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欧州・アメリカで一眼レフカメラが大きく伸長
CIPA10月の統計より
2020年12月2日 06:00
一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は12月1日、2020年10月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。総出荷数が100万台を突破した9月に引き続き、さらに伸びる結果を示しており、回復傾向が鮮明化してきた。
概況
10月の総出荷数は113万4,888台となり、金額は562億869万4,000円を記録した。9月の実績(総出荷数101万1,049台・金額518億7,271万6,000円)でも大幅な回復傾向を示していたが、10月実績はさらにこれを超える結果となった。
内訳をみていくと、一眼レフカメラ33万8,652台に対して、ミラーレスカメラでは41万6,006台を記録。トータルで、ミラーレスカメラが好調を見せた。
台数ベースでは、約10万台ほどの開きでしかない両機だが、金額面ではミラーレスカメラの伸びが大きい。具体的な数字をみていくと、ミラーレスカメラが353億8,368万4,000円であるのに対して、一眼レフカメラでは123億9,009万9,000円となっており、およそ3倍ほどの開きがあることが読みとれる。
一方、レンズ一体型カメラについては、数量38万230台・金額84億3,491万1,000円となっており、前月を割り込む結果となった。
トータルでみていくと世界的に活気づいており、回復基調が鮮明化してきていると考えることができる結果となっているものの、国内市場は前月比でミラーレスカメラを含めて割り込む結果となっていることからもわかるとおり、回復を示すと言えるかどうかは、11月・12月の年末に向けた情勢次第ということになりそうだ。
国内の状況
国内市場の状況をみていくと、ミラーレスカメラが2万9,379台(24億6,160万2,000円)、一眼レフカメラは1万1,827台(5億5,992万7,000円)を記録。前月に引き続きミラーレスカメラ優勢の状況が続いている。
台数における前月比での伸びをみていくと、ミラーレスカメラは72.7%と大きく後退。対して、一眼レフカメラが102.4%と微増傾向を示した。
レンズ一体型カメラでは、5万8,242台(10億7,980万2,000円)となっており、これも前月比で7.1%後退している。
国外の状況
国外市場の全体の状況をみていくと、ミラーレスカメラは38万6,627台(329億2,208万2,000円)を記録。一眼レフカメラでは32万6,825台(118億3,017万2,000円)、レンズ一体型カメラは32万1,988台(73億5,510万9,000円)となった。
前月比から状況をみていくと、ミラーレスカメラ・一眼レフカメラともに、台数・金額の両面で10〜40%程度の増加傾向を示している。これに対して、レンズ一体型カメラでは数%割り込む結果となった。
各地域のうち、中国および、日本と中国を除くアジア地域、その他地域ではミラーレスカメラ優勢の状況となっている。この傾向は、2020年を通してほぼ変わらずの状況だといえる。
対して、振れ幅が大きいのが欧州およびアメリカだ。欧州向けでは日本と同じくミラーレスカメラが減少して、一眼レフカメラが伸長。台数および金額で前月比150%と大幅な伸びを示している。アメリカでもほぼ傾向は同じで、ミラーレスカメラが減少して一眼レフカメラの伸びが著しい。台数ベースでみると、前月比170%を超える伸びとなっている。
ただし、ミラーレスカメラと一眼レフカメラにおける金額面での開きは日本市場と同じく大きい。欧州地域とアメリカでは、両機の台数バランスがまだまだ拮抗していることもあり、新製品の登場いかんによっては、まだまだ両機の行方はわからないと言えそうだ。