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日本カメラ博物館で、210mm径の「人工蛍石結晶」が展示開始

放送用レンズ向けの非加工品 キヤノンオプトロンが寄贈

日本カメラ博物館にて寄贈イベントが開催。左から、日本カメラ財団 常務理事の谷野啓氏、キヤノンオプトロン株式会社 取締役副社長の竹田政雄氏。

キヤノンオプトロン株式会社は7月2日、同社が茨城県結城市の本社内で製造する「人工蛍石結晶」を一般財団法人日本カメラ財団(JCII)に寄贈した。JCIIが運営する日本カメラ博物館にて7月3日から展示される。

人工蛍石結晶の製造を通じた同社の半世紀以上にわたる光学産業への貢献が評価され、JCIIからの要請で寄贈が行われたという。展示されるのは、ルツボから取り出したまま、加工していない状態の人工蛍石結晶。放送用レンズに加工される直径210mmと大きなもので、重さは約3.8kgだという。

蛍石は、光学ガラスとの組み合わせによって理想に近い色収差補正が行えるとして、カメラ用交換レンズ(キヤノン現行品では10機種)ほか、放送用レンズ、天体望遠鏡レンズ、紫外線顕微鏡などに活用されている。

かつてのEFレンズカタログには、キッシンジャー米国国務長官がウォーターゲート事件に関する機密書類を手にした写真が掲載。フランコ・ロッシ氏がキヤノンF-1に蛍石レンズ(FL-F300mmF2.8 S.S.C. Fluorite)と2倍のエクステンダーを組み合わせて撮影したもの。
一文字ずつを読み取れるほどのレンズ性能を伝えている。

日本カメラ博物館の所在地は、東京都千代田区一番町25 JCII一番町ビル(地下1階)。開館時間は10時〜17時(毎週月曜休館)。入館料は一般300円。

本誌:鈴木誠