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ミラーレスカメラ国内出荷金額が昨対比255%。CIPAの5月統計より
一眼レフは落ち込みが激しく
2022年7月5日 11:00
一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は、2022年5月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を7月1日に公開した。
5月から6月にかけて減少傾向となっていた過去2年とは異なり、前月比で台数・金額ともに大きく伸長する結果となった。カメラ種別で見るとレンズ一体型カメラとミラーレスカメラが大きく伸長。とくにミラーレスカメラにおいては、国内向け市場での出荷金額において昨年同月比255.8%に大幅に上昇にするなど、特徴的な動きを見せた。
概況
2022年5月のデジタルカメラ総出荷台数は63万7,305台(前月比117.1%)、金額は621億8,552万9,000円(前月比122.2%)だった。前月比では台数・金額ともに伸長。昨年同月比では台数が89.6%と落ち込んだものの、金額は147.4%と大きく上昇した。
カメラ種別で見ると特に好調だったのがミラーレスカメラ。台数37万2,182台(前月比132.2%)、金額509億9,488万1,000円(前月比128.2%)を記録。さらに昨年同月比も台数140.4%・金額186.5%と大きく伸長した。
レンズ一体型カメラも好調。台数が16万9,877台(前月比145.2%)、金額が54億1,506万5,000円(前月比132.2%)を記録。しかし前月比で好調だった一方で、昨年同月比では台数67.4%・金額80.6%と大きく減少。2022年に入ってから、レンズ一体型カメラは昨年同月比で大きく落ち込む状況が続いている。
前月好調だった一眼レフカメラは台数9万5,246台(前月比65.5%)、金額57億7,558万3,000円(前月比82.6%)と振るわない結果となった。昨年同月比ではさらに下げ幅が大きく、台数49.0%・金額71.0%となっている。
国内の状況
国内向け市場におけるデジタルカメラ全体の出荷台数は6万9,993台(前月比128.3%)、金額は54億3,486万8,000円(前月比156.6%)を記録。昨年同月比は台数89.9%・金額184.9%で、台数は落ち込んだものの、金額は大幅に上昇。世界全体と同様の動きを見せた。
ミラーレスカメラが目を見張る結果を見せた。台数が3万4,516台(前月比154.2%)、金額が44億6,823万2,000円(前月比182.6%)と前月比から大きく伸長。さらに昨年同月比では台数156.9%・金額255.8%と、金額においては2.5倍超を記録した。
レンズ一体型カメラは前月比で好調だった。台数が3万1,026台(前月比122.5%)、金額が金額が7億21万3,000円(前月比110.8%)を記録。昨年同月比では台数61.9%・金額77.0%と大きく沈んだ。
一眼レフカメラは前月比でも減少。台数が4,451台(前月比65.2%)、金額が2億6,642万3,000円(前月比67.8%)だった。昨年同月比では台数78.3%・金額94.4%を記録している。
国外の状況
国外向け市場のデジタルカメラ全体の出荷台数は56万7,312台(前月比115.9%)、金額が567億5,066万1,000円(前月比119.7%)だった。前月比では台数・金額ともに好調を記録。昨年同月比では台数89.6%と減少したが、金額では144.6%と伸長した。
地域別にみると、特に好調だったのが中国向け市場。デジタルカメラ全体の出荷台数は14万5,205台(前月比161.5%)、金額が183億2,269万9,000円(前月比162.8%)を記録。全カメラ種別が前月比で伸長。レンズ一体型カメラ、ミラーレスカメラだけでなく一眼レフカメラも前月比で伸長したのは中国向け市場のみだった。
欧州向け市場ではミラーレスカメラが大きく伸長。昨年同月比で台数176.2%・金額216.3%を記録。台数は9万3,121台で、長らく台数で競り合い続けている一眼レフカメラの3万4,824台を大きく引き離す結果となった。
米州向け市場は、地域別で唯一前月比から台数・金額ともに減少。ただしカメラ種別ではレンズ一体型カメラのみ前月比で台数148.6%・金額149.1%と伸長した。