イベントレポート

【CP+】参考出品のフォクトレンダーレンズ3本をチェック

マクロアポランターに待望の中望遠 コシナブースで試写可能

参考展示の「NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM」をBESSA R3Mに装着。

コシナのブースには、開幕当日に予告された3本の参考出品レンズがあった。フォクトレンダーのソニーEマウント用が2本、ライカMマウント互換のVMマウントが1本。発売時期や価格はいずれも未定。

MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5 E-mount

昨年発売したMACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mountが評価を得て、さらに「マクロレンズならば中望遠が欲しい」との要望に応えて企画された。65mmはハーフマクロだったが、今回の110mmは等倍マクロに対応する。

焦点距離は125mmも検討したという。過去に「125mm F2.5」のスペックを持つ一眼レフ用がラインナップされていたためだが、ワーキングディスタンスを確保できる代わりに常用レンズを目指すと長すぎることもあり、バランスを取った。

マクロアポランターの125mm SLは生産終了後にブームとなり、発売当時の価格は10万円以下だったが、現在では中古市場で20万円前後の値を付けている。「いつまでも あると思うな コシナの新品」の意気込みで、よさそうと思ったら随時購入していきたい。

最短撮影距離にしたところ。
絞りリングがレンズの根元にある。

NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM

フォクトレンダーVMマウントの50mmは現在3本がラインナップされている。最も明るいものに「NOKTON 50mm F1.1」があるが、往年の超大口径レンズを想起させるサイズ感と描写は好評を得ているものの、好みの分かれるところだという。

そこに追加される本レンズは、ソニーE/VMマウントで新発売された「NOKTON 40mm F1.2 Aspherical」と同じテイストの描写が得られる、焦点距離違いのバリエーションモデルと考えるとわかりやすい。40mm F1.2は非球面レンズを使ったことで現代的なシャープさも持ちつつ、ボケた背景も渦を巻いたりしないような、モダンできれいめな描写が持ち味。それが50mmの画角でも得られるとなれば、50mmのブライトフレームで撮りたい人にはピッタリだろう。

参考:NOKTON 40mm F1.2 Aspherical(VM)。2枚の両面非球面レンズが入っている。

鏡筒はピントリングの山が若干深めで新鮮な触り心地。レンズフードは50mmレンズらしい深めのデザインとした新タイプ(本稿1枚目の写真)をオプションで用意するという。スリットの位置が勝手に回ってしまわないバヨネット式のフードは使いやすい。

COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical E-mount

今回は展示のみで、手に取ったりテスト撮影はできない1本。先の2本より後の発売になるようだ。

最新レンズはどれも高性能だが大柄なため、コシナとしてはコンパクトで携帯性が高く、かつ性能も高いものを目指した。コンパクトな21mmにはVMマウントの「COLOR-SKOPAR 21mm F4 P」がラインナップされているが、レンズタイプの都合上、デジタルカメラでは周辺部の色被りが発生する(現在最も斜入射特性に優れると言われるライカM10でも避けられなかった)。それを解決すべく、ソニーEマウント用に新規設計されたのが本レンズだ。

描写傾向としては、カラースコパーのイメージにもあるという、コントラストが強めで、柔らかいというよりは少し硬めの描写。鏡筒の大きさの目標を決めてから開放F3.5のスペックを決めたそうで、開放F値を抑えているため性能も安定しているという。

コシナのEマウント超広角レンズは10mm/12mm/15mmとかなり振り切ったところからラインナップ展開が始まったので、ようやく"常用域"といえる焦点距離が登場したところにも面白さがある。カラースコパーの新製品は久しぶりだ。

そのほか

特徴的な鏡筒デザインのHELIAR Vintage Line 50mm F3.5。カットモデルは今年初登場。
Eマウントレンズの試写コーナー。
レンジファインダーカメラは、特にレンズとカメラのフィッティングを大事にしたい。
MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
今回はカールツァイスが別途ブースを構えているが、Otusなどのカットモデルはコシナブースに揃っている。
作品とレンズ断面を存分に楽しめる。

本誌:鈴木誠