私はこれを買いました!

レンズの面白さを教えてくれた思い入れの1本

フォクトレンダー「NOKTON 35mm F1.2 Aspherical VM」(飯田ともき)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2021年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

レンジファインダーの響きに導かれて

みなさんは最初に買ったレンズを覚えていますか。私はVoigtländer(フォクトレンダー)の「NOKTON 50mm F1.5」(ライカスクリューマウント)です。標準は50mmだとどこを見ても書いていたので、一緒に買うボディに使える50mmということでこれを選びました。え?? じゃあボディは何?? 「BESSA-R」です。レンジファインダーっていう名前がかっこいいなと思って買いました。数年後「PENTAX LX」を入手し「一眼レフって……なんて便利なんだ……そりゃみんな一眼レフ使うよな……」と衝撃を受けました。

さらに数年後、24回ローンで「ライカM」(Typ 240)を入手し、死蔵されていたNOKTONが再稼働しました。次第に、防湿庫にNOKTON分が足りないなと思うようになりました。35mmはすでにCOLOR-SKOPARがありましたので先に「ULTRON 28mm F1.9 Aspherical」を入手しました。これはとても素晴らしいレンズです。しばらくはそれでやっていたのですが、やっぱり35mmが足りないなとなりました。35mmは別で持っていたはずですが、そんなのは時間の問題だったのです。

そんなこんなで、今年のはじめにフォクトレンダー「NOKTON 35mm F1.2 Aspherical VM」を入手しました。今はIII型が出ていますが、買ったのはI型です。ボディは2,400万画素のライカMか、アダプター経由でニコン「Z 50」です。Z 50だと狭いのですが、一眼レフのようなファインダーが「便利」なのでよく使います。画素ピッチが異なるのも理由のひとつ。

便利であるのは事実ですがフルフレーム用に作られたレンズは、フルフレームでよい感じになるようバランスされているので、感動できるのはライカMのほうです。像高にともなう画質の変化は写真レンズならではの楽しみ方です。4段絞り程度でもライカMの解像に追いつくような気がする(私調べ)ので、開放付近の性能も甘えている部分はないかなと。やわらかく出る線が、明るいところではにじみになってしまうのは最初ちょっと慣れませんでした。使っていくとほどよい質感を引き出せるようになったので、やはりレンズというものは面白いな……、と思いました。

ライカM / NOKTON 35mm F1.2 Aspherical VM / マニュアル露出(F1.2・1/1,000秒) / ISO 200

近況報告

髪型をタコボーイにしようと思うんですが、モヒカンを赤く染めてもトサカになるだけで上手くできなさそうなので躊躇しています。

2010年に漫画サークル「ていこくらんち」をはじめる。2015年に出した同人誌「カメラバカにつける薬」が、あれやこれやでデジカメ Watchで連載させていただくまでになりました。カメラだけじゃなく、その向こう側にいる人たちの想いを伝えていければいいなと思っています。連載は来週もあります!! コミケにも出ますのでよろしくどうぞ〜。