カメラバカにつける薬 in デジカメ Watch
旭はまたのぼる(その1)
2017年9月1日 07:00
フィルムカメラのスタンダードといえばライカ判たる135フィルム(35mmフィルム)です。デジタルカメラ黎明期、135フィルムと同等のサイズのイメージセンサーは非常に高価で、代わりにデジタル一眼レフカメラでは、APS-Cフォーマット相当のイメージセンサーを採用する製品が主流となりました。ただやはり勝手が違いますから、135フォーマットが欲しかったわけです。フルサイズ機、という呼称は小さなイメージセンサーの物足りなさに対する裏返しだったのでしょう。キヤノンが「買える価格のフルサイズ」を出したこと、その大きいイメージセンサーから産まれる画質のよさ、フィルム時代のレンズが「その焦点距離の意味する画角で使えること」などで、庶民のフルサイズ願望はピークに。とうぜん、ペンタックスユーザーにも待望論はありました。
思えばペンタックスは2000年のフォトキナでフルサイズセンサーを搭載したカメラを参考出展していましたし、2010年にはフルサイズを超える「買える価格の中判」、645Dも発売しました。しかしフルサイズ機が出る気配は一向にありませんでした。漆塗りの645Dや後継機の645Zが出ましたが、フルサイズ機は出ません。
その間、ニコンが衝撃的な高画素機、D800を発売したり、ソニーがミラーレスカメラのα7を発売したりしました。フルサイズ機が目移りするほど選べる時代になったいま、ペンタックスからようやく登場したフルサイズ機が「K-1」だったのです。次回はK-1のK-1たる所以を考えてみたいと思います。
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