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2022年は出荷台数が低調なスタートに。出荷金額は昨対比で伸長

CIPAの1月統計より

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移 出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は3月1日、2022年1月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。

2022年は、出荷台数において前年を下回るところからのスタートとなった。地域別でみると特に日本向け市場でのは落ち込みが大きかった。一方、世界全体の傾向として、台数は減少しながらも出荷金額が昨年を上回るという逆転現象も起こっている。

概況

2022年1月のデジタルカメラ総出荷台数は57万9,737台(前月比84.4%)、金額は384億2,274万7,000円(前月比93.1%)だった。昨年同月比では台数91.0%・金額116.5%を記録。前月比で台数・金額が、昨年同月比では台数が減少したものの、金額では伸長する結果となった。

内訳を見ていくと、ミラーレスカメラの台数が22万4,698台(前月比96.5%)、金額が266億1万1,000円(前月比97.5%)を記録。昨年同月比では台数100.3%・金額131.0%と増加傾向を見せた。

一眼レフカメラは台数が17万5,655台(前月比82.0%)、金額が67億506万4,000円(前月比83.1%)だった。昨年同月比においても、台数91.4%・金額85.8%と減少した。

レンズ一体型カメラは台数が17万9,384台(前月比74.9%)、金額が51億1,767万2,000円(前月比86.1%)を記録した。昨年同月比は台数が81.3%と落ち込んだが、金額では105.0%と上回った。

国内の状況

国内向け市場におけるデジタルカメラ全体の出荷台数は6万1,214台(前月比63.8%)、金額が32億1,062万4,000円(前月比62.1%)を記録。前月比で大きく落ち込む結果となった。昨年同月比では、台数58.7%と大きく減少した一方で、金額では110.2%と伸長した。

内訳で見ると、ミラーレスカメラの台数が1万5,632台(前月比49.2%)、金額が20億6,185万9,000円(前月比56.3%)で特に落ち込みが大きかった。昨年同月比では台数82.1%だったものの、金額153.7%と大きく伸長する結果となった。

一眼レフカメラの台数は4,180台(前月比58.3%)、金額は3億1,949万円(前月比88.3%)だった。昨年同月比では台数が47.6%で大きく減少。金額でも76.4%と落ち込んだ。

前月比での落ち込みが一番少なかったのはレンズ一体型カメラ。台数が4万1,402台(前月比72.7%)、金額が8億2,927万5,000円(前月比72.6%)を記録している。昨年同月比では台数54.2%・金額71.9%といずれも減少した。

国外の状況

国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は51万8,523台(前月比87.8%)、金額は352億1,212万3,000円(前月比97.5%)を記録した。昨年同月比では台数97.4%・金額117.1%となっており、前月比とともに日本国内向け市場よりも好調だった。

出荷台数が前月の数字を割る地域が多い中、中国向け市場ではデジタルカメラ全体で7万7,352台(前月比102.2%)を記録した(金額は前月比86.5%)。特に好調を見せたのはレンズ一体型カメラで、台数1万9,321台(前月比127.4%)、金額8億4,305万7,000円(前月比137.9%)だった。

欧州向け市場においてはミラーレスカメラが概ね好調を見せた。台数5万2,462台(前月比95.8%)、金額60億7,749万9,000円(前月比115.0%)を記録。昨年同月比でも金額140%と大きく伸長した。一方で一眼レフカメラは台数7万675台(前月比84.8%)を記録しており、地域別で唯一、ミラーレスカメラを大きく上回る結果となった。

昨年同月比で一番好調だったのは米州向け市場だった。台数116.3%・金額136.1%を記録。いずれのカメラ種別においても昨年同月比で台数・金額が伸長したのは米州向け市場のみだった。

本誌:宮本義朗