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パナソニック、プロ向け動画仕様のフルサイズミラーレス「LUMIX S1H」
6K 24pでの記録に対応
2019年8月29日 13:16
パナソニック株式会社は、動画撮影に特化した35mm判フルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S1H」を9月25日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税別50万円前後の見込み。
6月3日に開発発表、8月27日に海外での正式発表があった製品。同社のプロフェッショナル向け動画機材の思想や技術が応用されており、画づくりや機動力とともにシネマクオリティの動画制作機として訴求する。
LUMIX S1Hは動画の撮影に主軸を置いた製品としてまとめあげられており、プロフェッショナル向けの動画記録が可能としながらも、この記録時間制限がなくなった点が最大の特徴。
外観形状は同社の35mm判ミラーレスカメラLUMIX S1シリーズのデザインを継承。レンズマウントもLマウントを採用している。
大きな違いは連続記録時に発生する熱を排出するため、ボディ左側面後方から背面側にかけて放熱ファンが設けられた点。ボディはS1およびS1R同様、防塵防滴に対応しており、排熱スリットからの水や埃の侵入対策として、ファンユニットとヒートシンクをカメラ内部から切り離し、さらにシーリング加工を施すことで対応している。
ファンは常に回転しつづけるモードから、一定温度でオン/オフをきりかえたり、回転速度を調整するモードなど、細かな制御方法がプリセットされている。音声記録についても、マイクを複数設けるなどして、ファンが動作していても安定した記録が可能となるように配慮しているという。
イメージセンサーは有効約2,420万画素を採用。画素数自体はLUMIX S1と同等だが、本機ではローパスフィルターがついている点で異なる。同社によれば、これは安定した品質で動画記録を可能にするためとしている。
またイメージセンサーには、LUMIX GH5Sに続き、ディユアルネイティブISOが新たに搭載された。これによりノイズを最小限に抑えた高感度撮影が可能だとしている(低ISO感度と高ISO感度でそれぞれ別個の回路を使用してノイズを抑制する仕組み)。
ボディ内手ブレ補正機構も搭載。5軸6段の手ブレ補正効果が得られるほか、対応レンズの使用で、補正効果は6.5段になる(Dual.I.S)。
静止画の撮影モードも搭載。96MPのハイレゾモードのほか、シングルショットAFで最大9コマ/秒の連写やコンティニュアスAFで最大約6コマ/秒の撮影が可能など、撮影性能はS1と同等のスペックとなっている。背面側に配された8方向ジョイスティックや約576万ドットのファインダーなども共通している。
新規点としては、ボディ天面および全面に録画ボタンが配されたほか、シャッターボタン同軸上に電源スイッチがきている。天面のサブ液晶モニターも動画撮影向けに大型化している。
このほか背面液晶モニターが、これまでのチルト式から3軸でバリアングルのように展開できるタイプになった。サイズとドット数、タッチ操作への対応は同じで3.2型の233万ドット表示だが、従来比150%の輝度となり、屋外での視認性が向上しているという。また、左側面にHDMIなどのケーブル類を挿していても干渉せずに利用できるようになっている。
記録メディアはSDカード(UHS-II)を使用する。スロット数は2つ。S1およびS1Rで搭載していたXQDカードには対応していない。
USB Type-C端子を搭載しており、USB-PDによる充電と給電に対応する。
動画記録性能
フルサイズミラーレスカメラとしては初めて6K 24p(3:2)記録に対応した。このほか5.9K 30p(3:2、16:9)や4K / C4K 60p(クロップ)、アナモフィック4K 50pでの記録などにも対応した。これら多彩な記録モードをフレームレートや画素数といった条件から絞り込み、プロジェクトごとに管理できるよう検索機能とマイリストへの登録なども可能となっている。
ダイナミックレンジは14+ストップとなっており、暗部からハイライトまでひろい階調で撮影できるとしている。同社プロ向けの動画機VARICAMなどと共通の画づくりも可能となっており、併用して動画をつくっていくニーズにも応えるとしている。