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キヤノンEOS R7

RFマウントのAPS-C最上位機 EOS R10と比較も

キヤノンが5月24日に発表し、6月下旬に発売するミラーレスカメラ「EOS R7」の外観を中心に掲載する。同時発表の「EOS R10」およびRF-Sレンズ2本の外観も追ってお届けする予定だ。

EOS R7は、フルサイズミラーレス用として登場したRFマウントに初めて加わるAPS-Cセンサー機。新開発のAPS-Cサイズ・有効約3,250万画素CMOSセンサーを搭載し、APS-C EOS史上最高解像性能とアピールしている。

特徴としては、メカシャッター(電子先幕)で最高約15コマ/秒の連写が可能なほか、電子シャッター撮影や、RAW記録に限定することで0.5秒のプリ連写を可能とする「RAWバーストモード」などを搭載。EOS R3のアルゴリズムを継承したAF機能や4K動画記録も利用できる。

外観での大きな特徴として挙げられるのは、ファインダー接眼部の右横に備わる“新しいサブ電子ダイヤル”だ。キヤノンEOS伝統のサブ電子ダイヤルに、近年採用が広がるマルチセレクター(スティック状のデバイス)を組み合わせたような形状。ファインダーを覗いたまま操作しやすいことを意図したデザインとしている。

長く使うカメラのUIに関して、ごく短時間のハンズオンで良し悪しを論じるのは難しい。しかし第一印象としては、親指で円を描くようにグルグル回すより、ダイヤルの右側を小刻みに上下に回すほうが、マルチセレクターの表面(ダイヤルの回転には連動しない)と指の腹が摩擦することもなくスムーズなように感じた。

人によっては「再生時はカメラを持ち替えるから、親指が届きづらいのでは?」や「ファインダーを左目で覗く人はどうするのか?」といった疑問もあった。どうしても馴染めない人は仕方ないとして、ダイヤル自体の回転(クリック)の感触はハッキリしており、実際に買って使う人であれば、撮影しているうちに馴染むだろう。新しい操作性とは言っても、基本的には“ダイヤルとスティック”だから、まずは身構えずに試してみてほしい。

ちなみに、EOS R10はサブ電子ダイヤル(右肩・横回転)とマルチセレクター(ファインダー接眼部の右横)が分離している。

新しいサブ電子ダイヤル。EOS R7だけの特徴
マルチセレクターの突出量はこれぐらい
参考:EOS R10(右)はサブ電子ダイヤルを右肩に配置
サブ電子ダイヤルのカスタマイズ
天面右手側に「LOCK」ボタン
LOCKボタンを押すと、一部操作系がロックされる。もう一度押すと解除

グリップとマウント部の間には「フォーカスモードスイッチ」が備わる。いわゆるAF/MFレバーだが、グリップを握った右手の薬指でそのまま操作できるよう移設した点に見識が光る。中央は絞り込みボタン。

近年のキヤノン交換レンズでは、MF時にのみ最短撮影距離の制限を緩めて、周辺画質に多少目をつぶってマクロ撮影を楽しむ「センターフォーカスマクロ」が用意されているものがある。現状のRF-Sレンズ2本はいずれも鏡筒にAF/MFスイッチを備えていないが、カメラボディ側に扱いやすいフォーカスモードスイッチがあることで、各レンズの造りをシンプル(=ひいては、お安く)しつつ、撮影時の利便性は落とさないというトータル的なデザイン思想が見える。

フォーカスモードスイッチ。中央は絞り込みボタン
多くの機能の中から任意のものを割り当てられる
EOS R3から採用されているマルチアクセサリーシュー。左は「指向性ステレオマイクロホン DM-E1D」
奥に電子接点があるため、シューカバーが一般的なものより長い
SDデュアルスロット。これもEOS R7のみのポイント
側面端子部
バリアングル式モニターを搭載。EOS R10も同様
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
RF100-400mm F5.6-8 IS USM

EOS R10(右)との比較

動画もやってます(デジカメ Watch Channel。8分10秒)
本誌:鈴木誠