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デジカメ総出荷台数の回復傾向がストップ。CIPA統計より

世界全体では6カ月ぶりの減少 国内ではミラーレス・レンズ一体型カメラが伸長

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は1月5日、2020年11月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。6月から回復傾向となっていた世界全体の総出荷台数は6カ月ぶりに減少する流れとなったが、国内市場ではミラーレスカメラおよびレンズ一体型カメラの出荷台数・金額が前月から伸長する結果となった。

概況

11月の総出荷台数は104万371台で、金額は541億2,511万2,000円を記録した。10月の実績(総出荷台数113万4,888台・金額562億869万4,000円)比で総出荷台数が91.7%、金額が96.3%となった。6月から続いていた回復基調が僅かに減少に転じたが、2018年と2019年にも秋から年末にかけては同様に減少の動きを見せていた。

内訳は、一眼レフカメラの出荷台数が27万8,410台(前月比82.2%)、ミラーレスカメラが38万7,818台(前月比93.2%)。金額ベースで見ると一眼レフカメラが110億9,599万4,000円(前月比89.6%)、ミラーレスカメラが353億8,428万3,000円(前月比100.0%)を記録した。ミラーレスカメラにおいては台数が前月から6.8%後退したのに対して、金額では同じという結果になった。

一方、レンズ一体型カメラは出荷台数が37万4,143台(前月比98.4%)、金額が76億4,483万5,000円(前月比90.6%)を記録しており、出荷台数と金額のいずれも前月から僅かに後退している。

国内の状況

世界全体の総出荷台数では前月から後退したが、国内市場に目を向けると、デジタルカメラ全体の出荷台数が12万9,864台で前月比130.6%を記録した。金額においても49億3,068万6,000円で前月比120.2%となった。

特に大きな伸びを見せたのはレンズ一体型カメラ。出荷台数が8万3,525台(前月比143.3%)で、金額が14億1,114万7,000円(前月比130.7%)を記録している。

次いで伸びを見せたのがミラーレスカメラで、出荷台数が3万5,207台、金額が30億4,580万7,000円を記録。10月の実績(出荷台数2万9,379台・金額24億6,160万2,000円)比で台数が119.8%、金額が123.7%となった。

一眼レフカメラのみ前月から後退。出荷台数が1万1,132台(94.1%)で、金額が4億7,373万2,000円(前月比84.6%)という結果となった。

国外の状況

国外市場の全体の状況としては、一眼レフカメラの出荷台数が26万7,278台(106億2,226万2,000円)、ミラーレスカメラが35万2,611台(323億3,847万6,000円)、レンズ一体型カメラが29万618台(62億3,368万8,000円)を記録。いずれも前月からおよそ10~16%ほどの後退となった。

特に中国市場においては、一眼レフカメラの出荷台数が2万7,474台(16億7,543万2,000円)、ミラーレスカメラが7万1,762台(72億7,521万6,000円)、レンズ一体型カメラが2万6,216台(8億8,379万円)を記録。いずれも出荷台数が前月から30%近く後退する結果となった。

米州においては、ミラーレスカメラの出荷台数が11万7,111台で前月比103.9%を記録した一方、一眼レフカメラは9万6,569台で前月比65.9%と大幅に減少した。金額面でもミラーレスカメラが106億552万3,000円であるのに対して、一眼レフカメラが29億4,701万6,000円と大きく差が開いた。前月では一眼レフカメラが大きく伸びていた米州だったが、11月の実績ではミラーレスカメラ支持の動きに向いた状況をあらわす結果となった。

欧州地域におけるミラーレスカメラと一眼レフカメラのバランスについては、金額面には差があるものの、依然として出荷台数がほぼ並んだ状況となっている(ミラーレス:11万1,588台、一眼レフ:11万1,593台)。

本誌:宮本義朗