特別企画
ついに実現!「Profoto A10」にOCFアクセサリーを装着してみる
多彩な表現が可能に 強力なライティングツール群に対応
2020年11月30日 12:00
「Profoto A1」が2017年に登場してから、ずっと欲しかったアクセサリーと言えばOCFアダプターだった。
OCFライトシェーピングツールは本来、「Profoto B10」「Profoto B1X」といったモノブロックスタイルのストロボにしかつかず、オンカメラスタイルの「Profoto A1」や、その後継機「Profoto A1X」「Profoto A10」には装着できない。OCFライトシェーピングツールはロケ撮影を考えて作られた機動力を重視したシリーズ。小型軽量なA系製品にOCFライトシェーピングツールを取り付けるためのアダプターがあれば、A1系製品がさらに使い手のあるストロボになるのだが……
2020年11月、「Profoto A1」発売から約3年たち、念願の「Profoto OCFアダプター」が発売された。
というわけで、今回は新発売の「Profoto OCFアダプター」と「Profoto A10」との組み合わせによる使用感をレビューしていきたいと思う。
しっかりした作りのOCFアダプター
今回使用した「Profoto A10」は、一般的なクリップオンストロボに比べ光の広がりが美しくムラがない。ライトシェーピングツールなしで直接光を当てても、綺麗なライティングができるのが魅力だ。
ただし光源が小さいため、モノブロックタイプのストロボに比べて、どうしても硬い光になってしまう。そう言った場合、OCFライトシェーピングツールが光の「質」を変えてくれる。
一般的に光源が大きくなればなるほど光が柔らかくなる。例えば60cm×90cmのソフトボックスを使用すると、ストロボ直当てに比べ光量は落ちるが、光は柔らかくなり陰影の付き方も変わってくる。
OCFアダプターは金属製でしっかりとした造りが魅力。アンブレラホルダーもあり、B10同様にストロボの角度も自由に変更できる。大きめのOCFライトシェーピングツールでも安心して使うことが可能だ。
◇ ◇ ◇
OCFソフトボックス オクタ型を使う
まずは筆者オススメの「OCF ソフトボックス オクタ型」を「Profoto A10」に装着して使ってみよう。
60cmの八角形のオクタ型ソフトボックスは、海外では定番のライトシェーピングツール。キャッチライトの美しさと円に近い光の広がりにより、ハイライトからシャドウまで美しいグラデーションを楽しめる。
被写体と近距離で使用するとハイライトからシャドウまでなだらかになり、被写体から少し離すことでハイライトとシャドウのコントラストを上げることができる。今回は使用していないが、オプションのソフトグリッドを装着して、より強いコントラストをつけるのもの良いだろう。
次は「OCFソフトボックス オクタ型」を使った2灯ライティングの例。
「OCFソフトボックス オクタ型」にオプションのソフトグリッドを装着し、モデルの左後側から「OCF ソフトボックス ストリップ型」をつけた「Profoto A10」の光を当てている。こうすることでハイライトが強調され、艶感と光が感じられる作品になる。メイン光よりも背景から当たる光を約1段ほど強くした。
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OCF ソフトボックス 長方形型を使う
OCFライトシェーピングツールの基本は2×3の「OCFソフトボックス 長方形型」だ。
中でも60cm×90cmサイズのソフトボックは使い勝手抜群。ウエストアップから全身まで幅広くカバーできる。ボックス内部にあるディフィーザーにより、均等な光を得られるのもポイントだ。
今回は「OCF ソフトボックス オクタ型」との2灯構成で撮影した。
厳密なことを言えば、「Profoto A10」の光源は小さいので、「Profoto B10」などのモノブロックストロボに比べると、光の芯が少々目立つことがある。より均一な光を広範囲に作り出したい場合はB10やB1Xがオススメだ。
ただ、今回「Profoto A10」で撮影すると、均一で美しいハイライトからシャドウへの影のグラデーションを表現できた。OCFライトシェーピングツールの力だろう。被写体に対して斜め45度くらいから光を当てることで、影を活かした立体的な表現が可能だ。
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OCF マグナムリフレクターを使う
より強い光が必要な場合には「OCF マグナムリフレクター」が役立つ。光は硬質になるが、「Profoto A10」の光を最大で2段分増長することが可能だ。「Profoto A10」は76Wsなので300Ws相当のパワーになる。
作例は靄の掛かる強い逆光シーンで撮影。「OCFマグナムリフレクター」を使うことで、強い逆光にも勝つことができるのだ。
ストロボがないと背景は真っ白になり画にならないような難しいシーンだ。「OCF マグナムリフレクター」をつけてフル発光で撮影すると、露出オーバーになるほど光が強い。結局、出力を8.0にして撮影した。
今回は被写体から約3mほど離れていたので、光の当たっている範囲は顔からウエストくらいだ。全身をライティングしたい場合は5mほど離す必要があるが、光量としては問題なく撮影できるだろう。
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アンブレラ ディープ シルバーを使う
OCFアダプターにはProfotoのアンブレラ製品すべてが使用できる。
ProfotoのアンブレラはS、M、L、XLと4種類のサイズがあり、ホワイト、トランスルーセント、シルバーの3種類それぞれに、深さとしてシャローとディープを選択できる。
人物を撮影するにはディープ系のアンブレラがオススメだ。ディープはロッドの数が多く、放物線状に近いパラボリックタイプになっている。キャッチライトが美しく光のコントロールも容易で使い勝手抜群だ。
今回はロケで使い易いMサイズの「アンブレラ ディープ シルバー」を使用した。シルバーを使うことで少し強めのハイライトとシャドウを印象に表現できる。また、シルバーは衣装の色もビビッドにできるので、作例のような衣装にも合う印象だ。
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OCF ビューティーディッシュ ホワイトを使う
人肌をより美しく撮影したい方には「OCF ビューティーディッシュ」がオススメ。シルバーとホワイトが用意されている。
今回はより人肌が美しくコントラストの低いホワイトをチョイス。ビューティーディッシュはホットスポットがなく均一なライティングが可能。被写体に近づけるほど柔らかいライティングになる。
顎下の影もホワイトであればミディアムコントラストで立体感が感じられる。さらに影を弱めたい方はレフ板を使っておこしてあげると良いだろう。
次は「OCF ビューティーディッシュ ホワイト」と「OCF ズームリフレクター」を組み合わせた例。背景から「OCF ズームリフレクター」で逆光を作りだしてみた。画面の端から太陽光を模した逆光が画面に入るよう調整している。
まとめ
今回、「OCFアダプター」と「Profoto A10」を使用して様々なライティングに挑戦した。「Profoto A10」一灯とライトシェーピングツールの組み合わせだけで、十分に美しい光を得られることを感じていただけると幸いだ。
ライティングは少しコツを掴めば、誰にでもできるので、まずは簡単なセッティングで挑戦していただきたい。その魅力が感じられるようになってくれば、より複雑なライティングの世界にも挑戦して、撮影者自身の世界感をぜひ光で表現して欲しい。
協力:プロフォト
モデル:中村早希