特別企画

小型大口径ズーム「SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary」で描く東北の絶景

SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

※本企画は『デジタルカメラマガジン2022年1月号』より抜粋・再構成したものになります。

本レンズは開放F値がズーム全域F2.8の大口径標準ズームレンズでありながら、小型・軽量で片手に収まるほどのサイズが魅力。このレンズを持って地元の秋田県、晩秋の鳥海山麓を中心に撮影した。

画質より小型化を優先したレンズかと思いきや、実際に撮影するとシグマのレンズならではのキレのあるシャープな描写に驚かされる。さらに、マクロ並みの近接撮影も可能。ただ小さいだけでなく、標準ズームとして最高のパフォーマンスを誇るオールラウンダーのレンズだ。風景のみならず、ポートレートや物撮り、動画などさまざまなシーンに対応できるだろう。

風景写真では時に登山や長時間の徒歩移動が伴うが、小型・軽量の本レンズなら躊躇なく持ち出せる。安価で導入しやすいことも見逃せない。

SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

全長76.5mmで質量は290gと手のひらに収まるサイズながら、ズーム全域で開放F2.8を実現している。APS-C機の機動力を損なわない軽量・コンパクトなレンズだ。

対応マウント:ソニーE、ライカL
レンズ構成:10群13枚
絞り羽根枚数:7枚 最小絞り:F22
最短撮影距離:0.12m~0.30mm
最大撮影倍率:0.35倍~0.2倍
フィルター径:55mm
外形寸法(最大径×全長):約61.6×76.5mm
質量:約290g
発売日:2021年10月29日
価格:73,150円(実勢価格6万6,000円前後)
※数値はEマウント用

今回はソニー ZV-E10に装着して撮影した。APS-C機の機動力というアドバンテージをフル活用できるコンパクトさに驚く。ズーム全域F2.8通しとは思えないサイズと軽さだ。

POINT 1……開放F2.8の前ボケで描く奥行きを感じる中望遠風景

鳥海山のふもと、湿原越しに鳥海山を望む場所だ。開放F2.8の明るさを生かして枯れ枝を前ボケとして入れることで風景の奥行きを表現した。望遠端でも開放F値が変わらないので、表現意図に合わせた選択ができる。画質は開放絞りからシャープで十分に実用的だ。

ZV-E10/50mm(75mm相当)/絞り優先AE(F2.8、1/2,000秒、-0.7EV)/ISO 100/WB:オート

もちろん、画面全体を精緻に描きたいときは少し絞るとさらに解像感が深まる。狙いに合わせたF値の選択肢が広いことが大口径ズームの魅力だ。

ZV-E10/50mm(75mm相当)/絞り優先AE(F7.1、1/320秒、-1.3EV)/ISO 100/WB:オート

POINT 2……12cmまで寄れる近接撮影性能で柔らかなボケ味を堪能する

広角端での最短撮影距離は12cmで、レンズフードに当たるほど被写体に近寄れる。近接時もピント面は非常にシャープだ。ボケ味も滑らかで風景の中で見つけた草花を簡易的にマクロ撮影できる。非常に使い勝手の良いレンズだと言える。

ZV-E10/18mm(27mm相当)/絞り優先AE(F3.2、1/640秒、-0.7EV)/ISO 320/WB:オート

POINT 3……広角端で絞り込んで描き出す精緻な苔の質感や岩の立体感

元滝伏流水を広角端18mmで撮影すると、水や岩の立体感から苔の細部まで見事に描写された。画面周辺までシャープに描写され、APS-Cフォーマットながら風景写真に必要な高い解像力と描写性能を持つ。

ZV-E10/18mm(27mm相当)/シャッター優先AE(F10、1/5秒、-1.3EV)/ISO 100/WB:オート

制作協力:株式会社シグマ

小川惇