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9月のデジカメ市場は国内外とも大幅な回復傾向。CIPA統計より

世界的にミラーレス優勢 金額面では2018年12月なみに復調

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は11月2日、2020年9月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。9月も引き続き回復傾向を示しており、総出荷数が2020年に入って、はじめて100万台を突破。大幅な伸びを示す結果となった。

概況

9月の総出荷数は101万1,049台となり、金額は518億7,271万6,000円を記録した。2020年にはいって、初めて総出荷数が100万台を超えた。台数ベースでいえば、2019年1月なみ(100万1,398台)の水準にまで回復したことになる。なお、各社が35mm判フルサイズミラーレスカメラを投入して活況を呈した2018年のうち、最も台数が少なかった月(12月:132万5,583台)と比べてみると、数量自体は及ばないものの、金額面では近づく結果(554億2,458万4,000円だった。)となっている。これは、前記した2019年1月の金額(414億4,034万6,000円)を上回るものともなっている。

全体の結果をみていくと、ミラーレスカメラと一眼レフカメラ、レンズ一体型カメラで、それぞれ台数および金額が前月よりも伸びていることがわかる。それぞれの内訳をみていくと、ミラーレスカメラは36万4,182台(金額:344億3,298万5,000円)、一眼レフカメラでは24万1,661台(金額:86億4,610万5,000円)、レンズ一体型カメラでは40万5,206台(金額:87億9,362万6,000円)となっている。

前月比で特に大きく伸びたのがミラーレスカメラだ。前月は22万4,228台(金額:191億6,762万4,000円)だったが、金額面がおよそ1.8倍近く伸びている計算になる。これは国内およびアメリカ、欧州で特にミラーレスカメラを支持する傾向が強くあらわれたためとみられる。以下、これらを特に追ってみていきたい。

国内の状況

前記したとおり、国内市場はミラーレスカメラ支持が特に強い傾向にある。9月もこれは同様となっており、一眼レフカメラが1万1,547台であるのに対して、ミラーレスカメラでは4万426台と、約3.5倍ほどの開きがある。金額面では更にその差が顕著になっており、一眼レフカメラの5億7,540万7,000円に対して、ミラーレスカメラは41億2,062万2,000円となっている。

この金額面での伸びは前月比で200%を超えるものとなっている。9月実績で金額が200%を超えているのは、日本とアメリカのみ。唯一欧州が182%とこれに近い伸びを示している。

国外の状況

国外もミラーレスカメラを支持する傾向にある。前記したとおり、アメリカおよび欧州での伸びが特に顕著で、ともに一眼レフカメラを大きく上回る結果を示している。

ミラーレスカメラの内訳をみていくと、アメリカでは12万4,918台(金額:118億7,404万7,000円、一眼レフカメラは8万4,399台・22億7,465万1,000円)となっており、欧州では8万8,979台(72億2,512万8,000円、一眼レフカメラは7万2,977台・26億4,324万円)となっている。

世界的にみてもアメリカと欧州ではともに前月比でミラーレスカメラ支持傾向が強まる結果となったが、これ以外の地域(中国・アジア地域・その他の地域)でも台数・金額ともにミラーレス優勢の結果となっている。

本誌:宮澤孝周