ニュース

ニコンFマウント用レンズ「フォクトレンダー NOKTON 55mm F1.2 SL IIs」の発売が決定

株式会社コシナは4月14日、フォクトレンダーの「NOKTON 55mm F1.2 SL IIs」を5月に発売すると発表した。希望小売価格は税込8万8,000円。

ニコンFマウント用の交換レンズ。クラシックなスタイリングと、新旧のニコンFマウント機で使いやすい仕様が特徴の「SL IIs」シリーズ5本目。CP+2023で参考展示された4本の中から、正式発売が決まった。

本レンズのコンセプトは、レンズ後端に電子接点を持つAI-S(CPU内蔵)の仕様でありながら、55mm F1.2の明るさを実現すること。後玉径を確保するための工夫に見どころがある。

外観は往年のニッコールレンズを連想させるスタイリングで、これまでのSL IIsシリーズと共通。表面仕上げはアルマイト。フィルター径は52mmで、MF時代のニコンFシステムが掲げていた“アタッチメントサイズの統一”を思い起こす仕様となっている。

レンズ構成は6群7枚(非球面レンズ非採用)。本レンズ用に新規に設計された光学系となっており、F4付近で画面全体が極めてシャープになるという。最短撮影距離は0.45m。絞り羽根は9枚。最小絞りはF16。

外形寸法はφ69×48.1mm。重量は365g。レンズフードは別売の「LH-55s」(5月発売・税込5,500円)を用意。52mmのフィルタースレッドにねじ込み式で取り付ける。

対応レンズフード「LH-55s」

電子接点付き55mm F1.2を実現した背景のひとつに、最後部のレンズを金属カシメで固定している点がある。金属枠にレンズを入れて、枠を曲げてレンズを固定する方法で、これにより一般的な手法よりも後玉径を大きく取れるという。

NOKTON 55mm F1.2 SL IIsの後部
参考:NOKTON 55mm F1.2 SL IIs(左)とNOKTON 58mm F1.4 SL IIs(右)

一般的な手法はレンズをねじ込み式の枠で固定する「押さえ」といい、緩めれば外せるためメンテナンス性に優れている。なお本レンズの場合、金属カシメの後玉を外すことなく、レンズの前側から最後部までアクセスできる構造とし、メンテナンス性にも問題がないという。

もう一つの工夫は、マウントの部品に切削で穴あけ加工を施し、自動絞りの連動レバーが内側に干渉するのを回避している点。

マウント部の穴あけ加工

こうして電子接点が備わり、AI-S仕様の露出計連動爪(いわゆる“カニ爪”)も用意されているため、新旧のニコン一眼レフで露出計やAEを使いやすくなっているのがフォクトレンダーSL IIsシリーズの特徴。

デジタル一眼レフカメラ「ニコンDf」に装着
露出計連動ピンを持つニコン一眼レフカメラに装着
フォクトレンダーNOKTON 55mm F1.2 SL IIsを実機で解説(デジカメ Watch Channel)
本誌:鈴木誠