特別企画
自宅で手軽にライティング!「Profoto C1 Plus」を使った花・雑貨フォトを紹介
2020年7月29日 07:00
このご時世、外出を控えて自宅で写真撮影をする方も増えているのではないだろうか。今回は自宅での写真をもっと楽しむため、「Profoto C1 Plus」を使った撮影テクニックを紹介する。光をうまくコントロールできるようになると、写真は格段にうまくなる。
家で何を撮れば良いのかと、悩む人もいるだろう。探してみると、いろいろな被写体が見つかるはずだ。被写体に合わせて光を当てれば、今までとは違った表現が楽しめる。光はただあてるのではなく、効果的にあてることが大切。「Profoto C1 Plus」は手のひらにおさまるサイズだから、片手に持って光の位置や角度を自由自在に調整できる。この自由度が最大の魅力だ。まずは自宅で撮れるテーブルフォトで、じっくり光と向き合ってみよう。
今回は筆者のアトリエにて、天井の地明かり+「Profoto C1 Plus」で撮影。「Profoto C1 Plus」本体で光量の調節をし、カラーフィルター、グリッドなどのライトシェーピングツールを使って撮影した。
ちなみに「Profoto C1 Plus」は「Profoto Connect」や「Profoto Air Remote TTL」を使用すればレンズ交換式カメラと連携でき、フラッシュの同期や出力を調整できる。今回は主に本体とライトシェーピングツールのみで作品を撮影しており、最後の作例のみカメラと接続して使用してみた。「Profoto C1 Plus」の使い勝手を理解いただけたら幸いだ。
Profoto C1 Plusとは
スタジオ用の大型ストロボや各種モノブロックストロボなどで有名なProfotoが発売するスマートフォン用ライティング製品。高演色性のLEDライトを搭載することで「光の質」にこだわったアイテムだ。
シンプルな下位モデル「Profoto C1」に対して上位モデルの「Profoto C1 Plus」は、「Profoto Connect」や「Profoto AirRemote TTL」を利用することで、デジタルカメラから操作が可能になる。
本体前面にはマグネットで専用アクセサリー(ライトシェーピングツール)を取り付け可能。グリッド、色効果フィルター、CTOフィルターがラインナップしている。
サイド光でドラマチックな花写真
花を一輪用意し、背景として30cmほど離れたところに黒いボードを置いた。距離が近すぎると、花にあてたライトが影響するので距離は調整しよう。
今回は右サイドから光を直接あてている。サイド光は明暗がはっきりしたメリハリのある描写になるため、ドラマチックな花写真が楽しめる。左側は壁の反射を抑えるため、ここにも黒いボードを立てて影の部分を締めるようした。
ライトの角度を少し変えるだけで、印象は大きく変わる。微調整をしながらベストな場所を探してみよう。色温度は地明かりの電球色に合わせてホワイトバランスを調整し、ライトはそのままで撮影した。
花を撮影した例をもうひとつ。順光にすると影の部分が明るくなり、色が出やすくなる。「Profoto C1 Plus」の前面に取り付けられる別売の色効果フィルター「Clic Gel Rose Pink」を装着することで、被写体の影に色をつけてみた。
逆光を使った雑貨フォト
今度は自宅にあったブローチ、イヤリング、小さな鏡をつかって画面を構成。背景にはセメント壁のような模様の壁紙を使っている。
小物を撮影する際に、イメージしている以上に光が回ってしまうことがある。ライトを近づければ光のあたる範囲は狭くなるが、近づけすぎるとライトがフレーム内に入ってしまう。ここではスポット光をつくるため、光の拡散を防ぐ「Click Grid 20°」を前面に装着、鏡の枠の金属が光るように右側から逆光の光をあてた。
スポット光をあてることで、左右の見え方に変化をつけている。地明かりに色をあわせるため、「Clic Gel Full CTO」をつけて撮影した。
半逆光でスイーツを美味しそうに
スイーツを撮る場合は、半逆光といわれる斜め上から光をあてることで、自然なツヤを入れることができ、美味しさアップの写真が撮れる。
ただし半逆光をあてると、被写体の前面に光があたらず暗くなりがちだ。そこで今回は被写体の前に銀のレフ板を置くことで、前からの光を補っている。銀のレフ板はアルミホイルでも代用できる。自然な見え方になるよう、ライトの位置と光量も調整しよう。
半逆光の光によって果物のみずみずしさ、クリームのツヤ、シュガーパウダーの白さが強調されているのがわかるはずだ。こういった被写体は暖色系の方が美味しく見える。ここではクリームの白さをいかすため、地明かりのアンバーよりも控えめな「Clic Gel Half CTO」を「Profoto C1 Plus」に装着している。
バウンス光を使ってふんわり写真
バウンス光とは反射光のこと。影の少ない柔らかい写真を撮りたい時は、バウンス光を試してみよう。
ここではタオルなどのバスグッズを撮影。天井からの地明かりをいかし、カメラの下に白いレフ板を置き、そこに光をバウンスさせている。こうすることで、地明かりによってできた影を明るくすることができるのだ。
清潔感を強調したかったので、「Profoto C1 Plus」にはフィルター類をつけずそのままの色温度を活かした。影が薄くなることで立体感は乏しくなるが、イメージ通りのふんわりとした雰囲気になっている。
フラッシュで透過光を演出
グラスにはいった飲み物など、透明感がでないと思ったことはないだろうか。透明なものは逆光で撮影するとよい。
「Profoto C1 Plus」の内蔵LEDは定常光のほかに、フラッシュ(瞬間光)を発光させる機能がある。LEDがつきっぱなしの定常光に対し、フラッシュでは瞬間的に光らせることができ、フラッシュの方が明るさが強い。ここではフラッシュを使い、背景の壁にバウンスをさせて逆光を作り出した。
定常光ではなくフラッシュで使いたい場合、デジタルカメラのシャッターボタンを押すと「Profoto C1 Plus」のフラッシュが光るようにしたい。そこでこの作品の撮影では、デジタルカメラから「Profoto C1 Plus」を無線で制御できる「Profoto Connect」を使用してみた。
「Profoto Connect」をカメラのホットシューに装着して「Profoto C1 Plus」とは無線で接続。カメラの設定内ではワイヤレスフラッシュを入にしておこう。また透明のグラスの輪郭を強調するため、「Profoto C1 Plus」を置いた左側に黒いボードを立てている。今回は三脚を使用しているが、室内でも手持ちでの撮影が可能だ。
「Profoto C1 Plus」の調整は、スマホアプリの「Profoto Camera」でおこなえる。設定できる項目は光量、色温度など。カメラの位置で操作ができるから、カメラの背面モニターなどで確認しながら微調整をおこないやすい。
定常光とフラッシュの違いは光量だけでなく、ハイライトとシャドウの差が大きい硬い光になる。そのためアイスティーや氷といった被写体の透明感や質感が、美しく表現できた。
光の位置で写真が変わる!
「Profoto C1 Plus」を使用することで、被写体の魅力を引き出すアクセントだけでなく、このライト1灯でもさまざまな表現が可能になる。
ポイントは光を見極めること。ストロボが発する瞬間光と違い、「Profoto C1 Plus」が採用するLEDはしっかりと確認ができる定常光。まずは光を見ることからスタートしよう。位置と角度・光の強さ・光のあたる範囲・色など、工夫すべき点はたくさんあるが、それだけに無限の可能性を秘めている。
ライト以外では、被写体の大きさにあわせたレフ板があるとよい。被写体の影を明るくするならば白か銀のレフ板、影を強調し暗くするならば黒の板などを用意しておこう。
今回使用した「Profoto C1 Plus」と下位モデルの「Profoto C1」は、どちらもスマートフォン用スタジオライトという位置付けだが、ライティング機材としてレンズ交換式カメラでも十分楽しめた。
小さな被写体は光の位置を少し変えるだけでも、見え方が違ってくる。今回は地明かりにアクセントとして光を足しているが、この光もイメージを大きく左右する。「Profoto C1 Plus」は片手で持てるサイズ・重さなので、自由に動かしながらベストな光の位置を探ることができる。この機動性が最大の魅力だ。光を動かしながら新たな発見もある。スタンドや三脚を使わず手で持って使用できるため、撮影のスペースも少なくて済む。
また別売のライトシェーピングツールが使えることで、ひとつの被写体を何通りにも表現できた。
とにかく軽量、コンパクトなので、室内に限らず外へ持ち出しての撮影にも利用できる。今までとは違った写真が撮れる期待にワクワクできるライトだ。