特別企画

ノートPCで撮影地を飛び回る!写真家・柄木孝志さんにMSIの最新モデルを使ってもらった

機動力とキビキビした動作で効率化

MSIのライトクリエイター/ビジネス向けノートPC「Summit B14」

MSIが今夏に発表したノートPC「Summit」シリーズの第一弾製品として14型液晶ディスプレイを備えたエントリークラス「Summit B14」がついにお目見えとなった。

Summitシリーズはビジネス向けノートPCのフラッグシップに位置づけられ、都合5モデルのラインアップを予定している。モデルはBとEに分かれており、BモデルはGPUに内蔵の「Intel Iris Xe graphics」を使用しFull HD表示が可能。Eモデルは、dGPUとして「NVIDIA GeForce GTX 1650 Ti With Max-Q Design」を搭載し、4K表示が可能となっている。

シリーズ最大の特徴は第11世代インテルCoreプロセッサ「Tiger Lake」を搭載すること。Tiger Lakeは熱設計電力(TDP)の設定がメーカに委ねられている。簡単に言えばPCの処理性能は最大必要吸熱量に左右されるが、これをPCメーカが従来よりも自由に調整できるのだ。吸・排熱機構にコストを注いでパフォーマンス重視のPCに仕上げるか、パフォーマンスを抑えて低コストかつ低消費電力のPCに仕上げるかといったように、メーカやモデルの個性を出しやすくなっている。

ただ、このことは裏を返せばチューニングの失敗を招きやすいとも言い換えられる。ろくな熱対策を設けずにTDPを定格よりも引き上げれば、安定したパフォーマンスは得られず、しかも消費電力だけは高いPCが出来上がってしまう。そこまで極端な製品は無いにしても、以前のように「このCPUを搭載しているのだから、同じCPUを搭載した○○社の製品と同じくらいの性能だろう」という選定が通じにくい。

そこで今回は、写真家の柄木孝志さんに「Summit B14」を試用していただき、MSIが意図した通りのデザインができているのかを判断してみたい。

柄木孝志さん。リモートでのインタビューに答えていただいた。

柄木さんは写真家としてだけでなく、地域活性化プロデューサーとしての活動も精力的におこなっている。通りが良いものでは「とっとりバーガーフェスタ」や「大山和傘灯り」などだろうか。鳥取を中心に数々のイベントを手掛けており、必然的にノートPCには写真家のツールとしての性能とビジネスツールとしての性能が求められると思われる。

柄木孝志(からき たかし)

株式会社LANDSCAPE DESIGN 代表取締役。写真家/地域活性プロデューサー。

代表作の一枚が「東京カメラ部」上にて10選に選ばれたことで活動が全国に広がり、カメラメーカーや、雑誌社、企業での撮影を担当するようになる。山陰DCや瀬戸内キャンペーンといった主要媒体のキービジュアルを担い、トワイライトエクスプレス瑞風やWEST EXPRESS銀河といった列車のオフィシャルカメラマンとして活動する。

現在は、全国10以上の自治体にて地域活性化、観光コーディネートのアドバイザーとしても活躍するほか、2019年7月には、日本最大のSNS写真コミュニティサイトを運営する「東京カメラ部株式会社」と資本提携。環境省、観光庁などと連携し、写真を通じた国内の地域活性化事業に注力している。

撮影:柄木孝志
撮影:柄木孝志
撮影:柄木孝志

◇   ◇   ◇

——まずは現在仕事で使用されているPC環境について教えていただけますか?

デスクトップ1台とノートPC1台を使用しています。月の半分くらいは外に出ている状況なのでノートPCの使用頻度は高いですね。

ただ、ノートPCを購入したのが5年前なので色々と不便な点が出ています。特に不満を感じているのは処理速度と色です。色については購入当初からのもので、ある程度こちらでフォローができるのですが、処理速度はどうしようもないです。

——ノートPCは実際にどのような使い方をされているのでしょうか?

Microsoft Officeでの資料作成やRAW現像など、出来ること全てといった感じでしょうか。当初は重い作業はデスクトップに任せていたのですが、次第にそれだけでは追い付かなくなってまして、ノートPCでもやれることはやりたいな、と。外に出ている時間の方が長いくらいなので手元にあれば色々と作業も捗りますから。実際、ノートPCを購入した当初はかなり捗っていたのですが、最近はデータサイズが凄く大きくなってるので現像などはきつい作業になってますね。

私のノートPCへの要求はそれほど高くない方だと思っています。さすがにノートPCだけでフィニッシュまで持っていこうとは思っていません。どうしてもデスクトップのディスプレイでチェックする必要はありますから。ただ、もう少し性能があり、ノートPCでできることが増えればなあと。

——アプリケーションは何をお使いですか?

主なものだとDigital Photo Professional、Lightroom、Photoshop、Camera Raw、Ofiiceですね。

どうしても同時に起動する必要が出てくるんですが、そうすると途端に重くなってしまう。動作が重くてもバッチ処理ならPCに任せて撮影なり他の作業ができますが、私は一枚一枚セレクトしながら作業を進めるため、どうしても時間を取られてしまいます。

現像だけでなく、拡大・縮小などもえらい時間がかかってましたから、ノートPCで現像するのは本当に憂鬱で(笑)それでもデータを溜め込むと余計にあとの作業が辛くなるのは目に見えてますから、こまめに作業はやっていたのですが段々と追い付かなくなって。

——そこに「Summit B14」を使っていただいたわけですが、いかがでしたか?

いや、もうビックリしましたね。5年でここまで進化するものなのかと。自宅で使っているデスクトップと比べても遜色が無いくらいでした。現像の速さもそうなのですが、先ほど言った拡大・縮小もスッスッと表示されて物凄く気持ち良かったです。出先で空いた時間を利用して、自家用車の中で少し作業するだけでフィニッシュの一歩手前まで進めることができました。

——熱の入ったお言葉ですね。

これだけ処理が速いと仕事の段取りも変わってくるんですよ。私の場合、軸足は鳥取なのですが、撮影する範囲は西日本エリア全般でわりと広いんですね。例えば、広島で仕事して、次は山口なんだけど画像の本番データをチェックして送るためだけに一度鳥取の事務所に戻るという非効率なこともやっていたんです。

「Summit B14」を使い車内で写真編集をおこなう柄木さん。

——あー、なるほど。作業時間以外に移動時間や移動コストも大幅に省けるんですね。

「Summit B14」なら細部のチェックから現像までを短時間で楽にこなせるので、残る作業と言えば色味の確認くらいです。色味は色校で修正が効きますので。

——その色味に関してはいかがでしたか?

私のノートPCだと青みが妙に強いんですね。ところが使用しているカメラはキヤノンでやや暖色に振れている。だから、ノートPCで見たイメージとデスクトップで見たイメージの乖離が大きくて、色校があるとしてもそのままクライアントに送るのは無理があるんです。5年使ってクセは掴んでいるので、違いを予測しつつパラメータを増減して現像すれば大体外れないのですが、それでもデスクトップでのチェックは欠かせませんね。「Summit B14」だと、厳密なチェックはしてませんが、特に変な偏りは無いのでそのままでも使用できます。

——デザインについて何か感想はありますか?

MSIにしては色合いが落ち着いているな、というのが第一印象ですね。私の中ではMSIって赤のイメージだったんですよ(笑)ロゴも落ち着きましたね。

——Summitはコストパフォーマンスの良さから企業への一括導入なども考慮していると思いますので、派手過ぎないように考慮したのかもしれません。ただ、そうしたノートPCにありがちな安っぽい印象はありませんよね。

ええ、むしろ格好良いですよ。塗装はマット仕上げの渋いイメージですし、蓋板はアルミですか? 金属の重厚さがあります。

——サイズや重量はいかがでしょう。車での移動が主体だとあまり気にしませんか?

撮影などの移動時は気にしませんが、ノートPCだけを持っていく打ち合せなどもありますので軽量なのはありがたいですね。ハイスペックなノートPCといえばゴツいものと思ってたので意外でした。薄型で無理なくカバンに出し入れできるのも良いと思います。

左からACアダプター、HDMI、USB 4.0 Type-C/DP/Thunderbolet 4(PD充電対応)、micro SDカードリーダー。
左からオーディオコンボジャック、USB 3.2 Gen 2 Type-A×2。
「Summit B14」のACアダプター。

——キーボードやタッチパッドなど入力部についてはどうでしょう?

気に入りましたね。私は指が太いためか他のキーに引っかかることが多いのですが、このキーボードはピッチもストロークも程よくて打ちやすかったです。タッチパッドは特に意識していなかったですが、不満を感じ無かったということは私には合っていたのでしょう。あと、面白いなと思ったのが液晶ディスプレイの反転機能です。

——F12キーで表示の天地が逆になる機能ですね。

ええ、ディスプレイを倒し込んで正面の相手が見やすいようにできるんです。クライアントさんに写真を見せる機会が多いんですよ。現場に行って現像して「こんな感じです」と見せて、やり取りしながら頻繁に切り替えながらする際も1キーで切り替えできるので手間がかからないです。特に今は「密を避ける」ことにもなりますし良い機能ですね。

その他では、Microsoft Officeがプリインストールされていたり、マイク内蔵Webカメラを標準装備というのもビジネス向けらしいなと思います。私にとってOfficeは必須アプリケーションですし、リモート会議の機会も増えているので別途に用意しなくて済むのは良いですね。コンセプトに合致した製品だと思います。

制作協力[MSI]

榊信康