イベントレポート

【CP+2019】男の趣味空間に並ぶ「PENTAX KPカスタム」を見てきた

参考出品の「D FA★85mmF1.4」や発売直後のKマウント新レンズも

PENTAX KPカスタム(仮称)

リコーイメージングのブースより、リコーGRに続いて今度はペンタックスの話題をお届けする。

ブース内には予告通り「PENTAX KPカスタム(仮称)」が展示されていた。APS-Cデジタル一眼レフカメラをベースにしたもので、グリップ部が木製になり、トップカバーもオリジナル仕様となっている。マウント部には、腕時計の外装などに用いられるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングが施されている。

左は通常のマウント。右がDLCコーティングしたマウント。

事前の予告は1モデルだけだったが、いざブースを訪れると様々なバリエーションのKPカスタムが並んでいた。これは広報担当者も知らなかったそうで、ひょっとしたら企画担当の確信犯的な企てなのかもしれない。それでも結果的にオッケーとして展示しているところは、なんだか会社として素敵な感じがする。いかにも男の趣味、といった空間がそこには広がっていた。

テイストの全く異なる試作モデルが多数。
濃い味の趣味空間が広がっていた。何より担当者が楽しそうだ。

こうしたカスタムモデルの着想は、フィルムカメラに比べてライフサイクルが短いデジタルカメラでも、自分の個性や趣味を反映したカスタムモデルなら長く愛せるのではないかという考えにあった。外付けグリップには高級車のステアリングに用いられるウッド素材(9層のクリアを吹いたもの)を使ったり、ペンタックスLXのように自分で好きな形状に削れるウッドグリップも並んでいた。

これらのカスタムパーツ製作は専門の業者によるもので、通常なら仕事として受けてもらえないような少ロットにも関わらず「これは面白いから、やろう!」と引き受けてくれたそうだ。いかにも、趣味を知っている職人的なエピソードだ。このKPカスタムも、何らかの形で世に出ることを期待したい。

ブランドロゴのようなカードを作って配布していた。これにはリコーのロゴも、ペンタックスのロゴも記載されていない。
どうも不思議なホットシューカバーが付いているなと思ってKPカスタムを観察していると、実はペンタ部に別のパーツを被せて、特別なホットシューカバーを使って固定していたのだった。
ペンタ部の張り出しには「これ以上はダメ」という基準があるそうで(K-30が限界らしい)、それを突き抜けるために外付けパーツを作るアイデアが生まれた。
カメラ、腕時計、バイク……メカに満たされた空間。

ブースの表側に移動すると、35mmフルサイズ対応のKマウント交換レンズ「HD PENTAX-D FA★85mmF1.4(仮称)」の参考出品があった。デジタルカメラ向けに設計されたレンズで、発売時期などは未定。

HD PENTAX-D FA★85mmF1.4(仮称)

タッチ&トライコーナーには、2月22日に発売された「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW」が用意されていた。風景や星景写真の撮影時に使いやすいよう、フォーカス位置を固定する「CLAMP」スイッチが備わっている。

HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW
CLAMPスイッチ。フォーカスクランプ機構は、かつてペンタックスのマクロレンズに採用例がある。

同じく2月22日発売の「HD PENTAX-FA35mmF2」は、フィルム一眼レフカメラ用として発売された「smc PENTAX-FA35mmF2AL」に新しい外観デザインと反射防止のHDコーティングを与えたのが主な特徴。フィルム時代の基本設計を継承しているため、製品名のFAの前に"D"が付かない。光学系がそのままとはいえ、逆光などの厳しいシーンでは新コーティングによって写りに差が出るとのこと。

HD PENTAX-FA35mmF2
HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AWのカットモデルを見つけた。

本誌:鈴木誠