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DJI Osmo Action 6
1.1型正方センサーを搭載 完成度を増したアクションカメラの雄
2025年11月19日 09:53
DJIのアクションカメラが、「Osmo Action 6」として大幅に進化。カメラ本体のほかに、バッテリー3個と急速充電ケース、1.5m延長ロッド、両方向クイックリリース式アダプターマウント2つなどがセットになったアドベンチャーコンボで試用した。
1,950mAhのバッテリーはOsmo 360とも共用でき、1080pで4時間程度の撮影が可能だ。アドベンチャーコンボにはバッテリーが3個付属しており、急速充電にも対応しているので旅行などでも安心だ。
本体には50GBのストレージを内蔵しているので、microSDメモリーカード不要ですぐに撮影を開始できる。
レシーバー無しでDJIマイクシリーズを2台までBluetooth接続できるのはDJIのカメラならもうおなじみ。
都会の雑踏での自撮りVlogや展示会レポート、対談撮影などにも重宝する。
大きく進化したのは「1/1.1インチセンサー」と「可変絞り」だ。これらにより、表現の幅が大きく広がった。
縦動画にも有効な1/1.1インチ正方形センサー
イメージセンサーはOsmo 360と同じ1/1.1インチ正方形CMOS。ネイティブ4Kで最高120fpsの動画撮影が可能となっている。9月発売の「Osmo Action 5 Pro」は、1/1.3型を搭載していた。
延長ロッドに装着して歩いて撮影してみたが、強力な手ブレ補正で歩きながらやジョギング程度の移動でも安定した映像を記録できた。
手ブレ補正モードをHorizonBalancingにセットすると、傾きを±45°まで補正して映像の水平を維持してくれる。
多くの場合はこのモードで撮影すると良いだろうが、1人称視点でより迫力のある撮影をしたい場合はRockSteadyの超広角が効果的だろう。
クイックリリースマウントはOsmo 360やOsmo Nanoと同デザインなので、アクセサリー類を共用できるのが嬉しい。
今回はDJI純正のヘッドマウント、Osmo Nanoのチェストマウント、サードパーティー製の車載マウントなどを試してみた。
マウントは装着しっぱなしで、シーンに応じてカメラを簡単に付け替えられるのはとても便利だ。
この1/1.1インチ正方形センサーはOsmo 360の360°撮影に最適化されたものと謳われていたが、アクションカメラに搭載することで表現の幅が大きく広がった。
例えば従来の4:3センサーでは、縦動画の4K記録にはカメラを90°回転させる必要があったが、いつもの撮影のまま縦でも横でも4Kで記録できる。
さらに新しく搭載された「4Kカスタムモード」を選択すると、見慣れない面白い画角で記録される。
この映像から通常の16:9の横長サイズや、ショート動画などの9:16の縦長サイズを4Kフル解像度で切り出せるというわけだ。
1つの素材で長尺用とショート用の両方に使えるので、撮影の手間も機材も簡略化できる。
HorizonSteadyにモードを設定すると、4K解像度でも360°の水平維持機能が使える。これも正方形センサーの恩恵だ。
アクションカメラ初の可変絞り機構
もうひとつの大きな特長が、アクションカメラでありながら可変絞りが搭載されたこと。
実際に6枚の絞り羽根が内蔵されており、明るさに応じて自動で絞りを調節して鮮明でシャープな映像を描写できる。
さらにマニュアル調節も可能なので、従来のアクションカメラでは難しかった表現にも挑戦可能だ。
比較的大型のイメージセンサーと開放F2のレンズで低照度撮影にも強いが、さらにスーパーナイトモードを利用することで、暗い夜でも明るく撮影できる。
通常の夜間撮影では絞りは開放付近で撮影することが多いが、このスーパーナイトモードでF4に絞った映像が面白い。
6枚羽根の絞りということで、キレイな6本の光芒が表現できるのだ。
可変絞りは写真でも使用できるので、アクションカメラの活躍の場が大きく広がりそうだ。
工場夜景やイルミネーションの撮影に威力を発揮してくれるだろう。
撮影領域を広げる広角/マクロレンズ
今回はアクセサリーのレンズも試用してみた。
カメラのレンズフィルターを外して、FOVブーストレンズ/マクロレンズを装着できる。
FOVブーストレンズを装着すると画角が大きく広がる。
超広角の6mm相当の画角でも手ブレ補正が使えるので、広い視野を記録したいアクションシーンなどに有効だ。
マクロレンズにはフォーカスリングが搭載されている。無限遠から11cmまでの近接撮影に調節可能。
マクロレンズを装着すると絞りはF2固定となり、ペットや食べ物、花などをより近い距離で鮮明に映し出せる。
日常のVlog撮影にも最適だ。
ただしこれらのレンズを装着した際には、カスタムモードなど一部が使えなくなる機能があるので注意が必要だ。
その他多彩な装備・機能
スローモーションは4Kでも120fps(4X)で撮影できる。1080pでは240fps(8X)で撮影でき、編集でフレーム補間することにより960fps相当のスローダウン効果も表現可能だ。
タイムラプスやハイパーラプスといった特殊撮影にも対応しており、クロップ機能を利用してちょっとした被写体追従も可能。
2倍ロスレスズームで、4K画質を損なわずに2倍のズームが可能。遠くの被写体も鮮明に捉えられる。
またIP68等級の防水性能を備え、ケースなしでも最大20m、専用防水ケース使用時には最大60mまでの水中撮影ができる。
色温度センサーも搭載しているので、水中でも自然な色彩を再現できる。
これ1台で多くの場面で活躍してくれるだろう。
また10-bit D-Log M記録に対応し、ポストプロダクションでのカラーグレーディングの自由度も高い。
ドローンやハンドヘルドなど複数の異なるDJIデバイスで撮影する場合でも、色の一貫性を確保できる。
まとめ
本体には三脚ネジが搭載されていないが、クイックリリースマウントが付属してくるし、Osmo 360/Nanoとも共用できるのは嬉しい。
バッテリーもOsmo 360と共通だし、OsmoAudio対応のマイクを直接2台まで接続できる。自撮りレポートだけでなく対談の記録にも重宝するだろう。
進化を重ねてきたOsmo Actionシリーズということもあり、今回の撮影ではバッテリーの持ちや熱問題もほとんど気にならなかった。
そのうえで従来のアクションカメラから用途や利用シーンを広げる、大きな進化を遂げた新世代アクションカメラといえるかも知れない。
通常版となるスタンダードコンボは6万1,270円で、今回試用したアドベンチャーコンボは7万7,440円。
アクセサリー類も豊富なので、色々なシーンで活躍してくれそうだ。











