新製品レビュー
“高機能”レンズ一体型カメラ特集:リコー GR IV
ブレないコンセプトとスナップ撮影への高い適性
2026年1月5日 12:00
「最強のスナップシューター」をうたうシリーズコンセプトを踏襲しつつ、2025年9月に発売されたのが「RICOH GR IV」。前モデル「GR III」からフルモデルチェンジを果たし、そのコンセプトに磨きをかけた。
このシリーズは新モデルに限らず断続的な品薄状態にあり、軽快なレンズ一体型カメラがいかに求められているかを示してくれる。「GR IV」がどう進化したのか、あるいは何を大切に守っているのかを見ていこう。
外観・仕様・装備
外形寸法は約109.4×61.1×32.7mm、質量は約262g(カード、バッテリー含む)。APS-Cサイズのセンサーを搭載しているとは思えないほどの、コンパクトで軽快なサイズ感こそが、本シリーズ最大の特長だ。それは、フィルムカメラとは思えないほどのコンパクトなデザインで一世をふうびした、1996年10月発売の「GR1」から連綿と受け継がれている。
レンズは焦点距離18.3mm(35mm判換算で約28mm相当)、開放絞り値F2.8のGRレンズだ。この新開発レンズに合わせて、有効約2,574万画素の裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジンGR ENGINE 7を採用。どちらも前モデルから刷新されており、画質向上に対する意気込みが感じられる。また、ボディ内手ブレ補正も進化し、前モデルの3軸・最大4段から、5軸・最大6段へと向上した。
液晶モニターは約103.7万ドットの固定式で、前モデルから変更はない。
操作系も基本的に大きな変更は加えられていないが、右肩付近に「露出補正ボタン」が装備されたことで、前モデルから露出補正の操作がしやすくなっている。
対応メモリーカードはmicroSDカード(UHS-I対応)となっている。これは、本体内蔵メモリーが前モデルの約2GBから約53GBへと大幅に増加したことによるものだろう。通常の撮影であれば内蔵メモリーで十分だが、それでも容量が足りない場合に備え、予備としてmicroSDカードを活用したい。
電源をOFFにするとレンズがボディ内に収納され、保護のためのレンズバリアが閉じる。レンズを収納すれば、まさにポケットに収まる薄さとなる。このスリムなボディこそGRシリーズらしさを体現したものだ。
作例
光学系・撮像センサー・画像処理エンジンのすべてを刷新したというだけあり、画質は良好だ。画面周辺部に至るまで像が破綻することはなく、隅々まで高い解像感が得られている。新時代のGRに相応しいクオリティを達成している。
最短撮影距離は、レンズ先端から通常モードで約0.1m~無限大となっており、さらにマクロモードに設定すれば約0.06~0.15mの近接撮影が可能になる。実際にレンズ先端を被写体まで6cmに近づける機会があるかはともかく、撮影距離にとらわれず被写体へと寄れるのは強みといえるだろう。テーブルフォトやネイチャー撮影など、本モデルならではの性能を存分に生かしたい場面は多いはずだ。
GRシリーズといえば、豊富な色設定機能を備える「イメージコントロール」も魅力のひとつだ。その中から「ハイコントラスト白黒」を選択して撮影した。前述のマクロモードも合わせて活用している。温室育ちの植物ではあるが、硬質な階調表現と相まって、南国の植物が持つ荒々しい生命力を表現できたと感じている。
同じく「イメージコントロール」を「シネマ調(イエロー)」に設定して撮影した1枚。撮影中、この撮り手の意思が立ち上がるような画作りと、思い通りに応えてくれるカメラの自由度の高さこそが、GRというシリーズの類まれな存在価値なのだと、思わず熱くなってしまった。日常を自分の意志で、思った通りに切り撮っていける感覚は、まさに「最強のスナップシューター」と呼ぶにふさわしいものだろう。
まとめ
GRシリーズのユーザーが求めるのは「最強のスナップシューター」であり続けることだろう。その要望を愚直なまでに具現化したレンズ一体型カメラ、それが「GR IV」だと実感した。
多く存在するカメラのなかでも、スナップ撮影に対する即応性という点で、本モデルに並ぶものはなかなか見当たらない。それは90年代から受け継がれてきた、GRシリーズの基本コンセプトそのものだと思う。
レンズや撮像センサー、画像処理エンジンの進化といった技術的な話を抜きにしても、本モデルが現時点における「最強のスナップシューター」であることは、それほど的を外していないのではないだろうか。

















