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パナソニック、ミラーレスカメラ「LUMIX S1R」「LUMIX S1」を国内発売

576万ドットEVF 防塵防滴・耐低温仕様 XQD/SDの2スロット

LUMIX S1R+LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.

パナソニックは、ミラーレスカメラ「LUMIX S1R」(DC-S1R)、「LUMIX S1」(DC-S1)を3月23日に発売する。

ボディ単体の店頭予想価格は、LUMIX S1Rが税別46万4,000円前後、LUMIX S1が税別31万4,000円前後。標準ズームの「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」が付属するレンズキットの店頭予想価格は、LUMIX S1Rキットが税別57万6,000円前後、LUMIX S1キットが税別42万6,000円前後。

LUMIX初の35mmフルサイズミラーレスカメラ

2018年9月のフォトキナで開発発表した同社初の35mm判フルサイズミラーレスカメラ。ライカカメラ社が設計した「Lマウント」を採用する。2月1日の海外発表に続き、日本国内での発売に関する詳細が明らかになった。同時発売となる交換レンズ3本については別記事でお伝えする。

同社は2008年にマイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ第1号機を発売。今回「新フォーマットによる新たなシステムカメラへの挑戦」として、35mmフルサイズフォーマットの製品を投入する。

開発発表の当初から、高画質、機能性、堅牢性といった要素を追求するプロ向けのシステムカメラであるとアピールしており、シリーズ名は「スペシャライズド」(特化)の頭文字からLUMIX Sと名付けた。

以下に2機種の概要を紹介する。撮像素子を除く仕様には共通部分が多いため、後半にまとめた。

LUMIX S1R(DC-S1R)

LUMIX S1R+LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.

有効4,730万画素のCMOSセンサー(36.0×24.0mm)を搭載する高解像モデル。感度はISO 100-25600(拡張で50-51200)。動画記録時間は4K60p/30pで最大15分。

連写時の最大撮影コマ数はRAWで40枚以上、JPEGで50枚以上(ソニーGシリーズXQD使用時)。

撮影可能枚数は液晶モニターで約360枚、EVFで約340枚。省電力ファインダー撮影設定の使用で約1,100枚(いずれもXQD使用時)。

外形寸法は約148.9×110×96.7mm。重量は約1,016g(バッテリー、SDカード込み)、約898g(本体のみ)。

LUMIX S1(DC-S1)

LUMIX S1+LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.

有効2,420万画素のCMOSセンサー(35.6×23.8mm)を搭載し、静止画/動画のハイブリッド用途に訴求するモデル。感度はISO 100-51200(拡張で50-204800)。動画記録時間は4K60pで29分59秒、4K30pでは無制限。

連写時の最大撮影コマ数はRAWで90枚以上、JPEGで999枚以上(ソニーGシリーズXQD使用時)。

撮影可能枚数は液晶モニターで約380枚、EVFで約360枚。省電力ファインダー撮影設定の使用で約1,100枚(いずれもXQD使用時)。

外形寸法は約148.9×110×96.7mm。重量は約1,017g(バッテリー、SDカード込み)、約899g(本体のみ)。

LUMIX S1

LUMIX S1R/S1の共通仕様

カメラボディ内の手ブレ補正機構はセンサーシフト式。対応レンズが備える手ブレ補正機構と協調動作するDual I.S.2にも対応する(ボディ内5軸×レンズ内2軸)。

三脚固定時にイメージセンサーを細かく動かしながら複数画像を連写合成する「ハイレゾモード」を、マイクロフォーサーズ機の「LUMIX G9 Pro」から継承。S1R/S1では新たに動き補正モードを搭載し、動いた被写体の部分にブレが発生しないという。記録サイズはS1Rが1億8,700万画素、S1が9,600万画素。

AFはコントラストAFとDFD(空間認識)テクノロジーを利用。AI技術のディープラーニングを活用した「顔・瞳」、「人体」、「イヌ科」、「ネコ科」、「鳥類」の認識機能も搭載している。

6K PHOTO/4K PHOTO機能を搭載。連写の前後フレームを利用した画像処理「時空間ノイズリダクション」、「ローリングシャッター歪み補正」もマイクロフォーサーズ機から継承している。

4K HDR動画に用いられるハイブリッドログガンマ(HLG)を静止画に応用し、より人間の視覚に近い広ダイナミックレンジの静止画を記録できるという「HLGフォト」機能を搭載。対応するパナソニックの4Kテレビで再生できる。

本体にはマグネシウム合金を採用。防塵防滴、-10度保証の耐低温設計としている。

シャッターは1/8,000〜60秒、最大約30分(バルブ)。最高シンクロ速度は1/320秒。

メカシャッターでの連写速度はAF追従で約6コマ/秒、AF固定で約9コマ秒。

液晶モニターは3.2型約210万ドットのタッチパネル式。3軸チルト機構を備える。また、本体上面にバックライト付きのステータスLCDを搭載。背面ボタンの一部には、暗所での視認性を確保するイルミネーションが備わる。

EVFは0.5型約576万ドットのOLED。倍率は0.78倍。歪みを最小限に抑えた光学系としている。

「省電力ファインダー撮影設定」は、液晶モニターを消灯した状態で接眼時のみEVFを表示し、電力消費を抑える機能。こまめにカメラをスリープ状態にする設定となり、ライブビューのフレームレートをはじめとする撮影のレスポンスには影響を与えないという。

イメージセンサー上のホコリなどを除去するための超音波防塵フィルター(SSWF)を搭載。

記録メディアスロットはXQD用とSDXC/SDHC/SDメモリーカード用(UHS-II対応)の計2つ。XQDスロットはCFexpress(Type B)に対応予定。

インターフェースはUSB 3.1 Type-C端子、HDMI Type A、ステレオ音声出力。

使用バッテリーは「DMW-BLJ31」(単品価格実売9,000円前後)。バッテリーチャージャー「DMW-BTC14」(単品価格実売1万,3000円前後)はUSB Type-C端子から電源供給する。

DMW-BLJ31
DMW-BTC14

通信機能はWi-Fi/Bluetooth Low Energyに対応。

別売バッテリーグリップ「DMW-BGS1」(実売3万5,000円前後)も用意する。

DMW-BGS1

本誌:鈴木誠