SHIN “7” RULE——EOS R7の魅力を7人の写真家が探る

第1回:チャーリィ古庄[飛行機]

上位機並みのAF性能 高感度にも強くコストパフォーマンスに優れた1台

RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/300mm(480mm相当)/マニュアル露出 (F5.6、1/25秒)/ISO 12800/WB:オート

話題のミラーレスカメラ「EOS R7」の使いこなしについて、7名の写真家が解説する「SHIN “7” RULE」。

第1回に登場するのは航空写真家として著名なチャーリィ古庄さんです。

チャーリィ古庄

1972年東京生まれ、旅客機専門の航空写真家。世界の航空会社や空港からのオーダーを受けこれまで100を超える国や地域に訪れ撮影。訪れた空港は世界500か所以上。世界で最も多くの航空会社に搭乗した「ギネス世界記録」を持つ。旅客機関連の著書、写真集は30冊を超え、サミット(主要国首脳会議)などのVIP機公式記録カメラマンを務める。パイロットライセンスを所持し、空撮用のヘリコプターも所有。キヤノンEOS学園講師、吉本興業文化人所属

EOS R7


SPECIFICATION

撮像素子:CMOSセンサー
有効画素数:約3,250万画素
記録画素数:6,960×4,640画素
記録媒体:SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II、UHS-I対応)
レンズマウント:キヤノンRFマウント
有効撮影画角:レンズ表記焦点距離の約1.6倍に相当
EVF:0.39型、約236万ドット、約1.15倍
アイポイント:約22mm
AFエリア:スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、全AF、フレキシブルゾーンAF(AF1、AF2、AF3)
自動選択時AFエリア分割数:最大651分割
被写体検出:人物/動物/乗り物
測光輝度範囲:EV-2~20(静止画撮影)
ISO感度(常用):100~32000
最高シャッター速度:メカ/電子先幕1/8,000秒、電子1/16,000秒
最高連続撮影枚数:メカ/電子先幕15コマ/秒、電子30コマ/秒
連続撮影可能枚数:RAW約46枚、JPEG約184枚
手ブレ補正:8段(協調)
動画記録サイズ:4K UHD Fine(30P)、4K UHD(60P)、4K UHDクロップ(60P)、フルHD
背面モニター:3.0型、約162万ドット
撮影可能枚数:約380枚(EVF、なめらかさ優先)
大きさ(W×H×D):約132.0×90.4×91.7mm
重量:約612g(バッテリー、カードを含む)

※本企画は『デジタルカメラマガジン2022年8月号』より転載・再構成したものです。


EOS R3と同じくらい飛行機が撮りやすいコスパ最強カメラ

最初は不思議な感じがしたが、 撮影していればこの位置にサブ電子ダイヤルがあるのは慣れてくる。EVF をのぞきながら操作できるのでかなり便利だ

EOS R7のピント精度は普段仕事で使っているEOS R3とほぼ変わらないくらい優秀に感じた。

飛行機を狙う場合、被写体検出を「動物優先」にして撮っている。離陸機はコクピットにしっかりとピントを合わせて追従するし、機体が横になるとエンジンにピントが合うので、真横の全景写真も問題なく狙うことができる。

AFに関しては、コントラストが低いときや逆光でたまにピントが外れることがあった程度で、それ以外のシーンではEOS R3とほとんど差を感じなかった。それでいてEOS R3の1/4の価格なので実にコストパフォーマンスが良いといえる。

正直、APS-C機ということで高感度についてはあまり期待していなかったが、撮ってみると結構いけることに驚いた。状況にもよるがISO 25600でもA4サイズ以上で使える。RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMをつければ160-800mm相当の焦点距離となり、飛行機撮影においてはまさに無敵だ。

というわけで、非常に気に入ったので、今はEOS R7を購入してバリバリ仕事で使用している。

テクニック① 飛び込んでくる飛行機は待ち構えて被写体追尾で対応する

RF24-105mm F4 L IS USM/24mm(38mm相当)/マニュアル露出(F8、1/1,000秒)/ISO 320/WB:オート

木と木の間に機体を入れて撮りたいと考え、AFエリアをフレキシブルゾーンAF1 に設定して、機体が来ると思われる場所にAFポイントを置いて待つ。あとは機体が来てシャッターボタンを半押しすれば AFがしっかりと機体を追尾してくれる。

すべてのAFエリアで被写体追尾可能になったからこそできる撮影だ。

被写体追尾(トラッキング)をする(ON)にしておく
飛行機が見えたら半押しする

テクニック② 流し撮りをするときはEVFのフレームレートを上げる

EF70-200mm F2.8L IS III USM/200mm(320mm相当)/マニュアル露出(F5、1/40秒)/ISO 16000/WB:太陽光

EVFの見え方、特に動きものに対してのタイムラグはEOS R5やR6よりEOS R7の方が上だと感じた。EOS R5では難しかった流し撮りがしやすく、成功率も上がった。パンしたときのEVFの表示も滑らかで追いかけやすい。

領域拡大AFを使い、手持ちで離陸機を狙うとぶれずに成功率の高い流し撮りができる。

表示が120fpsになる「なめらかさ優先」を選ぶ
使用機材(RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM)

テクニック③ 頻繁に変えるAF機能は押しやすいボタンに割り当てる

EOS R7 は EVF をのぞいたまま操作することを想定している。頻繁に変更する機能はEVFをのぞいたままでも自然に手が届くボタンに配置する。

特にAFモードは飛行機が止まっている駐機状態から、動き出すときによく切り替えるのでAF-ONボタンに配置している。

絞り込みボタンに「ISOボタン」を割り当てることで、EVFをのぞいていても瞬時にISO感度が変更できる
AF-ONボタンに「ワンショットAF ⇔サーボAF」を割り当てると飛行機の動きに合わせてAFモードをすぐに切り替えられる

SHIN “7” RULE ギャラリー

カメラを頭上に振り上げると直ちにフォーカスが合いしっかりと追従してくれる(チャーリィ古庄)
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/100mm(160mm相当)/マニュアル露出 (F7、1/1,250秒)/ISO 500/WB:オート
サーボAFの追従性能は信頼できるのでフレーミングと画角に集中できるのがこの機種の魅力
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/100mm(160mm相当)/マニュアル露出(F7、1/1,250秒)/ISO 500/WB:オート
フレキシブルゾーンAF1で縦位置に構えるとすぐにコックピット付近にAFが合ってくれた(チャーリィ古庄)
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/254mm(406mm相当)/マニュアル露出 (F6.3、1/800秒)/ISO 800/WB:オート

制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

チャーリィ古庄