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昨対比で低調が続くカメラ出荷台数。国内向け市場では一眼レフの下げ幅が拡大
米州向け市場では一眼レフ好調 10月のCIPA統計より
2021年12月2日 07:00
一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は12月1日、2021年10月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。
世界全体で、出荷台数・金額ともに昨対比で大きく減少。国内向け市場では前月比でも伸び悩みを見せた。一方、国外では米州向け市場にて、一眼レフカメラが前月から大きく伸長するなどの特徴的な動きもあった。
概況
10月のデジタルカメラ総出荷台数は63万8,853台(前月比90.7%)、金額が411億9,140万5,000円(前月比98.8%)で、前月よりわずかに減少した。さらに昨年同月比で見ていくと台数56.3%・金額73.3%となっており、大きく減少したことが見受けられる。昨年の推移では8月から10月にかけて上昇傾向を見せていたが、今年は同期間における数値の上昇がなく、その分結果に大きな差が生じた状況となっている。
カメラ種別ごとに見ていくと、ミラーレスカメラは台数が25万8,856台(前月比98.4%)、金額が282億4,316万6,000円(前月比100.5%)で、前月比でほぼ横ばいだった。昨年同月比では台数62.2%・金額79.8%で減少傾向となっている。
一眼レフカメラは台数が18万4,645台(前月比110.8%)。金額は78億9,261万9,000円(前月比107.3%)で、前月比では唯一の好調を見せた。一方、昨年同月比で見ると台数54.5%・金額63.7%で、ミラーレスカメラよりも大きな下げ幅となっている。
レンズ一体型カメラは台数が19万5,352台(前月比71.1%)、金額が50億5,562万円(前月比81.4%)で、前月比ではもっとも下げ幅が大きくなった。昨年同月比でも台数51.4%・金額59.9%で振るわなかった。
国内の状況
国内向け市場におけるデジタルカメラ全体の出荷台数は6万6,523台(前月比57.5%)、金額が28億3,582万7,000円(前月比66.4%)で大きく減少した。昨年同月比でも台数66.9%・金額69.1%と落ち込んだ。
カメラ種別ごとに内訳を見ていくと、ミラーレスカメラの台数が1万9,963台(前月比60.7%)、金額が16億5,603万8,000円(前月比67.0%)を記録した。昨年同月比では台数67.9%・金額67.3%だった。
一眼レフカメラは台数が4,769台(前月比66.6%)、金額が2億8,043万7,000円(前月比72.7%)を記録。昨年同月比では台数40.3%・金額50.1%で、カメラ種別でもっとも大きな減少となった。
レンズ一体型カメラは4万1,791台(前月比55.2%)、金額が8億9,935万2,000円(前月比63.6%)だった。昨年同月比では台数71.8%・金額83.3%を記録している。
国外の状況
国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は57万2,330台(前月比97.2%)、金額が383億5,557万8,000円(前月比102.5%)を記録した。低調だった日本国内向け市場とは反対に、ほぼ横ばいの結果となった。なお、昨年同月比では台数55.3%・金額73.6%となっており、国内向け市場と同様に大きく減少した。
地域別にみていくと、とりわけ好調を見せたのは米州向け市場だった。その中でも特に一眼レフカメラが好調で、台数8万3,361台(前月比170.4%)・金額27億4,688万5,000円(前月比147.0%)となっており、前月比で大きく伸長した。なお、昨年同月比では台数56.9%・金額65.8%だった。
中国向け市場も概ね好調を維持した。デジタルカメラ全体の出荷台数が11万4,683台(前月比105.6%)、金額が114億9,942万5,000円(前月比107.8%)を記録している。昨年同月比では台数65.3%・金額87.9%だった。
世界全体で昨年同月比が大きく落ち込んだ10月だったが、欧州向け市場ではその動きが特に顕著だった。台数17万3,218台(前月比86.6%)、金額が95億5,140万6,000円(前月比93.5%)を記録。昨年同月比では台数49.1%・金額64.8%だった。