特別企画

平成最後の満月をHUAWEI P30 Proで撮ってみた

先週末、4月19日(金)のこと。終電間際の帰り道で「今夜が平成最後の満月」という話を耳にした。そういえば、先日登場した「HUAWEI P30 Pro」(※日本未発表)は"月も撮れる50倍ズーム"が売り文句だったのに、月を撮っていなかった。

当初はP30 Proのポテンシャルを余すことなく引き出すべく、家から三脚も持ち出したわけだが、結局のところはスマホらしく手持ちで撮影することにした。上の写真のように自由雲台+汎用スマホホルダーでは超望遠域でのフレーミング変更がスムーズに行えず、月を追うのが難しかったからだ。超望遠の画角で見る月の動きは想像以上に速い。

というわけで、持ってきた三脚の雲台部分に軽く手を触れて、それを支えに撮影した。高感度化するデジタルカメラに慣れて忘れがちだが、どこか1点でも身体の支えにできる場所があれば手ブレの抑制効果は大きい。

撮影の様子を動画で

さて、Android OSの「スクリーン録画」機能を使って、実際に月を撮っているところを録画してみた。光学式手ブレ補正機構がググッと手ブレを吸収している様子も確認できる。

ズームスライダーを動かしていくと、AFフレームが自動的に月を被写体として追い続けるようになり、露出もいわゆる「ハイライト重点測光」のように月が白トビしない制御となる。撮影者がすべきことは、なるべくスマホを動かさないようにしてシャッターボタンを押すのみ。

本格カメラのようなAFフレームが月に追随し、ユーザーはシャッターボタンを押すだけ。
「ムーン」と認識されたおかげか、月の表面が白飛びしない明るさが保たれる。

自動シーン認識でポートレートの背景ボケや料理の色味などを調節してくれる「マスターAI」機能を画面上のボタンでオンにしておいたところ、ズームアップしていく途中で「ムーン」というシーンが設定された。

マスターAIは万人向けの親切機能だが、仮に意図したものと違うシーン認識だったり、効果が狙いと違う場合は、認識されたシーン名の横に表示されるバッテンを押せば即オフにできるのが便利だ。

というわけで実際に撮影した画像が以下である。印象はどうだろうか?

フルオート撮影。35mm判換算1,343mm相当、ISO 50、1/280秒。P30 Proで撮影したと主張する「LEICA QUAD CAMERA」のウォーターマークを入れ忘れたことが悔やまれる。

改めて説明すると、P30 Proには35mm判換算で16mm/27mm/125mm相当の3つの撮影カメラが備わっており、その中間および望遠部分をデジタルズームで補う「ハイブリッドズーム」と呼ばれる仕組みで構成されている(詳細は記事末の関連記事から是非)。そのデジタルズームの望遠端が50倍で、Exifには1,343mm相当と記録される。そもそも三脚や一脚なしに手持ち撮影をしようとは考えない焦点域だ。

現時点でスマートフォンによるこのクラスの超望遠撮影はP30 Proが優位だが、こういう手軽さが広がってくると単純に月だけを画面一杯に撮るのではなく、ちょっと広角にして周囲の景色を入れてみたり、いろいろと工夫するのが楽しくなりそうだ。

P30 Proのカメラは暗所画質が優れるのも特徴。月明かりの中で、空の階調を滑らかに表現している。35mm判換算27mm相当、ISO 3200、1/16秒。

本誌:鈴木誠