SHIN “7” RULE——EOS R7の魅力を7人の写真家が探る
第4回:奥川浩彦[モータースポーツ]
これまでの撮り方を変える「乗り物優先AF」の威力
2022年8月20日 07:00
話題の新製品「EOS R7」の使いこなしについて、7名の写真家が解説する「SHIN “7” RULE」。
4回目となる今回は、学生時代から長年キヤノン一筋でモータースポーツを撮影してきた奥川浩彦さんが登場。Car Watchのモータースポーツ取材をはじめマルチに活躍する奥川さんがEOS R7に抱いた印象とは……
1961年、名古屋生まれ。パソコン周辺機器メーカーのメルコ(現:バッファロー)で広報担当、2001年イーレッツの設立に参加。2006年、iPRを設立し広報業とライター業で独立。写真を始めたのは学生時代にモータースポーツを撮りたかったから。キヤノンモータースポーツ写真展3年連続入選。F1日本グランプリ(鈴鹿・富士)は87年から皆勤賞。デジカメ Watch創刊の頃はEOS 20DやIXYなどのレビューを担当。現在はCar Watchのモータースポーツ取材を担当中。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2022年9月号』より転載・再構成したものです。
乗り物優先による追尾撮影は従来の撮影スタイルを一新する
普段はEOS 7D Mark IIでレース写真を撮っているが、サーキットではほとんどは1点 AFを使用している。動く被写体の狙った位置にAFポイントを追従させるのは容易ではない。
EOS R7の乗り物優先によるトラッキング(追従)は、従来の撮影方法とは別世界だ。レンズを振りながらマシンをフレーム入れるとスッとヘルメットにAFポイントが移動するのは不思議な感覚。
スタート直後の先頭争いではマシンがコースを変えるのでギリギリまで1点AFポイントをマシンに追従させて撮影していた。トラッキングを使用すると先頭のマシンを1点AFでキャッチすれば、その後はマシンが右に左にラインを変えても追従してくれる。
今までのモータースポーツ撮影とは全く違う新しい感覚の撮影スタイルとなる。
テクニック:電子シャッターでの流し撮りは背景選びがポイント
流し撮りをする際、電子シャッターにするとメカシャッターや従来の一眼レフよりもファインダー内が見やすく、マシンを追いやすい。
ただ、電子シャッターにするとローリングシャッターゆがみが発生する。背景に垂直に立つ建造物などがあるとゆがみが気になる場合があるので、 芝生やガードレールなど形が分からないものを選ぶようにしよう。