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【CP+2026】会場で試せる、国内メーカーのホットなAF新レンズ+α

今回のCP+2026は、初お披露目の新型カメラが少なかったこともあり、交換レンズに注目が集まっている。

そこで本稿では、2026年に登場した国内メーカーのホットなAF交換レンズについて紹介する。なお、一部は実機を手に取れない参考出品だ。

ニコン

NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II

CP+2026で最も順番待ちが長くなっているレンズは、会期直前に発表された「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」(4月発売)だろう。

撮影体験コーナーと製品説明カウンターのそれぞれに実機が用意されており、番号札を取って順番を待ち、画面に番号が表示されたら列に並ぶ仕組み。残念ながら製品版の展示が間に合わなかったため、試作機での撮影体験はできるものの、撮影データの持ち帰りは不可とのこと。

着脱式の三脚座など使い勝手を試せる
撮影体験コーナーでは、セットの中でモデルを撮影できる

1月30日に発売された「NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1」も用意されていた。カバーする焦点域の近い「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」と比べて約半分となる、約350gの軽さが特徴だ。ニコンZ5IIのキットレンズでもある。

NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

シグマ

Sigma 85mm F1.2 DG|Art(開発発表)

開幕前日の2月25日に開発発表された「Sigma 85mm F1.2 DG|Art」は、LマウントとソニーEマウント用をラインナップする大口径中望遠レンズ。ポートレートの王道といえるスペックだ。ArtラインのF1.2シリーズは35mm、50mmに続く3本目となる。

GMo非球面レンズ技術や硝材の選択肢が増えたことで小型軽量化を意識しているのがポイント。実機を手にすることはできず、詳しいスペックも不明だが、従来よりも周辺まで優れた描写特性を持っているという。

3月12日(木)に発売予定のAPS-C用レンズ「Sigma 15mm F1.4 DC|Contemporary」は、同じコンテンポラリーラインの「16mm F1.4 DC DN」(2017年発売)の後継に位置付けられるレンズ。マウントはキヤノンRF用、ソニーE用、富士フイルムX用を用意。

Sigma 15mm F1.4 DC|Contemporary

16mm F1.4から大幅に小型化している点が見どころだ。非球面レンズを採用しつつ、主に歪曲収差の補正をカメラ側に任せることで、ここまでのコンパクトさを実現したという。寄れるレンズのため料理や小物の撮影に向くほか、星の撮影にも適するとしている。

Sigma 15mm F1.4 DC|Contemporary。※装着ボディはフルサイズ機のα7C II
左は新しい15mm F1.4 DC、右は従来の16mm F1.4。いずれもRFマウント用

「Sigma 35mm F1.4 DG II|Art」は、2021年に登場したミラーレス専用設計のフルサイズ対応35mm F1.4を刷新。小型軽量化を実現しつつ、光学性能も高めているという。

Sigma 35mm F1.4 DG II|Art

アクチュエーターの変更によりAF性能も向上し、主にスナップ、ポートレート、風景撮影での活躍を見込む。高性能なレンズであっても小型化へのニーズが強まっているという認識は、多くのメーカーで共通しているようだ。

fpに装着
ミニマルデザインのシグマブース内で目を引くオブジェ。天井から何かがぶら下がっている
レンズの絞り羽根を打ち抜いた残りの金属素材を使い、アーティストが作品に仕立てたものだという

タムロン

35-100mm F/2.8 Di III VXD(Model A078)

3月26日(木)にソニーEマウント用とニコンZマウント用が発売される「35-100mm F/2.8 Di III VXD(Model A078)」を初めて手に取れる場となっている。

35-100mmという珍しい焦点距離は、24-70mmを少し望遠側にシフトしたイメージだという。カジュアルなポートレートや、旅、街スナップにも使えるサイズ感を特徴としている。

タムロンのラインナップにはよりズーム域の広い「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD(Model A058)」もあるが、こちらはサイズを抑えてより身軽に使えるレンズとして開発。それぞれに個性があるため、2本は今後も併売されるという。

また、対応するタムロンレンズに装着することでスマートフォンとBluetooth接続できる「TAMRON-LINK」も新たな話題。これまでは有線接続かつAndroid環境のみで利用できた「TAMRON Lens Utility」が、無線環境やiOSでも使えるようになった。

TAMRON Lens Utilityのデモ。ビデオ雲台やスライダーとの組み合わせ

レンズをリモート操作する活用例としては、フォーカスや絞り値が変化する始点と終点、移動速度、加減速のカーブを設定可能。これらの操作をアプリに任せ、撮影者はカメラを振ることだけに集中できる。つまりこれも、昨今のデジタルカメラにおける動画機能のひとつのテーマとなっている「小規模撮影やワンオペ撮影のサポート」に貢献できる機能だ。

レンズのUSB Type-C端子にTAMRON-LINKを装着
フォーカスをリモート操作。ピンチアウトすると距離指標が拡大され、より繊細なフォーカシングが可能に。A、B、Cの3点にピント位置と絞り値をプリセットして使える
星の撮影に向けたモードも。繊細なフォーカシングで無限遠を出したあとは、リングそのものを無効化して不用意なピント移動を防げる
レンズ動作のカスタマイズ。フォーカスリングの方向を逆にするなど、電子式リングならではの設定も
レンズ鏡筒に備わるカスタムスイッチの機能割り当てもカスタマイズできる

今年のタムロンブースは映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とコラボレーション。主人公のマーティが過去にタイムトラベルした1955年のヒルバレーの時計台広場をイメージしたという空間に「タイムマシン」を展示。映画に登場した仕様を再現したDMCデロリアンの実写が置かれ、注目を集めている。

1時間に1回、ショータイムがある
ブースの側面にギターが飾られていた。映画内に登場するギブソンES-345のディテールを再現した、エピフォン製の手頃なトリビュート・モデルだ

コラボレーションの経緯は、「Focus on the Future」というブランドスローガンに基づいて“未来を見つめた製品作り”を行うタムロンが、映画の「未来は自分で切り開くもの」というメッセージに共感したからだという。ブース内にはタムロンレンズのマイルストーン的な製品が並べられたコーナーもあり、カメラファンは必見だ。

タムロンブースのヒストリー展示
タムロン高倍率ズームの原点「AF28-200mm F/3.8-5.6 LD Aspherical IF Super」

トキナー

正体不明のトキナーレンズ

ケンコー・トキナーのブースに、何やら謎のレンズが展示されていた。レンズの姿はあるが、焦点距離やスペックなどは非公開。沼澤茂美氏の撮影による作品が大きく展示されているだけという、斬新な展示だった。

この、沼澤茂美氏による作品だけがヒントだ

キヤノン

RF7-14mm F2.8-3.5 L FISHEYE STM

2月20日に発売された最新レンズ2本をタッチアンドトライコーナーで発見。RFレンズ初の「RF7-14mm F2.8-3.5 L FISHEYE STM」は、フルサイズ機で全周魚眼から対角線魚眼、APS-Cのカメラでは対角線魚眼レンズとなる魚眼ズームレンズ。

全周魚眼のファインダー像や、ドロップインタイプのフィルター、APS-C機で使用する場合のズームロックなど、このレンズならではの機能性を試せる。

同じく2月20日に発売された「RF14mm F1.4 L VCM」には、タッチアンドトライ以外に技術展示コーナーが用意されていた。広角レンズには珍しい蛍石の採用が小型軽量化に貢献している点や、BRレンズが色収差の抑制に活用されていることを学べる。

RF14mm F1.4 L VCMの技術解説
1枚目の非球面レンズ。超精密な金型でプレスされたGMo非球面レンズだ
左から、2枚目のGMo非球面レンズ、蛍石レンズ、BR光学素子を含むレンズ群
天然蛍石と人工蛍石。蛍石について詳しくは過去にレポートしている(下記リンク)

ソニー

2026年に発売されたソニーレンズは、α7 Vのキットレンズとして発売済みのフルサイズ用の標準ズームレンズ「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS II」(単品は2026年2月13日発売)。基本的な仕様は従来型と同じだが、最新のαボディの性能に見合ったAF追随性や手ブレ補正の協調制御に対応している。タッチアンドトライコーナーには常設されていないものの、相談カウンターで希望すれば手に取れる。

ライター。本誌編集記者として14年勤務し独立。趣味はドラム/ギターの演奏とドライブ。日本カメラ財団「日本の歴史的カメラ」審査委員。YouTubeチャンネル「鈴木誠のカメラ自由研究