特別企画
カメラユーザーが選びたいスマホとは?…αクオリティが集約!! ソニー「Xperia 1 III」レビュー
高画質と強力なAF・連写性能 ポートレートで試してみた
2021年7月29日 07:00
美しい光景や感動の一瞬を写すデジタルカメラ。高い描写性能と正確なオートフォーカス性能は常に進化し続け、思い描いたシーンが会心の一枚として残せることに心を躍らせる人も多い。
一方、毎日持ち歩くスマートフォンはどうだろうか。仕事やレジャー時はもちろん写真撮影時にも常に携行しているはず。だったら、カメラ機能がもっと「美しく」もっと「高速」で、頼もしいスマートフォンを探してみるのも悪くない。
そんなスマートフォンとして紹介したいのが、デジタルカメラ界の雄、ミラーレスカメラ“α”で知られるソニーのスマートフォン「Xperia 1 III」(エクスペリア・ワン・マークスリー)だ。
デジタルカメラで常に写真撮影を楽しんでいるフォトグラファーでも納得の性能を持っているのである。作例を交えながら、その「Xperia 1 III」の実力を紹介しよう。
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4つのレンズで様々なシーンをカバー
「Xperia 1 III」はXperiaシリーズの最上位機種に位置付けられる。ソニーの最新技術をふんだんに盛り込んで、満を持して登場した最新の5Gモデルだ。
それでは「Xperia 1 III」のカメラ機能について見ていこう。
何といっても注目は、新たに3レンズで4つの焦点距離を実現したことだ。35mm換算で16mm、24mm、70mm、105mmを選択でき、しかもすべてZEISSレンズで超広角から中望遠までしっかりとカバーしているのがうれしい。しかも4つの焦点距離を3つのレンズで実現したことで、美しいデザインを実現した。
上部から、超広角カメラ(16mm相当F2.2)、広角カメラ(24mm相当F1.7)、距離計測用の3D iToFセンサー、そして望遠カメラ(70mm相当F2.3、105mm相当F2.8)という構成になっている。
望遠カメラは内部でレンズが可動して70mm相当と105mm相当を切り替える、いわゆる2焦点レンズといっていい。ソニーの技術は「Xperia 1 III」の約8.2mmという極薄ボディの中に、光学中望遠レンズを搭載することに成功したのである。可変式望遠レンズは世界初とのことだ。
また全てのカメラがDual PD(デュアルフォトダイオード)センサーになっているところも見逃せない。サブミクロン単位で動作するアクチュエーターを搭載し、高精度かつ圧倒的なスピードで合焦するオートフォーカス性能を有している。
イメージセンサーのサイズは、超広角カメラが1/2.5型、広角カメラが1/1.7型、望遠カメラが1/2.9型。広角カメラのセンサーサイズが大きいのに注目だ。いずれも有効画素数は約1,220万画素となっている。
16mm相当の画角は広大で、主題と同時に背景を克明に写し込める。遠近感に迫力が出るので、大胆なイメージを演出可能だ。
24mm相当はイメージセンサーが大きいのでリッチで深みのある撮影が可能だ。使いやすい焦点距離で日常を美しく捉えてくれる。
広角レンズの搭載が注目される昨今のスマホカメラだが、望遠レンズの存在も重要だ。特にXperia 1 IIIが搭載する70mm相当や105mm相当は、いわゆる中望遠域であり、人物を撮影するポートレートでは重宝する画角だ。
70mm相当は自然で端正の取れた描写ができる。ワーキングディスタンス的にもポートレート撮影に最適だ。
105mm相当の描写はスマートフォンのそれを超越し、遠近感をグッと凝縮してレンズ交換式カメラのような中望遠的な絵を得られる。ボケ感も光学的なので自然だ。
撮影時のファインダーに、そして撮影カットを確認するための液晶モニターも高性能。世界初 ※ の4K 120Hz HDR シネマワイドディスプレイは明るく見やすく、夏の直射日光の下でも、撮影および確認がやりやすかった。
※スマートフォンにおいて。2021年4月14日現在、ソニー調べ。
プリインストールされているカメラ機能「Photography Pro」も進化を果たした。2つの操作体系となり、イージーかつカジュアルにスマートフォン的な撮影ができる「BASICモード」と、「α」から継承されたUIを備えた「AUTO/P/S/M/MRモード」を切り替えられる。
この「AUTO/P/S/M/MRモード」はまさに「α」を彷彿とさせるUIで、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなどさまざまなマニュアル設定が可能。「RAW」「RAW+JPEG」での記録もできる。フォトグラファーにとって「撮影」に没頭できるインターフェースとなっているのがニクい。
「Xperia 1 III」のもうひとつの特徴は「カメラキー」だ。そう、シャッターボタンのことである。エンボス加工されて指がかりがとてもよく、何よりも「半押し」と「全押し」があるのが素晴らしい。デジタルカメラと同様のフィーリングでシャッターチャンスを逃すことがなく、実際に撮影していて気持ちがよかった点だ。また長押しによるカメラ機能の起動もこのボタンでできる。
“α”譲りの高画質&インターフェイス
Xperia 1 IIIの実力を検証してみてまず感じたことは、21:9モニター採用による長細いのボディがとても構えやすく、「α譲りのUI」と「半押し感を実現したカメラキー」の組み合わせで撮影に没頭できることだ。
カメラ機能「Photography Pro」はアイコンや情報表示の視認性が良く、モード切り替えなどの操作性も悪くない。露出補正のときもフィードバックが伝わってくるので、フレーミングに集中しながら露出コントロールすることが可能だった。
すりガラスごしの光に照らされたモデルのスムーズかつシルキーなスキントーンは実に見事。スマートフォンで撮影したことを忘れさせるレベルだ。ハイライトから連続する快調も豊かで、微妙な肌色もヒトの見た目同様の再現性である。
なおこの日は70mm相当と105mm相当を切り替えながら撮影したが、モデルとの距離感も取りやすく、安定した精細感とオートフォーカスに感心した。
「Photography Pro」の「BASICモード」には、ボケ効果を追加できる機能がある。
小雨が降る波打ち際で撮影したものだが、透明な傘の部分もしっかりと認識してボケを実現している。機種によってはこうしたとき、輪郭をうまく処理できていないケースがみられるが、Xperia 1 IIIのボケ機能は、背景がスーッと溶けていくようで実に美しい。
Xperia 1 IIIのオートフォーカスは、「α」シリーズ同様に素晴らしい。この日の撮影で重点的に試した「瞳AF」および「リアルタイム瞳AF」は実に快適! カメラキーを半押しにするだけでモデルの瞳に合焦し続けてくれるのだ。
動き回るモデルを撮る場合でもフレーミングに気を遣うだけで良く、すべての焦点距離で面白いようにピントが合ってくれるのがスゴい。モデルが大きく動いても瞳を捉え続けてくれるので撮影がとてもラクであった。
今回の撮影は、神奈川県小田原市にある古民家カフェ「nico cafe」でおこなった。歴史ある和風建物なので内部は薄暗く雰囲気がある。そんな低照度下でも、Xperia 1 IIIは確実に被写体を捉えた。
なお、本機の手ブレ補正機能は優秀で、安心して2つの望遠系の焦点距離(70mm相当、105mm相当)を楽しむことができるだろう。作例でも手ブレ補正がしっかりと機能して、シャープな像が得られているのがわかる。
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動く被写体を的確に捉える
「α」といえば高速なオートフォーカスと連写だが、その性能はしっかりとXperia 1 IIIにも継承され、動体撮影が高い次元で可能になっている。
特に「リアルタイムトラッキング」は圧巻だ。動き回るモデルを確実にフォローし続けて、しかも毎秒20コマもの連写で顔および瞳を正確にフォーカシングするのである。これはもう”α”なのではないか、と思ってしまうほど。撮りたい被写体をタップするだけで追尾が始まり、モデルが顔を動かすのに合わせてフォーカスエリアが顔→瞳へと変化するのがわかる。スマートフォンで動体をこれだけ確実に捉えられる機種は他に存在しないだろう。
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シネマライクな4K動画作品も
いまどきの高性能スマートフォンらしく、動画機能も優れている。
例えば4K HDR動画。ソニーの映画制作で使われている「CineAlta」で培った「Look」を適用したり、シネマティックな24fpsでの撮影や、「CineAlta」準拠インターフェースでの収録が可能で、映画仕込みの表現力を楽しめる。
緑の中で踊るモデルを「Cinema Pro」で撮った。21:9のシネマティックなフレームはシアターで映画を鑑賞しているかのような雰囲気を出すことが可能だ。撮影は画角、ISO感度、シャッター速度などを自分で設定し、本当に映画を撮影するかのようなような気分にさせてくれる。
4K HDRの10bit記録により、リッチなグラデーションと色合いの表現が行える。また、撮影者がカラーグレーディングで自分なりの画作りを追い込んで楽しむことも可能だ。120fpsでの記録にも対応し、スローモーションを取り入れた作品にも挑戦できる。
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まとめ
Xperia 1 IIIをしばらくの間使ってみたが、その撮影機能の先進性に感心したし、何よりも「AFをはじめとした撮影に関するレスポンスが速い」という印象を持った。まるで「α」がスマートフォンになったかのようだ。
「可変式望遠レンズ」、「瞳AF」の正確性はポートレート撮影の質向上と撮影の楽しさを増してくれたし、「リアルタイムトラッキング」と「AF/AE追従20コマ連写」により、決定的瞬間を鮮明に収めることができた。
また「CineAlta」譲りのムービー撮影も映画品質の「Look」とHDRの鮮やかさを楽しめた。
このようにジャンルを問わず「Xperia 1 III」はフォトグラファーの撮影領域を大幅に広げてくれるスマートフォンだということを実感した。このスゴさは日ごろから写真撮影を楽しんでいるフォトグラファーなら共感してくれるだろう。
「α」のパートナーとして、日常の「カメラ」として、「写真画質」を求める人に、Xperia 1 IIIはよき選択肢となるのではないだろうか。
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追加情報
Xperia 1 IIIと同じく5Gに対応した最新モデルであり、手に馴染みやすい小型軽量サイズのスタンダードモデルが「Xperia 10 III」。21:9の美しい有機ELディスプレイや、16mm相当/27mm相当/54mm相当のトリプルレンズカメラ、犬や猫を認識すると自動でシャッター速度とISO感度を調整する「ペット」モードなど、高機能をカジュアルに使いこなせる機能を搭載している。
同じくXpriaのラインナップから、約5.5インチディスプレイを採用したコンパクト&シンプルモデルが登場。長寿命3年を誇る4,500mAhの大容量バッテリーを搭載。文字やアイコンを大きく表示する「かんたんホーム」を利用できるなど、日常での使い勝手にフォーカスしたベーシックモデルだ。
YouTubeやInstagramで話題のクリエイターDINさんが、ソニーカメラ企画担当者と対談。Xperiaのカメラのこだわりをはじめ、その魅力を発信するプログラムが8月9日にライブ配信される。
制作協力:ソニーマーケティング株式会社
撮影協力:nico cafe
モデル:大熊花名実 / 東宮綾音
ヘアメイク:齊藤沙織