け市場は、地域別で唯一、前月から減少傾向を見せた。デジタルカメラ全体の出荷台数は10万6,375台(前月比92.8%)、金額が109億5,858万4,000円(前月比95.3%)を記録。しかしカメラ種別で見ると、ここでもレンズ一体型カメラが好調だった(前月比台数155.2%・金額134.8%)。

本誌:宮本義朗