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X-T4の機能を追加したAPS-Cミラーレス「X-T30 II」。レンズキットは約12.1万円

動画とAF性能を強化 1.25倍クロップで秒30コマのブラックアウトフリー連写も

富士フイルムは、APS-Cセンサーを搭載するミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T30 II」を11月に発売する。ボディ単体のほか、レンズキット(XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZが同梱)をラインアップしている。カラーはシルバーモデルのみで、価格はそれぞれオープン。店頭予想価格はボディ単体が10万8,900円前後で、レンズキットは12万1,000円前後。

2019年3月に発売されたAPS-Cミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T30」から主にソフトウェア面を強化したリニューアルモデル。2020年4月および5月に発売されたミラーレスカメラ「X-T4」と同等の撮影性能を備えているという。

強化ポイント

主な強化点は動画撮影性能とAF性能の向上。有効約2,610万画素の「X-Trans CMOS 4」と、画像処理エンジン「X-Processor 4」を前モデルのX-T30から継承しつつ、後発のX-T4にならぶ最新世代の撮影機能が搭載された。

AF面では、-7.0EVの低照度環境下でのAF動作に対応(XF50mmF1.0 R WRと組み合わせた場合。X-T30は-3.0EVまでだった)。また、最新のアルゴリズムを採用したことで、動体追従性能が向上。センサー全面(約100%)に像面位相差画素を配置したとして、顔・瞳AFとともに、動きのある被写体の捕捉に威力を発揮するとしている。

動画面では、フルHD/240Pのハイスピード動画撮影に対応。これにより、X-T4と同じく10倍のスローモーション映像の再生が可能になっている。このほか、4K/30P(4:2:0 8bit)のカメラ内記録にも対応。HDMI出力で外部レコーダーを併用した場合は4K/30P 4:2:2 10bitにも対応しているという。

ハード面も進化

連写性能は、X-T30と同等。メカニカルシャッターは最高約8コマ/秒で、電子シャッター設定時は、最高で約30コマ/秒(1.25倍クロップ)による撮影が可能となっている(クロップなしの場合は最高約20コマ/秒)。また、電子シャッター設定時は、ファインダー像の消失時間がなくなる、いわゆるブラックアウトフリーでの撮影が可能になっているという。

このほか、背面モニターは引き続き3.0型で、タッチパネル対応のチルト式を採用。解像度が本モデルでは約162万ドットになるなど、X-T30の約104万ドットから密度が向上している。

このほかハード面は、カードスロットはSD UHS-Iの仕様をX-T30から引き続き採用。バッテリーもNP-W126Sとなっている。

フィルムシミュレーションは18種類が揃う

フィルムシミュレーションは、同社Xシリーズで搭載されている全種類が搭載。ネガフィルム調の再現を特徴とする「クラシックネガ」のほか、低彩度・高コントラストな再現が楽しめる「ETERNAブリーチバイパス」など18種類が使用可能となっている。

このほか、シーンを判別し最適な撮影設定をカメラ側が自動で選択してくれる「AUTO」モードのほか、シーンに合わせて撮影設定を選択できる「SP(シーンポジション)」モードのアルゴリズムも刷新したとしており、手軽に美しい写真を撮影できる点もポイントだとしている。

外観

主な仕様

センサー

有効約2,610万画素・X-Trans CMOS 4センサー

画像処理エンジン

X-Processor 4

シャッター

メカニカルシャッター:最高1/4,000秒
電子シャッター:最高1/32,000秒

連写速度

最高約5.0コマ/秒
電子シャッターかつCH設定時:約20コマ/秒・同設定かつ1.25倍クロップ時:約30コマ/秒

EVF

0.39型有機EL(約236万ドット・倍率0.62倍・アイポイント約17.5mm)

背面モニター

3.0型チルト式タッチパネル付きTFT(約162万ドット)

記録メディア

SD/SDHC/SDXCカード(UHS-I対応)

動画記録

最大DCI4K 30p(連続最大約30分まで)

外部端子

USB Type-C、HDMIマイクロ端子(タイプD)、2.5mmステレオミニジャック(マイク、リモートレリーズ兼用)

無線

Bluetooth Ver. 4.2(Bluetooth low energy)

バッテリー

NP-W126S

撮影可能枚数

静止画:約390枚(ノーマルモードかつXF35mmF1.4R使用時)
動画:約60分(4K 30p・顔検出オフ時)

外形寸法

W118.4×H82.8×D46.8mm

質量

約378g(バッテリー・メモリーカード込)

本誌:宮澤孝周