SHIN “7” RULE——EOS R7の魅力を7人の写真家が探る

第4回:奥川浩彦[モータースポーツ]

これまでの撮り方を変える「乗り物優先AF」の威力

フォーミュラカーが画面いっぱいまで近づいて来た瞬間。ヘルメッ トを認識するとAF点がサッと移動して確実に捉えた
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/300mm(480mm相当)/シャッター優先AE(F8、1/320秒、-0.3EV)/ ISO 100/WB:オート

話題の新製品「EOS R7」の使いこなしについて、7名の写真家が解説する「SHIN “7” RULE」。

4回目となる今回は、学生時代から長年キヤノン一筋でモータースポーツを撮影してきた奥川浩彦さんが登場。Car Watchのモータースポーツ取材をはじめマルチに活躍する奥川さんがEOS R7に抱いた印象とは……

奥川浩彦

1961年、名古屋生まれ。パソコン周辺機器メーカーのメルコ(現:バッファロー)で広報担当、2001年イーレッツの設立に参加。2006年、iPRを設立し広報業とライター業で独立。写真を始めたのは学生時代にモータースポーツを撮りたかったから。キヤノンモータースポーツ写真展3年連続入選。F1日本グランプリ(鈴鹿・富士)は87年から皆勤賞。デジカメ Watch創刊の頃はEOS 20DやIXYなどのレビューを担当。現在はCar Watchのモータースポーツ取材を担当中。

EOS R7


SPECIFICATION

撮像素子:CMOSセンサー
有効画素数:約3,250万画素
記録画素数:6,960×4,640画素
記録媒体:SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II、UHS-I対応)
レンズマウント:キヤノンRFマウント
有効撮影画角:レンズ表記焦点距離の約1.6倍に相当
EVF:0.39型、約236万ドット、約1.15倍
アイポイント:約22mm
AFエリア:スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、全AF、フレキシブルゾーンAF(AF1、AF2、AF3)
自動選択時AFエリア分割数:最大651分割
被写体検出:人物/動物/乗り物
測光輝度範囲:EV-2~20(静止画撮影)
ISO感度(常用):100~32000
最高シャッター速度:メカ/電子先幕1/8,000秒、電子1/16,000秒
最高連続撮影枚数:メカ/電子先幕15コマ/秒、電子30コマ/秒
連続撮影可能枚数:RAW約46枚、JPEG約184枚
手ブレ補正:8段(協調)
動画記録サイズ:4K UHD Fine(30P)、4K UHD(60P)、4K UHDクロップ(60P)、フルHD
背面モニター:3.0型、約162万ドット
撮影可能枚数:約380枚(EVF、なめらかさ優先)
大きさ(W×H×D):約132.0×90.4×91.7mm
重量:約612g(バッテリー、カードを含む)

※本企画は『デジタルカメラマガジン2022年9月号』より転載・再構成したものです。


乗り物優先による追尾撮影は従来の撮影スタイルを一新する

【PICKUP】
乗り物優先AF
フォーミュラカーはヘルメットを認識するとAFポイントが形を変えて移動する

普段はEOS 7D Mark IIでレース写真を撮っているが、サーキットではほとんどは1点 AFを使用している。動く被写体の狙った位置にAFポイントを追従させるのは容易ではない。

EOS R7の乗り物優先によるトラッキング(追従)は、従来の撮影方法とは別世界だ。レンズを振りながらマシンをフレーム入れるとスッとヘルメットにAFポイントが移動するのは不思議な感覚。

スタート直後の先頭争いではマシンがコースを変えるのでギリギリまで1点AFポイントをマシンに追従させて撮影していた。トラッキングを使用すると先頭のマシンを1点AFでキャッチすれば、その後はマシンが右に左にラインを変えても追従してくれる。

今までのモータースポーツ撮影とは全く違う新しい感覚の撮影スタイルとなる。

テクニック:電子シャッターでの流し撮りは背景選びがポイント

RF24-105mm F4 L IS USM/105mm(168mm相当)/シャッター優先AE(F11、1/80秒、-0.3EV)/ISO 100/WB:オート

流し撮りをする際、電子シャッターにするとメカシャッターや従来の一眼レフよりもファインダー内が見やすく、マシンを追いやすい。

ただ、電子シャッターにするとローリングシャッターゆがみが発生する。背景に垂直に立つ建造物などがあるとゆがみが気になる場合があるので、 芝生やガードレールなど形が分からないものを選ぶようにしよう。

色や形がはっきりしているものだとゆがみが目立つ

EOS R7|SHIN “7 ” RULEギャラリー

RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/363mm(580mm相当)/シャッター優先AE(F9、1/500秒、-0.3EV)/ISO 100/WB:オート
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/400mm(640mm相当)/シャッター優先AE(F6.3、1/400秒、-0.3EV)/ISO 125/WB:オート
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/270mm(432mm相当)/シャッター優先AE(F5.6、1/500秒、-0.3EV)/ISO 160/WB:オート

制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

奥川浩彦