デジカメアイテム丼
Capture One対応コントロールサーフェス「Tangent Ripple」を試す
トラックボールと3つのダイヤルで、カラーバランスツールの操作性が大きく向上
2017年1月31日 12:28
Capture Oneでの作業用にコントロールサーフェスTangent Rippleを購入した。Capture Oneは2016年末に公開されたCapture One 10からTangentの周辺機器に対応しており、動画編集向けのレビューはいくつかあったものの、Capture One向けのレビューはあまり見当たらない。代理店であるRAIDでタッチ&トライをしたところ気に入ったので、そのまま購入した。購入価格は税別4万6,000円。というわけで、今回は、そのインプレッションだ。
Rippleは、3つの直径46mmトラックボールが並ぶビジュアルが特徴的で、トラックボールのほかには、3つのダイヤルと、ダイヤルそれぞれの左右にリセットボタンがあり、トラックボール間にもAボタンとBボタンがある。
ドライバーとセットでインストールされるTangent Mapperでのカスタマイズに対応しており、デフォルトではカラーバランスツール(3-ウェイ)の操作が可能だ。
トラックボールでカラーサークル中央にあるピンを、ダイヤルで明度調整スライダーを動かせ、ダイヤル左右のボタンで設定値のリセットできるため、マウスでの操作が煩雑なカラーバランスツールの操作を効率的、直感的に実行しやすくなる。
対応状況は、2017年1月時点だとCapture Oneのみで、OSはWindowsとmacOS。元々は映像アプリケーション向けコントロールサーフェスであるため、PremiereやDavinci Resolveなどへの対応が中心である。
特徴的な各部を見てみよう。
各ダイヤルはクリックオフで、適度な抵抗がある。ダイヤル左右にあるものがリセットボタン。カラーバランスツールのリセットに固定されており、左リセットボタンは彩度、右リセットボタンは明度のリセットに対応する。
支持球は3つ。dpiなどの情報は公開されていないが、細かい調整に十分耐え、引っかかりらしいものも感じない
トラックボールは直径46mm。
カラーバランスツールが前提な周辺機器であるため、現像プロセスがカラーグレーディングに寄っているのであれば、操作が楽になる。筆者の場合だと、彩度を下げてから、シャドウと中間調の明度を下げ、カラーサークルを弄っていくことが多いため、デフォルトのままでも快適だ。
より快適にすることも可能で、Tangent Mapperを見るとAボタンにはALT Functionが割り当てられており、マップを変更できる。
追加できる操作にはレベルとカーブ以外の大半があり、トラックボールに機能を割り振ってみたり、ダイヤルにズームイン/アウトやホワイトバランスを割り振ったりとカスタマイズできる。
またカラーバランス(マスター)もセットでき、カラーバランス(3-ウェイ)で調整して、さらにカラーバランス(マスター)で微調整するという操作もやりやすい。
Tangent Rippleを導入したことで、画面左のカラーバランスから処理に入って、右のフローティングウィンドウでの微調整という流れが楽になった。
またカラーバランスを表示していなくても操作は適用されるので、カラーサークルを見ないで写真データのみを注視しながらの作業もやりやすい。
Tangent Mapperによるマッピング(機能割当)に対応するのは、トラックボールとダイヤル、Aボタン、Bボタン。
マッピング可能な機能一覧。レベルとカーブはない。
操作時、画面上に表示されるHUDの内容も、値とバー、パーセンテージから選択可能。
トラックボールへの割り当ては、YとXの2系統だが、ショートカットについてはX軸の場合は左右に追加できる。Y軸の場合は上下になる。
しばらく操作してみて、デフォルトの設定例を採用した。HUDの行と列はRippeのレイアウトと連動している。
これはAボタンを押下したときのマッピング。
ダイヤルにホワイトバランスと色被り、ズームを割り振り、左トラックボールのX軸に調整設定のコピーとペースト、中央トラックボールに彩度とコントラスト、右トラックボールにカラーバランス(マスター)に着地した。左トラックボールY軸がブランクなのは、Aボタンを押している状態で操作しにくかったからだ。
Element-Kbなども対応しているのだが、Rippleと併用しようとしたところ、動作せず。
HUDにマッピングが表示されたので、ドライバーアップーデートで動作するようになるかもしれない。ちなみに、Element-Kbは各種スライダーをノブで操作できるものだ。
Capture Oneを愛用し、かつカラーバランスツールの使用率が高い人向けの周辺機器だが、作業効率は大きく上昇する。マウスでピンを動かすのがかったるいと感じているのであれば、導入を検討していいだろう。筆者はとっても快適になった。