ニュース

全世界でミラーレスカメラ支持傾向に

CIPA・2020年7月統計より

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)が2020年7月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開している。回復基調を見せた6月から引き続き、総出荷数量は上昇傾向を示した。

概況

7月の総出荷数は65万6,604台を記録した(前月比128.4%)。金額も伸びており、318億352万8,000円となった(前月比130%)。

内訳をみていくと、ミラーレスカメラは出荷数が21万4,683台(金額は193億4,246万7,000円)となっている。対して一眼レフカメラの出荷数は13万4,597台(金額は60億4,477万8,000円)。レンズ一体型カメラは出荷数が30万7,324台(金額は64億1,628万3,000円)となった。

これらのうち総出荷台数をみていくと、レンズ一体型は前月比165.7%で大きな伸びを示しており、ミラーレスカメラも135%で引き続き伸びを示している。一眼レフカメラは、80.5%と大きく割り込んだ。

国内の状況

国内に目を向けると、ミラーレスカメラの大幅な伸びが目立つ状況となっている。ミラーレス、一眼レフ、レンズ一体型、いずれも総出荷台数は前月よりも伸びているものの、中でもミラーレスの数量が突出して大きくなっている。

総出荷台数の数量を見ていくと、ミラーレスは3万2,748台(前月比229.6%)となっており、一眼レフ(8,809台:前月比111.6%)の約3.7倍を示している。また、レンズ一体型では9万9,854台で前月比193.4%を記録している。レンズ一体型はミラーレスの約3倍の数を示しているが、金額では、ミラーレスが突出した数字を示している(29億8,406万1,000円)。

国外の状況

6月までは、欧州やアメリカ地域における一眼レフカメラ優位の状況が確認できていたが、7月は一転して、これらの地域でもミラーレス支持の傾向が確認できる状況となっている。

欧州およびアメリカ地域の概況をみていくと、まず欧州では一眼レフカメラが3万4,637台(前月比62.2%)であるのに対して、ミラーレスカメラは5万8,970台(前月比108.1%)となっている。

次いでアメリカに目を移すと、緩やかながら欧州と同様の傾向が伺われる結果となっている。一眼レフカメラの総出荷台数は4万3,536台(前月比89.1%)、ミラーレスカメラでは5万2,091台(前月比152.6%)となっている。

中国でのミラーレス支持傾向は、これまで同様。日本および中国以外のアジア地域向けでも僅差だがミラーレスの数量が上回っている。これら以外の地域向けでも傾向は同じ。

世界全体の動きでは、これまで一眼レフカメラが優位する地域とミラーレスカメラが優位する地域で、傾向が明確に分かれていたが、7月統計では一転して世界的にミラーレスが伸張する結果となっている。また、国内ではレンズ一体型の数量が大きな伸びを示しているが、欧州およびアメリカでも同様の傾向が伺われる。軽量・コンパクト化に需要が転じてきているのだろうか。引き続き8月の統計を注視していく必要がありそうだ。

本誌:宮澤孝周