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日本カメラ博物館の特別展「日本の歴史的カメラ120年」会場レポート

歴代の選定機種など700点以上が並ぶ

日本カメラ博物館は、特別展「日本の歴史的カメラ120年 技術発展がもたらしたもの」を10月24日から2024年3月10日まで開催する。会期前の報道公開時に撮影した館内写真とともに概要をお伝えする。

日本製として最初期のアマチュア向け量産カメラであり、日本にカメラ産業が萌芽した象徴という「チェリー手提暗函」(1903年)から2022年までの120年間に登場した、技術的・歴史的に意義のある日本のカメラを一堂に展示。これまで日本カメラ財団が「日本の歴史的カメラ」に選定した898点のうち、700点以上を並べた。

時代ごとにカメラが展示されている。写真は1980年代のコーナー
特別展エリアのみならず、常設エリアも使った大規模展示となっている

日本の歴史的カメラは、日本のカメラの発展の歴史をながく世にとどめるため、日本カメラ財団内の歴史的カメラ審査委員会が中立的な立場から毎年選定・発表している。「技術史的に意義のある日本最初の試みがされているもの」もしくは「市場において特に人気を博する」など、歴史的にみて意義があるとみなされる日本のカメラが選定対象となっている。

キヤノンIXY DIGITAL(2000年)。「APSカメラの『IXY』シリーズのデジタル版。2倍ズームレンズ、3点測距オートフォーカスを備え、コンパクトにまとめられている」
パナソニックLUMIX DMC-G1(2008年)。「初めてマイクロフォーサーズ規格を採用し、液晶ファインダー専用機としてレンズ交換を可能としたデジタルカメラ。144万ドット相当の高精細液晶ビューファインダーを備える」
リコーGXR(2009年)。「レンズ、撮像素子、画像処理エンジンを一体化し、交換可能としたデジタルカメラ。カメラユニットにより異なるサイズの撮像素子を採用」
ニコンCOOLPIX S1000pj(2009年)。「世界初のプロジェクター内蔵デジタルカメラ」
2010年代はミラーレスカメラの発展が目覚ましかったが、それ以外にも多様なカメラが登場したことがわかる
OM SYSTEM OM-1、ニコン Z 9、キヤノンEOS R3。2021年・2022年の選定機種より

展示コーナーには、日本の歴史的カメラに選ばれた機種のほかに、日本のカメラ技術が反映されたエポックな機種も並ぶ。選定された機種にも未収蔵のものがあり、同館は寄贈を受け付けているという。

日本のカメラ技術を反映したエポックな機種も並ぶ

日本のカメラ産業は、当初は欧米製品の模倣にはじまり、第2次世界大戦の敗戦と復興、高度経済成長期を経て世界のカメラ大国となり、近年はデジタルカメラの普及と発展に貢献してきました。この間に選定された「日本の歴史的カメラ」は、日本のカメラ技術発展史を実物資料で体系的に網羅した、世界で唯一の貴重なコレクションといえます。

今回の特別展では、これまでに選定、収蔵された「日本の歴史的カメラ」を展示し、日本のカメラ技術発展がもたらしたもの、カメラや写真の歴史に果たした功績を紹介いたします。

特別展「日本の歴史的カメラ120年 技術発展がもたらしたもの」

図録を販売。通信販売も利用可能

日本カメラ博物館特別展「日本の歴史的カメラ120年 技術発展がもたらしたもの」

会期

10月24日(火)〜2024年3月10日(日)

会場

日本カメラ博物館
東京都千代田区一番町25 JCIIビル

開館時間

10時00分~17時00分

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
年末年始(12月28日~2024年1月4日)

入館料

一般300円、中学生以下無料。団体割引(10名以上)一般200円

入館料割引

博物館受付に「私にとっての歴史的カメラ」を持参・提示し、アンケートに記入すると、入館料金から100円割引。

本誌:鈴木誠